【出さない手紙】口出しもアドバイスもせずほっといてくれて、でも助けてくれて、ありがとう
配偶者君へ、
昨日わたしは生理初日で1日中寝ていて、起きてきたかと思えば夜7時に食パンを焼くと言い出しました。
どう考えても夜ごはんの時間なのに「夜ごはん?」と一言聞くだけで、「夜ごはんではないけど、いま食べたいから食べる!」と宣言するわたしにそれ以上なにも聞かず、なんなら「わいも食べるからいっしょに焼いて~」と言ってくれましたね。
ほっとしました、ありがとう。
そのあと夜8時に差し掛かる頃、昨日届いた洗濯ラックの段ボールをバリバリと明け、組立を始めるわたし。トイレに行く途中でチラリと横目で見たけれど、そのまま通りすぎてリビングのソファに寝転びましたね。
わたしが逆の立場だったらきっと
「お、洗濯ラックか~」
「ひとりでできる?」
「なにか手伝うことあったら言ってね」
「夜ごはんどうする?食べる?準備しとこうか?」
等々、べらべら話しかけていたことでしょう。
通りがかりに観察しては
「そこ●●した方がいいんじゃない?」
「あ、そこ危ないよ」
とか、おせっかいなアドバイスもしていたことでしょう。
配偶者君はなにも言わず、でもわたしが困ったら声をかけられる場所で、ただダランと過ごしていました。
案の定わたしはすぐに困って、配偶者君を探しに行きました。配偶者君を探しているっぽい雰囲気で歩くわたしをチラッと見て、その雰囲気を察して、少しだけわたしに目線を合わせて「わたしから話しかける瞬間」を作ってくれましたね。
「どしたの?」とすら言わず。
わたしの意思で話しかけるまで、ヘルプを出すまで待ってくれて、ありがとう。
それからしばらく手伝ってくれて、一段落すると、またわたしを一人にしてくれました。
もう夜9時を過ぎていて、お風呂にも入れそうな時間帯なのに、工具と部品を洗面所にどっしゃり広げて、細かな部品の取り付けを続けるわたしを置いて、ごはんを食べ始めましたね。
最後の最後まで、ほっといてくれてありがとう。
細かな部品を組み立てて、取り付けて、完成したよー!と言ったら、見に来てくれました。
ありがとう、一緒に喜んでくれて。
この手紙を出さないのは、わたしが逆の立場になった時、今はまだ、このありがとうを忘れてしまうからです。
わたしはまた、配偶者君に口出ししたりアドバイスしたりほっておかなかったりしてしまうんだと思います。
少し前までは、配偶者君の言動にありがとうを感じて自分の言動を顧みた時に、「あの時はごめんね、もうしないようにするね」と伝えていましたよね。
でも人間そんな簡単に変われませんでした。染み付いた言動の反省と約束は、言葉だけが先行して、まるで約束を破っているみたいに思えてしまって。
だから、すぐに実現できない約束は宣言しない、と誓いました。態度で、示せるようにじわりじわり頑張ります。
ここにこうして書いて、時々読み返します。何度も読み返して、ありがとうの気持ちを思い出して、うれしかった、わたしもそうしたいという気持ちが、自分の言動に染み込むように。
100を優に超えていたちょっかいが、6年かけて80ぐらいに減らせたと思っています。60ぐらいまで減らして、50をきって、40ぐらいまでいって、安定して30台まで減らせるようになったら、この手紙を君に渡したいです。
それまで、ありがとうは、わたしの胸に刻んでおきます。
よしこより。