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この世は通過するだけのもの
11月7日は立冬だった。冬が始まる。
弟夫婦の結婚記念日でもあり、12年前のこの日のことはよく覚えている。当時は北海道に住んでいたので結婚式のため熊本に帰省した。北海道から来たということもあるが、それにしたって異常な暑さだった。
結婚式ではフレンチスリーブのワンピースを着ていたのだが、何も羽織るものは必要なく、それでも汗が出るほど暑かった。それから北海道に戻ったら気温9℃で震えた。
北海道に住んでいたら極寒なので温暖化はわかりずらいが(でも確実に夏は暑くなっている)、九州に戻ってからは近年、夏は猛烈に暑く冬はそれほど寒くないと思うことが続いている。
今年なんかも10月になってもまだ半袖を着ていたし、今日はさすがにちょっと寒かったがまだ冬というほどのことはない。たった30年ほどでも随分気候が変わったように思う。
SDGsやサスティナブルなど新しい言葉が生まれてその内容はよく理解できぬまま、名称だけが広まり逆に事を難しくさせているような感じがするのだが。個人でやれることはもっとシンプルなのに。
しかし、わたしたちが汚染してきた地球はこれからの努力で回復できるほどなのだろうか?この複雑化した現代も長い地球、宇宙の歴史の中では消滅までのある意味必然なのかもしれないとも思えてくる。
10年くらい前だが旭川方面を旅行していた時に科学館を訪れた。
ここは体験型展示がたくさんあって意外と楽しめたのだが、ひとつとてもショッキングで忘れられないことがある。
その展示は黒いスクリーンに地球が映し出され、ハンドルのようなものを回すと過去の地球に戻っていき大陸がどのように移動して現在の姿になったのかがわかるしくみ。
「へ~こんなんだったんだー」と友人と興味深く回していたが、じゃあ未来ってどんな形になるんだろう?と意気揚々と思いっきりハンドルを逆回転させたらスクリーンが真っ暗に。
え?
一瞬理解できなくて、二人で立ち尽くしてしまった。壊れたのかと思った。
そうか。消滅するのか。
その発想がなかったのでなんとなく薄暗い気持ちになって、しばらくそれを引きずった。
ことあるごとにそのことを思い出す。
人間も必ず死ぬように、万物には終わりがある。宇宙の原理とすると、悲しいことでもなく、そこに感情はなく、時間の流れと自然の摂理があるだけだ。
これはどこのどなたの画像なのか出所がわからないがTwitterで見てからよく引用させてもらっている。
辛いことに立ち向かって達成感を得る人もいるだろう。
だけどわたしはそういうのはいい。
この壮大な宇宙の塵にもならない人生を、好きなように生きるのだ。