ハイネケンから思い出すこと。
ハイネケンといえば、フジロック。
一度だけ行った。エミネムがきた年。随分前だ。
富山県在住の友人宅から車で。ホテルもキャンプも予約せず車中泊した。我々は一泊二日の参戦。山を甘くみていた。若いとはいえ、会場は途方もなく広く、疲れ果てての車中泊はかなりキツいものがあった。
一番奥のフィールドオブヘブンを目的に歩けど歩けど辿り着かない。着いた時はほとんど屍。見たかったアーティストに間に合わなかったのか、よく知らないアーティストを見たけどそれはそれで良かったという記憶。
レッドマーキーでスーパーカーを見た時はトランス状態とはこのことか。となって、夕暮れにはグリーンステージのオアシスを遠くに聴きながら芝生に座り、心地よい風に吹かれていた。
帰りの車で申し訳ないけど、わたしは爆睡していた。友人はかなりしんどかっただろう。
フジロックを制するには綿密な計画が必要だとか、何より体力をつけなければ。鍛えて来年リベンジしようなどと話したが、その後一度も行くことはなかった。
その時、飲んだかどうだかさえ忘れてしまったビールの味。今、飲んでみるとたしかに忘れてしまいそうな味。水のようにゴクゴク飲める。
音楽を楽しみに行ったけれど、思い出に残っているのは耳で聞いたことというより肌で感じたものだった。そういうことを含めて、若い頃の経験が自分を作り上げていく。
人生は通りすぎていくだけのもの。とにかく何でもやったもん勝ちだ。