音大生は普段どんな練習をしているのか(ジャズ科ベース専攻の場合)
冬至が来ると寂しくなる。夜は長ければ長いほどいい。やりたいことが沢山ある。
年末年始。幸か不幸か一緒に過ごす人はいない。独り。課題もそんなに大量にはない。やることは練習だけ。音大生と名乗ってるのだから、たまには有意義な文章でも書こう。
ジャズ系コントラバスプレーヤーの普段の練習メニューを書いてみる試み。やりたいことが増えすぎて脳みそがパンクしてしまったから、自分としても整理したい。あと譜面作成ソフトの練習。アナログ人間なのです。手書きこそ至高。
毎日の練習
いわば、下手にならないための練習。
これらは2時間で終わらせるようにする。
内容はあくまで一例で、時期によって変わる。
例えば、おれはまだスラーが下手くそだからわざわざ抽出して練習しているが、ある程度できるようになってきたら音階練習とまとめてやる。そしてハイポジションがもう少し身に染みたらスケール練習は3octに広げたい。
アルペジオは右手左手のスタミナがついたら無くすだろう。
日頃から「自分に何が足りないか」を探しながら演奏するように心がけるようにしている。
Arco(弓)
開放弦を駒の付近で鳴らす BPM=60-100
楽器を起こすため。20~30分程度。12Key×長調、自然・和声・旋律的短音階の計48。2oct。BPM=80-120
(※旋律的短音階の下降は#6th#7thのまま)G Major G線上で2oct
スラーの練習
Pizz(指)
コードアルペジオ BPM=80-120
両手の持久力を鍛える。左手は弦を半拍前に抑える。
ブルース BPM=100-140
自由曲
曲を覚える+リズムトレーニング。
メトロノームのタイミングを色々変える。裏拍、2と4、1のみ、4のみ、など。
過去に取り組んでいたもの
メトロノームを消す練習(Pizz)
メトロノーム(BPM=80-120)に合わせて開放弦を鳴らす。
エレクトリック・ベースに比べてコントラバスは音が鳴るのが遅い。発音タイミングのギャップを無くす。
時間が取れる時にやる練習
ここでやるのは「上手くなるための練習」
正直、シマンドル(基礎練)とコピーした譜面だけやっていれば勝手に上手になる。世の中には色々な教則本や動画が沢山あるけれど、かえって遠回りだと思う。余計なことは考えずにコピーとシマンドルだけやっていればいい。
シマンドル BPM=60-120
試験や演奏会で弾く予定がある曲
今であれば試験課題のOmbra mai fu、Ornithologyコピーした譜面(下記参照)
先生にもらった練習材料いろいろ
楽器(コントラバス)を弾かない練習
コピー
ベースラインはもちろん、メロディーラインの書き取り。
好きなベースプレーヤー、好きな楽曲、好きな歌でいいと思う。
櫻坂46の楽曲のメロディーラインを弓で弾いたりすると気分転換にもなる。(最近の表題曲は速くてコントラバスだと難しい。少々テンポを落としても様になる楽曲がおすすめ。静寂の暴力や一瞬の馬など。)
「楽器を弾く練習」の材料を自分で作成すること自体がいい練習。楽曲分析(アナライズ)
曲を覚えるための下準備。
全く楽曲を覚えられず(5年間で枯葉のみ)、悩んでいた時に出会ったギターの先生(東大卒!)に覚え方を尋ねたら「ディグリーとファンクションで覚えなさい。(意訳)」と言われ、実践。上手くハマりどんどん覚えられるように。
ex.リズムチェンジの場合 /1625/3625/1144/1625/~和声法
授業の課題。音のチョイスの幅が広がった気がする。(限定進行音の取り扱い方など。)ソルフェージュ
授業の課題その2。クレ読みと聴音。初見能力が上がった気がする。
練習について思うこと
毎日6-8時間程度練習できればいいのだけど、残念ながら時間も体力もそれを許してはくれない。平日は最低2時間、4時間取れれば大満足。「上手くなるための練習」は休日に本腰を入れてやっているのが現状。
ここに記したのは「おれに最適だと思われる練習」であることは留意してほしい。万人にお勧めする練習方法ではない。正直、非効率的だとは自分でも思う。おれは変に不器用で「効率的な練習」を効率良くこなせない頭脳を持っている。だから複数の課題を一つの練習で解決しようとするのではなく、一つの課題を複数の練習で解決する方が性に合っていた。
非効率ではあるけれど、時間をかければ絶対に身になると信じている。
また、他分野から学習することも多い。現におれは野球選手のトレーニング方法などをかなり参考にしている。(そんな中で出会った、イチローがどこかで言っていた「効率的なことは非効率的なことをやらないとできるようにはならない。」という言葉に少し救われたり、副産物も多い。)
この文章をどんな属性の人が読んでいるのかはわからないけれど、コントラバスプレーヤーであろうとなかろうと、演奏家であろうとなかろうと自分に合った練習方法を探しながら練習すると、きっと道は開けると思う。
この記事を書いていたら夜が明けてしまった。食料がないから何か買いに行かなきゃ。