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2022season徳島ヴォルティス(norainu的)Technical Report

皆さまいかがお過ごしでしょうか?norainuでございます🐶
noteへの掲載は(超)久しぶりになり、書き方を忘れてしまっております。。。(;´・ω・)(なんかnoteの仕様が変わってる??)

Technical Reportなどと大層な見出しを付けておりますが、そんなに大層な事は書きません(`・ω・´)

・・・・(´・ω・`)

いや、ちょっと違うかな。それなりにデータを用いながら今シーズンを総括しようと考えているわけですが、堅苦しい文章はキャラじゃないので、砕けた感じで書いていくって感じです(*´ω`*)

データもそれなりに多く出していきますが、
「レポート」=「真面目なもの」
という先入観みたいなものは持たずに読み進めていただければ嬉しいです。

1.最終の順位表から読み取れること

 まずは、2022シーズンのJ2最終順位表を再度確認しておきましょう。

2022 J2リーグ順位表

徳島ヴォルティスは最終順位は8位となりました。
昨シーズンJ2降格し、来シーズンJ1へ戻るという結果は得られませんでした。残念です。。。(´;ω;`)

ここで少し、順位以外の数字も見てみましょう。

  • 勝点62 試合平均1.48

  • 得点48 22クラブ中13位

  • 失点35 22クラブ中1位

  • 得失点+13 22クラブ中5位

  • 勝利試合数13試合 22クラブ中14位

  • 引分け試合数23試合 22クラブ中1位(歴代最多引分け数記録更新)

  • 敗戦試合数6試合 22クラブ中最小1位

順位表から見えるデータはこんなところでしょうか。

では次に、徳島ヴォルティスの試合毎のスコアを見てみましょう。
(先制点を奪えた試合に〇、奪えなかった試合に×を表記しております)

2022シーズン試合スコアと結果。先制点の有無

こちらのデータからわかる事は

  • 24試合で先制点を奪えている

  • 13勝の内12試合が先制点を奪っている(逆転勝利は1試合のみ)

  • 23引分け中12試合で先制点を奪っていた

  • 23引分け中8試合が0-0スコアレスドロー(16試合が無失点)

  • 23引分け中3試合が相手に先制点を奪われてから追いついた

  • 敗戦した6試合中5試合が1点差である(複数得点差で敗れたのは最終節の山形戦のみ)

というような事が読み取れます。

( ゚Д゚)ハァ?「ん?だからどうした?」

という声も聞こえてきそうですが、このデータは今シーズンを振り返るうえで凄く大事です(`・ω・´)

チームスタイルと今季の課題を示してくれる重要な指標になります。課題についてはもう一つ示さなければならないデータが必要なので、また後程データを示しながら、「2022シーズンの課題」の章で詳しく書きます。

文章の構成がおかしくてすいません(´;ω;`)

数字が多くなってしまって、学生時代に理系女子にちょっと上から目線で

( ̄д ̄)「全部数字が語ってくれる。」

( ゚Д゚)「数字は嘘をつけない。」

などと突然言われ意味が分からないまま砕け散った恋愛経験をお持ちの多くの皆様が離れて行ってしまいそうですので、次は2022シーズンの徳島のプレースタイルについて図を示しながら解説していきます(`・ω・´)

【注意:上記の経験はnorainuの実話を一部含みます。あくまでも一部です

2.2022シーズンのスタイル

 一度数字(データ)は置いといて、今シーズンのスタイルを振り返ります。

基本システム

まずは基本システムです。

2022シーズン基本システム

今シーズンは基本的に4123のシステムをベースに試合を行いました。
(ピボーテやインテリオールという言葉ももう聞きなれましたね~。)

数試合この他のシステムを採用する事もありましたが、ベースは4-1-2-3でした。

では、このシステムを用いてどのようなスタイルを体現しようとしたのでしょうか?
それを考察する為にはデータ(数字)も不可欠になります。

・・・・また数字が出てきてしまった。。。(´・ω・`)

今季のスタイルを理解するために必要な数字は主に以下の通りとなります。

  • ボール保持率(ポゼッション率)

  • プレーエリア

  • 被攻撃回数

  • 失点数

まずはボール保持率(ポゼッション率)から見ていきましょう。
各試合でのボール保持率は以下の通り。
FootballLab様のデータを元に作成しております”

ボール保持率(ポゼッション率)

2022シーズン試合別スコアとボール保持率

多くの試合でボール保持率が50%を上回っている事が分かります。平均ボール保持率は56.5%でリーグ3位という数値になります。

ただし、2試合だけボール保持率が30%台があります。(赤字で表記)
いずれの試合も対戦相手は今季J2優勝を決めたアルビレックス新潟との試合でした。
ちなみにアルビレックス新潟の平均ボール保持率は60.3%でリーグ1位の数値です。

では、何故アルビレックス新潟戦のみ2試合とも大きくポゼッション率を下げたのでしょうか?

『アルビレックス新潟の方がボールを保持する能力が高かったから』

という一言で片づけてしまいそうになりますが、私はそのように考えてはいません。

これを考えると今季のスタイルが、ただボールを保持する事を目的としていなかったという事が見えてきます。

重要なのは、「プレーエリア」です。

プレーエリア

とある試合のボール保持率とプレーエリアの例

DAZNの中継で出てくるこうゆうのです↑著作物の為ぼかしを入れております。
(たまたま何故かこの試合の画像が残っていただけで、他意はございません。ん?え?

プレーエリアというのは、「ボールをピッチ上のどこで触れたか」というデータなのですが、ちょっと小難しいので、

『試合中にピッチ上のどこにボールがあったか』

と考えてもらっても差し支えないと思います。

(注:ピッチはグラウンドの事を指します。一文字濁音に変えると全く違った意味になるので使用の際はご注意下さい。)

色分したプレーエリア

では、いくつかの試合とHome新潟戦のプレーエリアを図で見比べてみましょう。(データはDAZN中継映像から引用しております。)

【Home大分戦のプレーエリア】

【Home甲府戦のプレーエリア】

【Home岡山戦のプレーエリア】

【Home新潟戦のプレーエリア】

Home新潟戦のポゼッション率とプレーエリア

いかがでしょうか?大きくプレーエリア(ボールがあるエリア)が変わらないという事が見えると思います。(ポゼッション率に関わらず、相手陣内にボールがある事の方が多い)

このことから、今季の徳島ヴォルティスは「ボールが相手陣地にある状態を作っていた。」と考えられます。

新潟は自陣でボール保持をする事が多いので、徳島は無理に奪いに行かずに相手陣地にボールがある状態で長く試合を運んでいた。

「ん?だからなんなんだ!!」

というお声をいただきましたので、何故徳島がこのような事を行っていたかを考えてみましょう。

徳島は堅守なのか?

 急に話が変わるのですが、「今季の徳島は堅守だ」と試合の実況者や解説者が語る事が多かったように感じます。
 失点数はリーグ最少なので、そのような表現になる事は一定程度理解はできるのですが、全ての試合を観ていた私はなんだかしっくりきません。

 おそらく「堅守」という言葉の意味が今季のスタイルにしっくりこないからだと思います。

けん‐しゅ【堅守】 かたく守ること。

広辞苑より

 広辞苑を引いてみると「堅守」は「かたく守ること。」という意味のようです。

それではここで今季の徳島の試合を思い出してみましょう。

・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・(´・ω・`)


( ゚Д゚)「堅守だったらもっと勝点伸ばせとるわ!!」

Σ(゚Д゚)「なんぼほど試合終了間際で追いつかれてると思っとんじゃボケー!!」(先制して追いつかれた試合が12試合…)

・・・・・・・・取り乱しました。(反省)

はい。

徳島は決して「堅守」ではありません。特に引いてゴール前で守る事は得意ではなかったと個人的には感じています。
CBに強力なカカ選手やGKにホセ選手がいる事で失点を抑えられた事実はありますが、「組織として堅守か?」と考えると、疑問符がつきます。

これは、徳島の考え方でもあるのですが、CBやDFラインの選手に求められているモノが少し違うからこのような現象が起きていると考えています。
 相手の陣地でサッカーを展開する徳島のDFラインに求められることは、攻撃の一歩目になる事だからです。(詳しくは動画にて…)

では、何故リーグ最少失点で今季を終えられたのか?
それは、先に出したボール保持率とプレーエリアに注目する必要があります。

何故最小失点だったのか?

 「現象」ではなく「原因」を評価する。
指導現場で、私がいつも頭に置いている言葉です。

リーグ最少失点(35失点)というのは「現象」です。現象だけを捉えて評価してしまうと、「堅守」という簡単な表現になってしまいます。

リーグ最少失点になった「原因」(要因)は、ボール保持率とプレーエリアだと考えられます。

まず、サッカーというスポーツは攻撃の権利はボールを保持しているチームが持ち、攻撃回数は定められていません。定められているのは試合時間です。
極論を言えば
「90分間(試合終了まで)ボールを持ち続ければ相手の攻撃を受けることはない。」

つまり、徳島はボールを保持を高める事で相手の攻撃機会を奪っていた。と考えられます。(平均ポゼッション率はリーグ3位の56.5%)

そしてもう一つはプレーエリアです。
ボールが自ゴールから遠ければ遠いほど失点のリスクは低くなります。

ボールの位置による失点リスクのイメージ図

自ゴールに近い所にボールがある程失点リスクは高くなります。(図の色が濃くなるにつれてリスク増)

つまり、相手陣内にボールが長くある状態を作る事で失点リスクは軽減されます。

今季の徳島はプレーエリアは高く(相手陣地内)、シーズン通して自陣にボールがある事が少なかったと考えられます。

徳島ボール保持時のプレーエリアイメージ
徳島ボール非保持のプレーエリアイメージ

高いプレーエリアをチーム全体で保つことにより、ボールを失っても即時奪還に移行でき、なおかつボールがあるのは自ゴールから遠い場所にあるので、失点が少なくなったと考えられます。

『チーム全体で』というところが重要です。これについては動画の方で盤面を動かしながら解説しております。)


このようなデータから、徳島が最小失点だった原因(要因)は、

①ボール保持を高め相手の攻撃機会を奪った
②ボールがあるエリアをコントロールし失点リスクを減少させた

という2つの大きな要因から生まれた現象だと考えられます。

ただし、②には攻撃面に弊害(デメリット)が生まれていた事もある。
(相手陣地に押し込んでプレーをするので使えるスペースが必然的に少なくなる。詳しくは動画で…)

徳島が失点数が少ない原因(要因)を簡単にですが、書いてきましたが、ここからは少しシーズン通したチームの成長や変化を簡単に書いていこうと思います(`・ω・´)・・・・文章の構成は苦手です(´;ω;`)

3.攻撃の変化(深化)

 まずは攻撃の変化(深化)についてです。
攻撃(ボール保持)の面ではシーズン通して積み上げがみられました。ちょっと簡単にはなりますが、段階的に説明していきます。

・第一段階 ポジションの固定化

 シーズン初めに見られたのはポジションの固定化でした。ポジションの固定化といっても選手を固定する意味ではなく、立つ位置の固定化です。

イメージとしてはポジション毎の役割を理解させる時期だと捉えてもらえるとわかりやすいかもしれません。

「なぜその場所に立つのか?」「その場所に立つことで相手がどのような状態になるのか?」「その場所に立つことでどこにスペースが空くのか?」

このような事を理解するうえで大切な時期だったと考えられます。
チームの主力が入れ替わりこの段階から始めなければならなかったクラブ事情もあります。

・第二段階 エリアの固定化

 次にエリアの固定化が行われましたと考えています。第一段階より動く範囲が広がったとイメージするとわかりやすいかもしれません。

ポジションごとの立ち位置の意味が理解できだして、

「どのスペースまで自分が動くのか?」「どのスペースを空けておくのか?」

の理解をチーム全体で共有していく時期だったと思います。この段階では重なっている場所で被ってしまう事も多々ありました。

・第三段階 ポジションの流動性(エリア間移動)

 最終段階にあたるのが、ポジションの流動性(エリア間移動)です。


最終的には固定化されたエリアに留まるのではなく、エリアを移動する事で流動性を生み出していく組織が作られました。

重要なのはポジションを入れ替えるという考え方ではなく、エリアを移動する。という考え方だと私は思います。

 攻撃と守備は両面なので、攻撃時に空けてはいけないエリアを空けることなく、攻撃に流動性を出す為にはこのような段階を踏まなければならなかったのではないかと考察してます。
 失点を少なくするための攻撃を構築する事が最終的にはゲームをコントロールし、得点を奪う事ができるようになっていったと考えています。

と、このようにボール保持(攻撃)の面では積み上げと深化がみられたのですが、ボール非保持(守備)の面では少し違う変化が生まれていました。

4.守備の変化(理想と現実)

 前述した通り攻撃(ボール保持)はシーズン通して積み上げと成長が見られましたが、守備(ボール非保持)に関してはシーズン途中で作り直しが行われていたように感じました。

・シーズン当初に試行した守備の形(理想)

 まずはシーズン序盤に見られた守備の形を見てみましょう。

私がnoteや動画で「4-1-4-1からの前埋めの4-4-2」と表現させていただいていた形です。
この形の特徴と利点は、相手のボールがどこにあるかでプレスのスイッチ役が変わり、より守備のベクトルが前向きに働くので、攻撃的な守備になります。
一方欠点は、誰がプレスのスイッチ役になるかが相手のボール保持に依存している為、連動が少しでも遅れると、ピボーテ脇のスペースを使われてしまう可能性が高くなってしまうというものです。

・シーズン途中で変化した守備の形(現実)

 シーズン途中で上記した4141からの前埋めの442の守備組織は見られなくなりました。(40節以降は少しだけ見られたような気もします。)
 利点より欠点を減らす守備組織に変化しました。

インテリオールの左右が役割分担を行い、右のインテリオールがピボーテとダブルボランチを組み左のインテリオールが一列あがり前プレスを担当する固定化442ブロックがベースになりました。(GIFはイメージしやすいように少し大げさに作成してます)

 この守備組織に変更した事による利点は、4123(4141)の泣き所であるピボーテ脇のスペースを必ずケアできるというものです。
 ただし、ミドルブロックを作ってからのプレスになる為チームの重心は少し後ろに重くなります。

 このようにいわば、理想と現実の兼ね合いをつけながら守備組織は変化していったと考えられます。

5.2022シーズンの課題

 ここまで徳島ヴォルティスのスタイルやらシーズン通しての深化や変化について長々と書いてきましたが、ここからが本題です(`・ω・´)
(前置きが長すぎるとのツッコミは慣れていますw)

私が考える今シーズンの課題は大きく分けて2つです。

①ビルドアップの逃げ所

 一つ目の課題は、ビルドアップの逃げ所です。
多くの試合ではCBとピボーテの三角形で数的優位な状態で相手ファーストプレスラインを突破して相手を押し込む事に成功できましたが、相手が前線から1枚づつ人を当ててプレスを掛けてきた場合はなかなか前進する事ができませんでした。
 その際に必要になってくるのが、ビルドアップの逃げ所です。

上の図のような状態になってしまった時にどこにボールを逃がして前進するか?がシーズン序盤は特にできていませんでした。

では、どこにボールを逃がすのが理想的でしょうか?

少し前に出した失点リスクの図を重ねて見てみましょう。

ボールを失ってはいけない場所が見えてきたと思います。

 ボールを失っても失点リスクが少なく前進できそうな場所は・・・・・・

WGです。

ただし、GKからWGまでボールを届ける際は必ずロングフィード(浮き球)になってしまいます。今季の徳島のWGは主に西谷・杉森・浜下の3選手が務めていましたが、どの選手も空中戦に強いという特性は持っていません。ですので、逃げ所になれなかったわけです。
試合中も、GKからWGへのフィードがタッチを割るシーンも多かったと思います。
(注意:3選手を非難しているわけではなく、特徴に合わなかったというだけです。)

 ただし、この相手が前からのプレスに来た際の回避方法はこれだけだけではありません。エウシーニョ選手が右SBに入る事で個の力で打開できるようになっていきました。SBがボールを失わずに前を向ける事でビルドアップの逃げ所にもなっていきました。

システム的な問題点という事ではなく個の能力に依存しなければならない部分でもありますね。(システムが先か個人が先か…の議論をしだすと夜が明けますw

②得点数

 今季徳島が8位に終わってしまった最大の要因は得点数です。得点がもう少しとれていれば上位進出、J1復帰も可能だった思います。

上位との得点差

( ̄д ̄)「決定力不足」

そう嘆くのは簡単です。
では何故得点数が伸びなかったのでしょうか?どうすれば得点を取ることができたのでしょうか?

まずは今季の得点者を見てみましょう。

リーグ戦得点者一覧

一番得点を取っているのは10ゴールの藤尾選手です。

(;・∀・)「一番点取ってるのが10得点じゃなぁ…フリエの小川は1人で26得点も取ってるし…もっと点取れるFWがいなきゃダメだ。。。」

こんなつぶやきをシーズン終了後に見た記憶があります。
確かにトップスコアラーが10得点というのは寂しいものです。
ただこの考え方は少し違うと私は思います。得点データを少し違う角度から見てみましょう。

ポジション別ゴール数

ゴール数をポジション別に表したのが上記の表になります。
どうでしょう?少しイメージが変わりませんか?

CFWで出場した選手(藤尾・一美・ムシャガ)でトータル21得点を挙げています。WGも13得点を挙げています。
前線の3枚でトータル34得点です。

ちょっと他クラブとの得点者とも比べてみましょう。

クラブ別得点者一覧

アルビレックス新潟と横浜FCの得点者一覧を横に並べてみました。
チームスタイルが異なる3クラブですので単純に比較する事はできませんが、ひとつの目安にはなると思います。

このデータを見ると徳島のFW陣の得点数が極端に少ないとは感じません。
もちろんもっと得点を取ってもらいたいですが、藤尾選手の先発21試合で10得点は見事な数字です。
横浜FCと見比べてしまうとFWの得点数に大きな差があるように感じますが、横浜FCの基本システムは3421でワントップに小川選手40試合先発で入って26得点で、徳島のCFWがあげた得点が21得点という事を考えてもそこまで差がありません。

では、どこに大きな差があるのでしょうか?

それは2列目と言われる選手の得点数です。徳島ではインテリオールがそのポジションにあたります。
(注意:横浜FCは2列目の選手もFWで表記されています。)

もう一度この表を見てみましょう。
IHと表記しているのがインテリオールの得点数です。
シーズン通して4点しか取れていません。SBと同じ得点数です。
インテリオールがシーズン通して、プラス12点(16得点)取れていれば自動昇格できた可能性もあります。
(シーズントータル60得点が昇格へ最低限必要な得点数と考えています。)

なぜインテリオールの得点数が少なかったのか?

 インテリオールの得点数が少なかったわけですが、その要因は様々考えられます。

①組織的な要因
まず初めに組織的な要因があったかを考えてみます。
「インテリオールが点を奪う構造やシステムではなかった」
そんな事はありません。
4-1-2-3のシステムにおいてインテリオールの役割はゴールを奪う事が求められます。システム的にもボールの運び方、スペースの開け方を見てもインテリオールはゴールを求められるポジションです。
インテリオールで起用された選手達はコメントで「監督からゴールを求められている」という言葉が多く聞かれたことからもわかります。
ただし、前述した守備組織の変更が少なからず影響を受けた可能性は除外できません。(ブロックを作成してからのプレスになる為、後ろに少し重くなる。)

②個人能力的な要因
次にインテリオールで起用された選手達の個人能力的な要因があったかを考えてみます。
「個人の能力(もしくはポジション適正)が足りなかかった」
これに関しては否定できません。
というのも、インテリオールを務める事が多かった児玉選手・玄選手は今季徳島に加入であり、経験値が高い選手ではない事も要因として挙げられます。(児玉選手は9アシストと素晴らしい結果を残していますが、徳島に加入前までのリーグ戦プレー時間は511分と決して多くはない。玄選手は高卒新人。)
途中加入の杉本選手は経験値や技術に疑いようはないですが、途中加入という事でチームにフィットするまでに時間を要した感じもします。
(注意:非難しているわけでありません。3選手のポテンシャルは高く、今後の成長を期待しています。)

ここでインテリオールの得点者内訳をもう一度確認してみましょう。4得点の内3得点がインテリオールで出場した白井選手1得点が夏に海外に移籍した渡井選手です。

・・・ん?(´・ω・`)・・・え?(´・ω・`)・・・は?(´・ω・`)

実はシーズン序盤はインテリオールも得点を奪えていたのです。

チームのバランスとインテリオール

 徳島はシーズン通してこの問題に取り組んでいた事も試合から読み解くことができます。
 徳島のシステム上で一番肝になるポジションはピボーテです。まさにチームの軸を担い、チームの中心(重心)となるポジションです。このピボーテに誰が入るかでチームのパフォーマンスが変化します。
 開幕からしばらくは櫻井選手(高卒2年目)の選手が抜擢されていましたが、試合を重ねるにつれて白井選手がピボーテに入る事が多くなりました。これは様々な理由が考えられますが、おそらく守備の強度が大きな要因になったと考えられます。(櫻井選手がシーズン中盤にコンディションを落としていた事も要因としてはあると思います。)
 これにより徳島はインテリオールに白井選手を起用する事が減っていきました。白井選手の3得点は全て2列目(インテリオール)に入っている時に奪っています。渡井選手も得点を奪っていましたが、海外移籍により夏以降はチームを離れてしまいました。
 これ以降、徳島は2列目(インテリオール)の選手が得点を奪えていません。
 チームのバランスをとる為に白井選手をピボーテで起用する選択をしたために得点力が低下してしまったと考えられます。

 そのためシーズン終盤では、ピボーテに長谷川雄志選手を起用し、白井選手を2列目(インテリオール)でプレーさせる試合が増えていったと考察できます。

 インテリオールの選手の個人能力が足りなかっただけではなく、白井選手をインテリオールで起用するためのピボーテがシーズン通して確保できなかった為に、2列目の得点数が伸びなかったとも言えます。

チームのバランスってムズカシイですよね。。。(´・ω・`)

シーズン終盤のいい流れのひとつに、長谷川雄志選手の成長が不可欠だった事は言うまでもありません。

5.編成上の課題

 さて、ここまでまとまりのない文章でダラダラ色々と試合の中身について書いてきたわけですが、試合を行っている選手はクラブが集めた選手と監督です。
あたりまえだのクラッカー
 この編成に課題がなかったのか?というところも見ていかなければなりません。

 今季の目標であったJ1復帰が成し遂げられなかったので、「問題が無かった」とは言えません。

 まずは今季の出場記録からそれぞれのポジションに選手を当てはめて整理してみましょう。

選手編成とバランス

シーズン序盤にはサイドバックいない問題や、石田くんどこ行った?問題などありましたが、ポジション毎の選手の枚数はバランスよくとれているように感じます。

ただし、全体的に若い編成になってしまっている事は否めません。これは昨季オフに多くの選手が移籍してしまった事が大きな要因になってしまったと考えられます。(ベテランと若手はいるけど、中軸がすっぽり抜け落ちている感じです。)

まぁこれに関しては徳島ヴォルティスのクラブ哲学を考えても理解できます。育成型のクラブですので即戦力を買ってきて当てはめるような事は基本的にはしないでしょう。というか、徳島が行っているサッカーが日本の中では特殊なので無理して買ってきても上手く当てはまらない可能性の方が高いとも言えます。(欧州から引っ張ってくればいいのでしょうが、なかなか難しいでしょうし…)

クラブはクラブ哲学に沿った編成を行った。と私は考えています。

「ん? (´・ω・`) じゃあ問題なかったって事?」

「はい。クラブの方針的には問題無かった」と考えています。

ただし、短期目標達成の為には問題があった。という考え方です。

今季の目標は「J1復帰」と掲げられていたので、そのために必要な即戦力を獲得できなかったという問題点があります。

事実としてシーズン終盤は獲得した選手達の成長があり、19戦無敗(9勝10分)のクラブ記録を達成しているので選手を育成しながらクラブの力を強めていく一つの成功とも取れます。
この部分にあえて問題点を挙げるとするならば、「成長に時間がかかり過ぎた。(シーズン終了までに間に合わなかった)」というところでしょう。シーズン序盤の連戦やコロナトラブルもあった中ですので、ここを大きく問題と捉えるのは酷な気もしますが…育成にかける時間(期間)というのも今後考えていかなければならないと思います。

どこが足りていなかったのか?

 短期目標「J1復帰」を成し遂げるためにはどこが編成上足りていなかったのでしょうか?
 ここまで読んでいただいた方はお気づきだと思いますが・・・

「大型のWG」「インテリオール」もしくは「ピボーテ」です。
この2枚が編成できていれば今季の結果は大きく違ったと思います。

まず「大型のWG」についてですが、ビルドアップの逃げ所になる為に必要でしたし、手数をかけずに相手を押し込むためにも必要だったと考えます。
今季のメンバーのさらなる成長を見込むのであれば、西野選手やサンデー選手が担っていく役割とも言えます。(シーズン序盤は右WGとして出場していました。)

次に「インテリオール」もしくは「ピボーテ」についてですが、こちらは先に書いたように獲得する事で白井選手の起用方法が変わってきます。

前への推進力がある「インテリオール」を獲得していれば白井選手がピボーテに降りていても得点は見込めたと考えられます。もちろん渡井選手が夏に移籍した事によるダメージもあります。この部分を今後担っていかなければならないのは、杉本選手や児玉選手、玄選手になります。

「ピボーテ」については、守備強度があり展開力を持ち合わせた選手を獲得できていれば、白井選手をインテリオールで起用する事も出来たと考えられます。この部分を今後担っていかなければならないのが、長谷川雄志選手や櫻井選手になります。(シーズン終盤には長谷川雄志選手がしっかりと担えるようになりました。)

 この2枚がシーズン当初から編成できていれば、短期目標を達成できた可能性は高まると考えています。
 しかし、この2枚が編成できていたとしたら、他の選手がここまで成長できていたかはわかりません。そのような即戦力の選手達がいなかったからこそ試合に出場し、成長していったとも考えられます。

こう考えると編成ってムズカシイですね。。。(´・ω・`)

2023シーズンへ向けての編成

 終わった事は仕方がないですので、反省するべきところは反省して次に生かすしかありません。
 今季昇格は逃しましたが、多くの選手の成長を得られることになったシーズンだったと思います。前述した通り、必要な部分を担う人材(素材)は確保する事ができています。
 来季の編成に向けて必要な事は、今季成長した選手達を可能な限り残す事です。そうでなければ2022シーズンの意味を成しません。フロントの頑張りを期待しています。

6.まとめ

 長々とした文章になってしまったので、簡潔にまとめてみます。
(安心してください!書いてる自分でも長いと思っています(`・ω・´)←)

①2022シーズンのスタイル
 ・ボールを保持し相手の攻撃機会を奪う事で失点数を抑えられた。(堅守ではない)(CBには攻撃のタスクの比重が大きい)
 ・プレーエリアを高くすることで失点リスクを低くしていた

②シーズンを通した成長・変化
 ・攻撃は段階を踏んで成長(積み上げ)が見られた
 ・守備は理想と現実の折り合いで変化していた

③2022シーズンの課題
 ・ビルドアップの逃げ所を上手く作れなかった
 ・得点数が足りなかった。(特に2列目の得点)

④編成上の課題
 ・編成のバランスは取れていた
 ・クラブ哲学に沿った編成を行えていた
 ・短期目標の為に足りていなかったポジションはWGと中盤

あれ?こうして書き出してみるとなんかあっさりしてる・・・(;´・ω・)

 多くの課題も見えたシーズンでしたが、多くの選手の成長が見られたシーズンでもあったと思います。他にも細かく言えば多くの課題がありましたが、選手の成長と共に課題を克服する事ができたシーズンだと感じています。
 だからこそ「もっとこのチームを見ていたい」という気持ちと共にシーズン終了を迎えたのだと思います。
 短期目標を成し遂げられなかった事に対しての不満がないと言えば嘘になりますが、一定の満足感を得られたシーズンだったと個人的には感じています。
 このシーズンを未来に繋げていくためにも、来季の躍進を期待しています。
 

 2022シーズンに携わった選手・スタッフ・ファン・サポーターの皆様お疲れさまでした!!また来シーズンお会いしましょう!!
 来季は心から笑ってシーズンを終えられますように!!

あとがき

  なんとか書き終えました。。。(;・∀・)
本当はまだまだ色々書きたいことがあるけれど、これ以上書いたらまとまらなそうなのでこの辺でやめときます(`・ω・´)
・・・毎回まとまってはないですが…w
使えるデータが限られてしまうのもなんとも・・・。。。

 久しぶりのnoteという事で書き方もうろ覚えで文章も変になってしまってはいると思いますが、最後までご覧いただきありがとうございます<m(__)m>
 
このレポートはあくまでも僕の主観です。違う考えがあって当然です。だからサッカーは面白いんだと思います🐶
 少しキツイ内容になってしまったかもしれませんが、僕は徳島ヴォルティスでプレーしてくれている選手全員を愛しています。(念のため)

 最終結果(順位)は望んだものではなかったですが、今シーズンも毎試合毎試合多くの事を学ばせてもらいました。そして編成のところでも書きましたが、実に徳島らしいシーズンだったように思います。
 こんな事を書いたら怒られるかもしれませんが・・・今季は下地を作るシーズンだったと思います。下地は作れました。来シーズンは必ず実るはずです。そのためにも続けていかなくてはなりません。
 今季、苦しんで、苦しんで全員で続けた事を実らせるには続けるしかありません。

 徳島ヴォルティスがブレる事はないと信じています。

・・・・・
・・・・・
・・・・・

本当に辛かったんだからね(´;ω;`)
7戦連続ドローとか、4試合連続無得点とか、終了間際に勝点落としたりとか、誤審によってゲームぶっ壊されたりとか…

でも、楽しかったです(*´ω`*)

今季はスタジアムにもHome3試合、Away3試合行かせていただいて、多くのサポーターの方とも出会うことができました。
こんな変な文章を書く奴に好くしていただいて本当にありがとうございます。

動画を始めたのも今季からでした。いかがだったでしょうか?毎回長くてすいませんw
動画も多くの方に観ていただいて嬉しい限りです。あまり再生数とかは気にせずのんびりやっていこうと思います🐶
リーグ戦すべての試合をnoteや動画にできた事は僕の中で大きな財産です。沢山の事を徳島ヴォルティスから学ばせていただきました。

このnoteを書き終えて僕の中で2022シーズンはようやく終わります。

そして2023シーズンの事を考えてワクワクする時間が始まります。

最後まで文章にまとまりはないですが、2022シーズンもありがとうございました。

P.S.

 2023シーズンもスタジアムでお会いしましょう🐶
早く日程発表されんかなぁ(*´ω`*)



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