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某国立大学(理系猿生息?)のおはなし2(昔火事が起こった時の教員の対応)

 もう十年以上も前になるのですが、ウチの実験施設の一室(電源関係の1000平米以上はあるかという広い部屋)で、火災が起こったことがあります。
 実験装置用の高圧充電用のコンデンサが破裂して発火、コンデンサ内にあった油(?)に引火して、約10平米の範囲が真っ黒こげになったことがあります。
 火災報知機は鳴ったのですが、管理会社の方が、またいつもの誤動作だと思って報知機をすぐに止め、一応は現場に行ったところ、大きな炎が上がっていたとのこと。
 室内には火災を検知すると炭酸ガスが噴出する自動消火装置が設置されていたのですが、なぜか数十年も点検していなくて、動作しなかったそうです。(逆に作動していたら、入室して確認した人は命が危なかったかも?)
 翌日くらいに、先生以外の技術系の職員、独自に法人を作って雇っている職員等に、「後片付けとそうじせよ!」との命令が先生方から下り(20人以上もいる先生は助手ですら顔を見せず)、私も現場に行ったところ、燃えたところは配線、構造物は真っ黒こげ、天井まで(煤で?)真っ黒になっていました。(みんなでモップ、雑巾等使って掃除しました。PCBが心配でしたが?)
 当時タイミングよく(悪く?)私は大学の安全衛生委員だったのですが、一応事故報告書が作成されていると確認だけはしていたので、事務のほうから大学の安全衛生委員会に報告が行ったものと思っていました。
 それから二週間ばかり過ぎたころ、大学で定期的に行っている安全衛生委員会に出席すると、委員長から各部局からの事故等の報告書が読み上げられたのですが(ガラスの実験器具が割れて、指を切ったのでバンド〇イドを貼ったという程度のものもありました。)、ウチの火災の報告が読み上げられませんでした。
 「まだ、報告書が遅れているだけなのかな?まさかもみ消し?」と一瞬思ったのですが、「そんなはずはずはない。遅れているだけだ。」と思って何も言わずにいると、報告が終わった後委員長が、今の報告以外で何かあったら、口頭で報告するよう座っている順に報告するように言われました。
 自分の番が来たので軽く「火災があった。」と発言すると、「そんな報告は来ていないので、後であなたの部局に確認しておきます。」と言われ、その後残りの人の報告も終わり、委員会は終わりました。
 その翌日の朝、委員会からのお知らせを各教職員に配布の準備をしていると、電話が鳴り、出てみるとウチの部局の一番偉い教授の方で、いきなり「君はなんてことしてくれたのや!すぐに〇ンター長室に来い!」と言われました。
 急いで行って、ドアを開けた途端「君は何をやってくれたんだ!あの火事のことは先生方で話し合って、事務のほうにも報告書を提出しないように言って、どこにも知らせないようにしたのや!消防署なんかが現場検証したりしたら、どれだけ実験するのが遅れたりすると思っているんや!君のやったことは教育、研究に対する妨害行為や!」
 (えっ、消防署にも知らせてなかったんや!)とあまりなことに呆然としていると、この先生その後前記のたぐいのことをガミガミ言ったのち「今後火災が起こっても消防署や外部に知らせるのは一切禁止する!これは命令や!」
と言われたので「あんた頭おかしいんじゃないですか!」と捨て台詞を吐き〇ンター長室を退出し、すぐ安全衛生委員長に報告しました。
 すると、翌日くらいに、その〇ンター長から、ウチの部局で働く全員にメールで「今回のような火災が起こった場合は、必ずすぐに消防署に連絡するように。」とのお知らせが回されました。
 後で安全衛生委員長(確か工学部の学部長かなにかしている偉い先生)に聞いたところ、「最初、君が言われたようなことを主張していたが、あなたのやったことは場合によると刑事罰にも問われる命に係わる隠蔽行為ですよ!」と言うと聞き分けがよくなったとのこと(もっともウチでは「教員、院生は実験現場に出てはいけないとの方針があるので、火災が起こっても現場にいる人外の職員その他が死ぬだけなので人的被害は出ないと判断したのかもしれませんが、実際当時の院生の一部は実際にそう言っていましたし。)
 前回報告したこと(だけではないですが?)に続き、ウチの部局の先生方の怒りを買ってしまい、ただでさえ冷遇の立場が悪くなってしまいました。
 それでは、また!
 

 

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