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サル痘と、エイズに関するファウチの嘘と、メディアの報道と。

サル痘情報に出てくる様々なモヤモヤ

❶WHO緊急事態宣言のモヤモヤ

ご存知の通り、WHOは7月23日、サル痘の流行拡大について、”国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態”という宣言を出しました。”世界的な感染者の急増を受けて”というのが建前ですが、宣言すべきかどうかの緊急委員会は統一した見解に至らなかったそうで、テドロス事務局長の決定により宣言を出すことに・・・と、まずはここがなんだかモヤモヤします。

コロナ感染拡大を防止のための(利用した)強権発動に失敗したバイデン政権は、WHO(事務局長)に強い権限を持たせることで、加盟国に対する、強制的な規制導入を可能とすることを目論んでいたと言います。
仮に、公衆衛生政策に強い権力が必要だとしても、コロナ・パンデミック時においては、WHOが行ってきた政策の何か1つでも役立ったことがあったでしょうか。

武漢の調査も、発生国や発生疑惑ラボと深い関係にあった科学者のいいなりで、結果、世界的な感染拡大を止められなかった上、イベルメクチンをはじめとする既存薬による治療等も否定するばかり・・・何1つ有効な対策を出すことができなかった、今のWHOに、何を期待できるのでしょうか?

そもそも緊急事態宣言の前に、WHOではサル痘についての新たな名称が検討されていたはず。というのも、サル痘の自然宿主はサルではなくネズミをはじめとした齧歯類ということで、感染した動物が人間を噛んだりしたことが今回のサル痘の感染拡大の始まり(サル痘のヒト感染は、今回が初めてではない)だと言います。であるならば、自然宿主がはっきりするような名称である方が、”感染動物から人への感染拡大の防止につながる”はずだからです。

ネズミというのは、衛生的な問題のあるエリアでは、人間の近くに必ず存在するものですし、アメリカ在住者としては、生活圏の中に共存しているリスの存在もあります。庭に鳥やリス用の餌台を設置している家庭も多く、「(サル痘の問題が出てきた中)リスや鳥の餌台、どうする?」と尋ねたときに、「え?あれ、猿の病気じゃないの?」という友人もいました。ニューヨークやカリフォルニアで、緊急事態宣言が出たようですが、少なくとも私の周辺にいるアメリカ人でサル痘感染を心配している人はいませんので、正しい情報を持っていないというのは、仕方のないことだと思います。何しろ”サル”と病名についているわけですし。

そういうこともあり、緊急事態宣言を出すほど、WHOが、いや、テドロス事務局長がサル痘感染拡大を懸念しているのであれば、やるべきことはまず名称を改正して、正しい情報伝達に務めることではないでしょうか。

❷医師やメディアの、感染経路についての説明のモヤモヤ

サル痘について解説する医師、または、メディアの説明についても、モヤモヤしたものがあります。どのあたりにモヤモヤするのか?といえば、感染経路についての説明です。

メディアや医師によっては、”皮膚から皮膚への接触感染や、濃厚接触に加え、飛沫感染も・・・モゴモゴ”という説明も。そして、”現状報告されている感染経路は、性交渉に関連した感染が多く、感染者の9割以上が男性”という付け加え。

・・・えっと、ヒト・ヒト感染の主な経路は、不特定多数との性行為で、特にMSM(男性間性交渉者)で広がっているということですよね?

元々、アメリカで聞いていたのは、感染はMSMネットワーク内で広がっており、バイセクシャルから感染した女性もいるということでした。それが日本の報道では、接触感染や飛沫感染等まで、感染経路が増えているようで、この点でとても混乱しました。というのも、同じく性行為を感染経路とするB型肝炎で、「接触や飛沫でも感染する」なんて話は聞いたことがなかったからです。

そういえば、過去に、HIVについて、”日常の何気ない接触が感染経路になる”と発言した科学の権威がいました(下記の引用ご参照)が、この発言が大きな間違えであるということは、すでにご存知のことかと思います。

【ファウチ研】世界が信じている”科学”というもの
「HIVって、怖い病気なんですよ。何しろ、ハグや握手等、家族や友人間で交わされる、”日常生活の何気ない接触”が感染経路となってしまう懸念が十分あるのですから」と言われたら、どう思いますか?

なんて非科学的なことを!と怒らないでくださいね。この発言、「私への批判は科学への冒涜だ!」というアメリカの、いや、世界的なコロナの権威、アンソニー・ファウチ博士が1983年に行った発言なのですから。しかも、しっかり動画の形で証拠も残っています。念のため、ファウチ博士は、HIV の研究でロベルト・コッホ賞金メダルを2013年に受賞しているHIVの大家です。

【ファウチ研】世界が信じている”科学”というもの

B型肝炎やHIVで、感染経路に、接触や飛沫が加わったということは聞いたことがありませんでした。感染症において、感染経路が変わる(増える)ことなんてあるのか?と思い、いろいろ調べていたら、サル痘における接触・飛沫感染の事例は、患者のリネン類を介した医療従事者の感染であるようでした。

感染経路について”性行為”というには、「性感染症との区別が」と、ご意見がある医師もいるようです。患者の精液の中にウイルスがあることは確認されたようなのですが、精液に含まれたウイルスだけでは、パートナーを感染させるほどには十分ではないのでは?というのが彼らの意見。これに対しては、正直なところ、一般市民の知りたいことは、”感染経路は精液か、皮膚か”ではなく、”感染したパートナーと性行為をした場合の感染リスクについて”なのに・・・と思います。

これは素人の感想レベルのものですが、感染経路についてのいろいろな意見をまとめると、患者との”超濃厚な接触”により感染するが、どれくらいの濃厚度で感染するか?は、患者の症状次第ではないということではないでしょうか?(病院にいる患者は、見た目からも感染が明らかな発症をしているので、皮膚や飛沫でも感染するが、パートナーと行為におよぶ患者は、本人にもパートナーが気が付けるほどの症状がまだ出ていない段階と考えられるため、”より濃厚な接触”があって感染する・・・というような)。

ちなみに下記は国立感染症研究所が今年5月に編集を加えた、”サル痘”の紹介ページです。

国立感染症研究所による、感染源・感染経路
サル痘ウイルスの動物からヒトへの感染経路は、感染動物に咬まれること、あるいは感染動物の血液・体液・皮膚病変(発疹部位)との接触による感染が確認されている。自然界ではげっ歯類が宿主と考えられているが、自然界におけるサイクルは現時点では不明である。
 ヒトからヒトへの感染は稀であるが、濃厚接触者の感染や、リネン類を介した医療従事者の感染の報告があり(Aaron TF. 2005, Aisling V. 2020)、患者の飛沫・体液・皮膚病変(発疹部位)を介した飛沫感染や接触感染があると考えられている。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/component/content/article/392-encyclopedia/408-monkeypox-intro.html

接触・飛沫感染の事例が、もし、患者をケアする医療従事者や患者の同居家族・パートナーのみだったとすれば、かなり濃厚な接触や至近距離での飛沫感染ということになります。そうであるならば、そこまできちんと説明しなければ、不必要な不安を広げることにつながります。
手洗い・うがいは、サル痘だけの感染予防になることではありませんが、サル痘対策として、手洗い・うがいやマスク着用等を患者との接触がない一般の人にまで推奨するのは、いかがなものかなと。もちろん、これらの対策の効果を否定したいわけではありません。
「どうせコロナの対策として継続していることだから」とする医師もいますが、個人で行うコロナ対策についても、日本でもそろそろ見直す時期ではないでしょうか?
過度な衛生習慣の長期期間にわたる継続によって、かえって免疫力の低下が問題視されているということもありますから、「より熱心に対策すれば安心」ということでもないと思います。

最後に・・・ここからは、コロナ・パンデミックの開始以来、ファウチ博士(HIVについての誤った情報を流した、HIVの権威で、コロナの対策の権威)に疑惑の目を向けてきた故の邪推かもしれません。ただ・・・・HIVとサル痘は、感染リスクの高い層や、感染経路とその情報提供が不適切である点等々、変な共通点があるのが気になります。それに自然宿主がサルではなく、齧歯類であるにもかかわらず、名称の”サル”を(わざわざ?)そのまま使い続けている点も・・・何だか。

念のため・・・、サル痘の名前は、この病気が、研究用に飼育されていたサルの間で天然痘に似た病気の集団感染が起きたことがきっかけで発見したことに由来しているそうです。

WHOのボスのボスが名称に関係していたコロナは、あっという間に、発生地とは関係のない正式名称をつけることができたみたいですけどね・・・。

https://www.bbc.com/japanese/51470319

❸有効なワクチンについての情報に対するモヤモヤ

日本では1976年まで、天然痘ワクチン接種が行われていたそうです。そして、この天然痘ワクチンは、サル痘にも効果があると言われています。感染者の9割が男性という情報の他に、若者の間で広がっているという報道もありましたが、日本では45歳以上、海外ではもう少し上の層までは”天然痘のワクチンが接種済み”ということと関係ない話ではないのではないでしょうか。

2004年の国内調査では、種痘中止後の世代(現在45歳以下)には天然痘やその仲間に対する抗体がまったくなかった。他方、種痘世代では調査時点で8割の人に抗体があった。特に、世代別の平均抗体価で見た場合、現在73歳以上の人たちは強い免疫を保持していた。

https://toyokeizai.net/articles/-/593243?page=4

今 回 の 調 査 か ら 、 過去に種痘を受けた世代の約 80%に 4 倍以上の中和 抗体が認められ、約 1/4(22/83, 26.5%)に感染予 防レベルの中和抗体価が保有されていることが判明 したことは予想外の結果であった。種痘が廃止され た 1976 年近くに生まれた 28 ~ 34 歳代の層は 1 回 接種の可能性があるにも拘らず抗体保有率、抗体価 とも他の年齢層と差異がなかった。また、種痘廃止 後世代の 27 歳以下の人達においては当然のことな がら全く抗体を保有していないことが確認できた。

https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/MM0602-06.pdf

コロナでは、散々高齢になる程、感染リスクがあることを強調されてきたことを考えると、サル痘は、ワクチン接種ずみの45歳以上はリスクが少ないことを伝えてあげる方が不要な不安を取り除いてくれるようにも思います。

また、報道によっては、現在のところ、承認された治療薬がなく、対処療法だけとしているようですが、CDCによれば、サル痘ウイルスとの接触後、天然痘ワクチンの早めの投与が、4日以内なら、発症を防ぎ、14日以内では症状を軽減する可能性があるとのことです。

サル痘予防のための曝露前予防接種について:
米国予防接種実施諮問委員会(ACIP)は、サル痘などのオルトポックスウイルスに暴露懸念のある職業の従事者に、ACAM2000またはJYNNEOSを接種することを推奨しています。
・オルソポックス・ウイルスを診断するための検査を行う臨床検査技師
・ヒトに感染するオルソポックスウイルスに汚染または感染した培養物または動物を直接取り扱う研究室職員
・公衆衛生当局が準備のためにワクチン接種を指定した特定の医療従事者および公衆衛生対応チームメンバー

PrEPを受けようと思えば受けられる人は、ACAM2000を投与する医療従事者や、多くのサル痘患者のケアをすることが予想される人(暴露予定のない医療従事者等には推奨されていません)。

https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/clinicians/smallpox-vaccine.html
からの抄訳

*オルトポッスクスウイルスについての、気になる情報まとめ

  • オルトポッスクスウイルスは、ポックスウイルス科に所属するウイルスで、皮膚の発疹様斑紋が特徴

  • 代表的なウイルス:天然痘、サル痘、牛痘、ラクダ痘

  • 天然痘撲滅が確認された後、世界中の天然痘ウイルスは破棄されることになったが、旧ソ連とアメリカの2カ国がバイオ・テロ対策の名目で保管

  • アメリカのNIHは、天然痘の不適切な保管で問題(事件?)になったことがある

  • 旧ソ連の”様々な資産”の一部は、現在、紛争中のウ国にもある

  • ウ国にあるバイオラボは、安全レベルが不十分なところが多く、米国や欧州の支援を受けていた(しかし、バイデン政権は当初、バイオラボの存在や米国の関わりを否定)

  • ラクダ痘ウイルスはサル痘ウイルスよりも、天然痘ウイルスに近いとされ、テロで使われた際に破壊力があるのは、ラクダ痘の方とのこと(サル痘を使ったバイオテロは考えにくい?)

  • イラク戦争時のブッシュ政権は、ラクダ痘を使ったテロを恐れ、天然痘の予防接種を再開させようとしたという話も

モヤモヤ情報の原因は、差別対策?

感染拡大を防ぐためには、感染経路について、正しい情報提供は不可欠です。特にコロナのために散々経済・教育・コミュニティ活動が制限されてきた後ですので、不要な制限を回避した感染防止策が必要とされる時期でもあります。
にもかかわらず、このモヤモヤっとした情報は何だろう?と、こちらも調べてみたら、1つには、セクシャルマイノリティに対する差別につながらないような配慮があるようでした。

そうであるならば、それこそ正しい情報を提供するように努めたら?

と、思うのは、感染経路が性行為で、感染者の9割が男性だったとしても、サル痘の感染リスクがあるのは、MSM(男性間性交渉者)とするよりも、不特定多数との性行為を行なっている人とする方が正確だと思うからです。性的対象が同性か、異性かということにかかわらず、”不特定多数との濃厚接触の機会”が社会として減少すれば、感染抑制につながります

「プライベートを制限するのは・・・」というような話をしている人もいたようですが、一生涯制限しなければならないという話ではなく、一時的な制限です。感染拡大が進んでいなければいないほど、制限期間が短期ですみます。それに・・・制限を受けるのは、あくまでも”不特定多数のパートナーとの関係”であり、パートナー同士が”お互い限定”で行う分には、感染は広がらないはずです。

実際、アメリカで緊急事態宣言を出した、ニューヨークでは、LGBTQのイベント後に感染拡大が起こったと報じられていますが、これは何もLGBTQだから感染が広がったわけではありません。このような大規模イベントがあり、大勢の人がひとところに集まると、「必ずそういうことになるのだから」と、イベント主催者からコンドームが配布されることがありますーー感染拡大の原因は、”不特定多数との濃厚接触”ではないでしょうか。イベント開催当時までわかっていた感染経路について、確定情報ではなかったにしても、リスクの可能性がある情報として提供されていれば、多少なりとも感染拡大は防げたのではないかと思います。

さらに・・・プライベートを制限と言いますが、コロナでは、重症化防止にしか効果がない段階になった後のワクチン接種の有無によって、多くの人のキャリアや教育の機会を奪うことに熱心だった人たちが今更何を・・・とも思いますが。

何よりも・・・差別を防ぎたいというのなら、なおさら名称は変更すべきではないかと思います。HIVウイルスの元々の宿主が猿であったことと、感染経路が性行為であったことから、患者に対する偏見の中には、猿と?というものもあったかと思います。

サル痘に関するモヤモヤする情報について、早くすっきりさせて欲しいなと思います。

■ファウチ博士研究              
エイズとコロナ、人災による禍としての類似性  
世界が信じている”科学”というもの


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