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GAFAのITエンジニアになって学んだ面接の話


はじめに

まずは本題に入る前に誤解がないよう断っておきたいが、あくまで個人の体験に基づく記事のため、必ずここに書いてあることがすべて正しいとは限らない。
また、あえて社名をぼかし「GAFA」と記載しているので、当方の語る会社が全てに当てはまる訳では無いこともご留意頂きたい。
ただし、当方が本日に至るまでを全て含めると、結果的にGAFAのうち三つの面接を受けたことになった。簡単に面接などについても書くつもりなので、GAFAを検討している人には、それなりに役立つ内容もあるだろう。
半分は日記程度の目的なので、期待に沿えなくても文句は受け付けない。あと長くなったので暇人向けである。

自己紹介

上記だけでは読むに値するか判断がつきづらいと思うので、自己紹介も兼ねて当方のポジションについて簡単に記載させてもらう。
当方はGAFAのうちの1社にITエンジニアとして3年ほど務め、先日退職し別の会社に転職した。
ポジションとしては日本のネットワークインフラエンジニアとだけ回答しておく。主に海外のチームとやり取りしながら日本に考案したネットワーク構成を実現していくポジションだった。
また、Technical Assessment(技術面接)の面接官や組織内の技術トレーニングを担う役割も持っていた。リーダー経験もした。技術面接は多分100人くらいはやったと思う。
給料は記載しないが、昨今の環境であれば調べれば出てくるし大体そこから大きく外れてはいないだろう。

日本においてGAFAの求める人物、スキルとは

当方が過去受けてきた日本のGAFAエンジニアのポジションは、全てネットワークインフラに関連するポジションだったが、全ての会社において、ポジションに求められる細かいRoleとResponsibilityに多少の違いはあれど、人物やスキルには多くの共通項が存在し、これを十分に満たしている、あるいは特段以下の能力が高い人物を求めているように感じた。
GAFAに限らずだが、BigTechと呼ばれるような企業では全ての面接においてこれらに関与する質問がなされた

  1. 英語でのコミュニケーション能力(部署によっては入社時は不要とされることもある)

  2. 優れた論理的な思考、説明能力

  3. Roleにマッチする確かな技術力

  4. 職務に対するレスポンス、スピード

  5. 環境変化に対する高い順応性

  6. 高い問題解決能力

どれも当たり前といえばそうなのかもしれないが、少なくともこれらがないと基本的に入社後に活躍していくことが難しくなってくるように感じた。
また、これらに含め、さらに企業カルチャーにフィットしているかも大事にされている。

共通している大まかな面接の内容

GoogleやAppleなどは、面接時に奇抜な質問があるように取り沙汰されることが多いが、実際はそんなことはない。というよりかはそういう質問はなくなった。
日系で言うところの「あなたを動物に例えると何ですか」みたいなやつである。そんな質問をしてその人物の何がわかるのか
共通して聞かれる内容は一般的なものも含めると大体以下の通りだ。なおこれはエンジニアの面接であり、マネジメントの場合はまた違った質問がされるケースが多いと思われる(あなたがマネジメントをする上でのポリシー、ルールを教えてください。とか)

  1. 志望動機(なぜこの会社なのか、その中でもなぜこのポジションなのか)

  2. 過去の業務経験

  3. 転職を考えたきっかけ

  4. 会社に貢献できる能力について

  5. 一番の成功体験、何が要因で成功したのか

  6. 一番の困難、どのようにそれを乗り越えたのか

  7. 意見のコンフリクトを起こした際、どのように解決をしたか

  8. 将来のキャリアパス、この会社、部署でやりたいこと

  9. 企業カルチャーで興味を持った部分などに関連する質問

中でも重視されるのは経験であり、ここがフィットしなければ、他が良くてもポテンシャル採用枠などでない限りは落とす。面接官と意気投合したとかは正直関係なく、かなり機械的に合否を判断していく。
ただし安心していただきたい。面接担当は相手の良いところを極力拾い、また相手が話しやすい場を提供することもロールに含まれているため、話しづらい雰囲気になったりすることは稀だし、いわゆる圧迫面接などは一切しないよう徹底されている。これはどこの会社も同様にそう意識していることが感じられた。

技術面接において何を見ていくか

まず最初に言っておきたいが、面接の技術系の質問はすべて正確に答えられる必要は全くない。
人間は万能ではないため、どのような質問にもすべて答えられるはずもない。中には触ったことはあっても忘れてしまった技術の話を問われることもある。
技術面接官は基礎的な知識を問うが、どちらかというと、経験のある技術に対して論理的な説明ができるかどうかの能力を見ることが多い。
例えば以下のような質問をする。

①「あなたが経験したことのある〇〇の技術について、私がITリテラシーの低い人間だと思って、その技術で何ができるかを説明してください」
②「このネットワーク構成での欠陥を説明し、解決する方法を提示してください」
③「ネットワーク障害における障害点の切り分け手順を説明してください。明確な正解は無いのであなたの考えを教えてください」

そのうえで本項の一番最初に戻るが、すべてを完璧に回答してもらう必要はない。面接の場で緊張せず全て話すことは難しく、中には忘れてしまった内容もあるだろう。
わからない部分も含め正直に回答する」これが一番大事なように思う。
多少しどろもどろになっていても、細かい部分が違っていても、きちんと理論を立てて説明する能力に比重を置いて技術については見ている。
余談になるが、私の所属していた会社では、専門性をより持っている海外のエンジニアに問い合わせをするということがザラにあった。
技術は丸暗記する必要はなく、最終的には検索能力や、どこにどのような情報があるかのインデックスを充実させることと、頼れる人を多く持つことが大切になってくるように思う。

面接の倍率、対策によってどうハードルを越えるべきか

他の会社は正直わからないが、やはりGAFAというべきなのか、弊社はポジションがオープンになった瞬間とてつもない数の応募が来る。
大半はHR(人事)が書類ではじくが、それでも面接での突破率はかなり低い。当方の所属していた部署では100名候補者がいて実際の採用は1名くらいいればいい方だろうか。
そのためマネージャー陣は常にミーティングや1 on 1以外ではHiringに忙殺されている。
実際に候補者はたくさん来るが、言い方を選ばなければ書類だけきれいな人も多い。志望理由が曖昧だったり、組織ビジョンとマッチしなかったり、もちろん技術的に足りない等と様々な理由で不採用になる。
無難なものも多いが、役立つであろう対策を以下に記載する。

  1. 書類の対策

    1. その会社に入って役に立てるシナジーのある経験内容をしっかり書く

    2. アピールとして不要な部分は極力省く(転職した理由等は不要)

    3. 経験した技術内容などは書けるところは書き、経験年数と何ができるのかをリスト化したものがあるとより良い

  2. 面接の対策

    1. 会社のカルチャーについてよく調べる(リクルーターに聞いたりCEOの動画を見たりしても良い)

    2. 自分の行く部署について紹介動画が公開されている場合はよく見る

    3. 何をしている部署なのかミッションをよく理解しておき、どこに自分が貢献できるかを考える

    4. 話は抽象度を極力下げて具体的にする。自分の経験則に基づいた話をする

    5. 成功体験や失敗の経験、前社での困難についてまとめる

    6. 提出した書類に書いてある技術領域について見直しをする

    7. 感じたこと、思っていることは極力正直に話す

[余談]STARメソッド

弊社でもそうだが、ここ最近当方の知り合いの面接官も含めて、面接においてはSTARメソッドを用いた回答を志望者に推奨している。
STARメソッドとは
詳しくは↑のリンクを見ればよいが、STARとは
「Situation」
「Task」
「Action」
「Result」
の頭文字である。
「どのような状況で、何が必要で、私は何をして、結果どうなったのか」
という順序に沿って説明することで、面接官に内容を的確に伝えるというものだ。これのとおりに説明する必要はないが、この説明手法を知っているかどうかは面接で重視しているところもある。

最後に

GAFAはどこも非常に大きく優秀な人材も多い魅力的な会社ではあるが、無理に自分の主義思想を曲げてまで入るべき企業ではない。というよりかはそのように自分を曲げて入るべき会社はこの世界にないように思う。
当方も実際に会社を受けて、仕事に対する考え方や進め方が部署とマッチしたので採用に至り、また社内でも活躍できたというところが大きい。
リクルーターも同じようなことを言うかもしれないが、会社カルチャーにフィットしないまま受けたり、無理に背伸びした書類を書いてもし通った際、のちに苦労し、息苦しさを覚えるのは自分なのだ。
自分に合う企業、部署というのは世の中のどこかに必ず存在する。
給料が目的ならばGAFAを無理に選ぶ必要はない。目的をかなえる方法は無数にあるのだ。

と、ここまで書いたが疑問を持った人もいるかもしれない。
「お前は自分にカルチャーも能力も合ってた企業なのになんでやめたの?」
それは多分次回に続く……

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