【アメリカ生活】ホームレスに追いかけ回された話
日本のホームレス問題は深刻で、去年発表された人数は4,555人。
2013年の世界での都市別人数の順位では、東京が19位。
ただ、その人数は年々減少傾向にあり、去年は一昨年の-422人だった。
(今年はまだ発表されていないので不明。コロナの影響で増えそう・・・)
ちなみに世界の人助けランキングでは、日本はほぼ最下位。アメリカは1位。ホームレスも多いし、道端にいるホームレスのコップにお金を入れる光景は日常。結構みんな活動的で、観光客にコップを振りながら「小銭ある?」と聞いて回っていたりするため、少しなら話す機会もあるし日本とは大分スタイルが異なる。
私はドラッグ等に使われたくないからお金ではなく食事の残りの持ち帰り(レフトオーバー)をあげる派。
そして、私がホームレスに追い掛け回されたアメリカ、ロサンゼルスのホームレス人口は、56,257人(去年)。日本全国の12倍以上。
ロサンゼルスの中心部ダウンタウンには、東京のように高層ビルやオフィスが立ち並んでいる。大きな市場やおしゃれなカフェ、レストラン、「リトル・トーキョー」、「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」など日本人に人気の観光スポットも数多く存在する。
観光ガイドブックは観光地やお店に行きたくさせることが目的なので、そこまでホームレス事情に触れていない。そのため、ロサンゼルスへ旅行する日本人の多くはほぼ何も知らず都市部「リトル・トーキョー」の近辺のホテルに宿泊する。
ホームレスに追いかけ回された日
その日は、ロサンゼルス留学をスタートさせて1~2週間くらいの頃、まだ旅行気分で新しくできた日本人の友達数人とダウンタウンへ向かった。
みんなサンタモニカの近くでホームステイしていたため、1時間半くらいバスに乗った。
ダウンタウンに位置するリトル・トーキョーは、和食レストランやスーパー、日本のイメージがぎゅっと詰まった一画。本当にびっくりするほどリトルで、観光地化された場所は本当に1ブロック程度。(ベリーリトルトーキョーと呼びたいレベル)
そんなリトル・トーキョーだが、観光客なども多く、いつもまあまあ賑わっている。そのため、リトル・トーキョーのイメージは明るく、観光でふらっと訪れる日本人やアメリカ人も多い。
ただ、リトル・トーキョーのすぐ南にスキッド・ロウというエリアがある。
ロサンゼルスで一番ホームレスが多いエリア。まさにゲトー、スラム街。
リトル・トーキョーと同じくらいの大きさの場所に、ホームレスたちがテントを張っている。
そこでは、
・病んでしまった退役軍人
・ドラッグアディクト(ヤク中)
・医療費の払えなくなった病人
・貧乏でホームレスになった人たち
などがひしめき合っている。らしい。
市内には道端で糞尿したり一人で叫んでいる人もいる。(多分長いこと服着たまま糞尿してて服がすさまじい色になってる人もいた。)
夜中には、医療費を払えなくなったヤク中患者をここに捨てに来る病院もあると聞いたことがある。
後述するが、スキッド・ロウは絶対に近寄らない方が良いエリア。だが、もう一度言うがリトル・トーキョーのすぐ隣(1km先くらい)に位置しており、LAからディズニーワールドに遊びに行くための長距離バスの乗り場も近くにある。
日本人向けのツアーではこの近辺のホテルのことも多い。
私は変わったことは好きだが、無謀なことはしないタチなので、ダウンタウンへ遊びに行ったその日もGoogleマップを確認しながら危険な場所には近づかないように気を付けていた。
私たちは、高層ビル街の方からリトル・トーキョーへダウンタウンを歩きながら、色々な場所を見てはしゃいだ。
赤で囲っているのが、リトル・トーキョーのメインエリア。その周りにも日系のお店や美術館はあるが、ほぼこの一画と言っても過言ではない。
黄色がリトルトーキョーのメインストリート。私たちはこの道を北から南に向かって歩いた。
青×は、この辺からスキッド・ロウだよのマーク。
リトル・トーキョーはとても狭く、私たちはすぐに観光を終えて次の場所を目指した。でもスキッド・ロウのエリアには入らないようにリトル・トーキョーを出たらすぐに西側へ歩き始めた。
その時、
リトル・トーキョーを抜けた所(★の所)で、カートを押したおばあさんがこちらに向かって何か話しかけてきた。
私たちは、留学を始めてすぐだったのと、おばあさんの活舌が悪いため、何を言っているのか分からず聞き返した。
すると・・・
野生のおばあさんがとびかかってきた!
私たちは掴まれた腕を振りほどき、恐怖の中、叫びながら走って追いかけてくるおばあさんから必死で逃げた。
おばあさんなのに何でこんなに走れるんだよ、と思うくらい暫く走ってついてきた。やったことないけどバイオハザードみたいだった。
やっと逃げられた時の安堵感といったらもう。
男女5人だったので、力では圧倒的に有利だが、おばあさんと戦うのも心苦しい。何より理性なく飛びかかってくるような人は無条件に怖い。狂気の沙汰。
平和な日本で生まれ育って、こんな身の危険を感じたことはなかった。
人が襲い掛かって来ることなんてある?私は飛びかかって来て顔中舐め回す犬くらいしかない。
私たちが歩いていたリトル・トーキョーに面した道は、スキッド・ロウまで2ブロック程度の距離はあったが、近いことに変わりはなかった。
皆が皆、リトル・トーキョーに攻め込んで来るわけではないが、ホームレスの人々はもちろん生活のためにダウンタウン全体を動き回る。
観光地ならまだ人目があるが、少し外れると人通りのない道だったり、鬱蒼とした場所はある。
だから、
ダウンタウンLAへ旅行する時は気を付けて欲しい。
ちなみに、スキッド・ロウへは二度言った。
一度目は、長距離バスに乗るためホームレスが少なめな道をGoogleマップのストリートビューで予め調べて早足で通った。
二度目は、好奇心といえばそれまでだが、悪名高いスキッドロウがどんな所なのか自分の目で見てみたかった。
アメリカ人の友達の車のドアを全てロックしてスピードをある程度出して通った。みんなジロジロこっちを見ており、友達と2人ガタガタ震えながらその道を通った。
失礼かもしれないが、サファリパークへ行ったような気分。いつ襲いかかってくるか分からない。銃や麻薬を持ってる理性を無くした人たちが襲い掛かって来るかもしれない。車の前に飛び出してくるかもしれないし、金品のために銃で撃って来るかもしれない。
でも、そういう現実もある。
世界のどこか、意外とすぐそばにある。
だから、日本人は観光の時には本当に気を付けて欲しい。
おばあさんに追いかけ回されるよ。
おわり