ハエと、あさひと。
水平線からのぼる朝日をみたい、とずいぶん長く思ってたのだけど。
いよいよ決行の日が来たと思った。
その日はまだ暗いうちに目が覚めて、今から家を出たら、きっと間に合うはず…だったのだけど。
まだ寒いかな?何を着ていく?珈琲の準備もする?…などと色々悩み始めたら。
大きなハエが天井付近に飛んでることに気づいた。
そんな大きなハエを、部屋の中で目撃したのは初めてで。
このハエをどうにかしないと出かけられない…と、ハエを追いかけ回しているうちに、ずいぶん時がたってしまった。
結局その日は、いつも散歩にいく海岸で、日の出を見ることになった。
そして。
ハエを追いかけ回している時に、ハッと気づいたのだ。
ハエは、私の「おそれ」が形になって現れたものでは?って。
たかが、いつもと少し違う行動をするというだけで、あれやこれや思い悩んでいた私。
水平線からの日の出を見たいと思いながら、暗い道を歩くのは嫌だな、とか、色んな妨げる思いも湧いてくる。
だから、邪魔をする何かが現れる。
こういうのを投影っていうんじゃないかな。
ハエなんて気にせずに、とっとと、とるものもとりあえず、出かけることもできたはずなんだけど。
私はハエ退治を選択した。
だから、水平線の日の出はおあずけになった。
それって、今は本気じゃなかったって事だよね?
まだ準備が整ってなかったって事だよね?
なんだか、そんな声が聞こえた気がした。
夢の現実化をさえぎってるのは、自分のおそれ。
こわくてまだやりたくないなら、そういう現実が現れる。
ただそれだけのシンプルな出来事。
何が解決してないのか?
何を準備しておけばすぐに動けたのか?
夢を叶えたいなら、そこに向かう細かいリアルを整えておくこと、なんだな、きっと。
でも、問題解決にばかりエネルギーを使ってても、前には進めない。
どちらもよい塩梅で、進んでいくこと。
ハエはそれを伝えに来てくれたメッセンジャー。
水平線の朝日は見れなかったけど。
日の出前でも、歩くには充分明るいこととか、色々次につながるヒントも見つかったりもした。
そんな、ある朝のできごと。
今日のオンガク
Lucky Kilimanjaro
踊りの合図