PCR検査のちょっと(だいぶ)怖い話
PCR検査のウイルス外交
昨今「ワクチン外交」なんて言葉が度々聞かれます。人の命に関わる重要なことに政治的な色が付くことに嫌悪感を持つ方も少なくないと思います。残念なことに、新型コロナ禍により、医療や科学業界で起っているポリティカル・パワー・ゲームのようなものが暴露されてしまったようにも思います。外交に利用されたと指摘されているのは、ワクチンだけではありません。パンデミック直後には、世界的なPCR検査の供給不足から、PCR検査を利用した外交を展開する国もありました。総じて「ウイルス外交」と呼びます。
昨年8月のロイターの記事「焦点:中国の巨人ゲノム企業、米の懸念よそにコロナで存在感」によると、ある企業が「COVID-19迅速検査キットを180カ国に販売し、18カ国に58カ所の検査施設を建設」し、さらに「検査機器の一部は(ある企業)の社会貢献部門により寄贈」したということでした。「助けてくれない隣国よりも、助けてくれる遠い国」と、評価する国もありました。これもウイルス外交の1つだと言われています。
ウイルス外交とその先
瀬に腹は変えられぬ状況にある相手に対して、ウイルス外交はよく効きます。外野がなんといっても、「善意です」と言い切れる強さもあります。「日本も積極的に行うべき」という人もいますが、複雑な気持ちです。起源説はさておき、今回のパンデミックが世界的に広がった原因の1つは、人の移動です。どういった国の人がより多く世界中を移動しているか?を考えると、それはより経済が発展している国だと言えます。自分たちが移動しなければ、パンデミックが起きなかったかもしれない国に対して、広めたかもしれない国々がパワーゲームのようなものを展開する?と考えてしまうからです。いえ、でも、世界各国で行われている戦略のスタンダードを考えると、これでは生き残れない安っぽい道徳観にすぎないかもしれませんが。
話はウイルス外交に戻り、かなり気になるのは同じ記事の中にある次の引用です。
(ある企業)は科学専門誌及びウェブサイト上で、世界各国の医療研究者に対し、同社の機器で得られたウイルス関連データ、検査で新型コロナ陽性が確認された患者の検体を同社に送付し、中国政府が出資する国家遺伝子バンクを通じて広く共有するよう呼びかけている。*(ある企業)の企業名は、リンク先記事に掲載されています。
ウイルス外交はそれだけで終わるわけではなく、その先がありそうです。(ある企業)のこの検査キットに対して米国は2020年3月、FDA承認を行なっています。その一方で、同年7月、米国はこの企業の子会社2社を、輸出管理規則(EAR)に基づくエンティティリスト(EL)に追加しました。少数民族等に対する抑圧目的での遺伝情報の収集・分析に関与していることがその追加理由だと言いますが、DNA情報は兵器開発にも活用できるとも言われていて、この点も懸念されているようです。
エンティティリストとは? 米国制裁違反の活動や国家安全保障・外交政策上の利益を害 する活動に従事した団体を掲載し、同リストに掲載された者への再輸出等を規制。米国産付加価値を一定程度(中国の場合原則25%)含んだ製品を第三国から当該国へ輸出する場合(再輸出)にも適用。 (貿易管理をめぐる最近の動向と課題 - 経済産業省より引用)
バイオテクノロジーで兵器開発!?
「DNA情報で兵器開発!?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。理論上は可能です。例えば、一般的な生物兵器を使うと、散布した地域にいる人は、敵味方なく悪影響を受けてしまいます。その対策として味方だけ予めワクチン接種を行うということもできるかと思います。これが、特定のDNAを持っている人にだけに影響を与える生物兵器となると、当該DNAを持たない兵士のみで闘えば、ワクチンが不要になります。
そんな兵器が実際に存在するかどうかはわかりませんが、医療の世界では、特定の遺伝子に働きかける治療というものが始まっています。がんに対する標準治療である抗癌剤は、良い細胞にも悪い細胞にも影響を与えてしまうため、副作用が大きいと言われています。これに対して、がんゲノムと言われる治療法は、影響を与えたい遺伝子を狙い撃ちするため、副作用が比較的小さく、効果が大きいとされています。難治がんの治療としても注目されている素晴らしい技術です。その一方で、この多くの人を救う技術が、万が一、軍事転用されてしまうようなことがあれば、とんでもないことが起こってしまう危険性は否定できません。
このようなバイオテクノロジーを使った兵器の破壊力とおそろしさは、目に見えない=存在の確認が難しいことにあります。ミサイルのように、どこから飛んできたか?とか、どこ製の部品を使っているか?等の情報を残すことはありません。相手に気がつかれずに攻撃できるのですから、反撃リスクもありません。仮に疑いがかかっても、数人の科学的権威を買収し、「科学的根拠のない陰謀論だ」と言わせてしまえば、相手の反論を封じ込めます。
アメリカが持つ懸念
このような背景を踏まえた上で、引用記事に戻ってください。「(PCR検査を提供している)世界各国の医療研究者に対し、同社の機器で得られたウイルス関連データ、検査で新型コロナ陽性が確認された患者の検体を同社に送付し、同国の国家遺伝子バンクを通じて広く共有するよう呼びかけている」というのは、何か引っかかりませんか?
医療技術の開発にしても、生物兵器の開発にしても、ゲノムデータは不可欠です。ちなみに、”同国”自身は、国内の遺伝子情報の国外への持ち出しを厳しく禁止しています。それだけゲノムデータの重要性と怖さを知っているからではないでしょうか。
記事によると、同社のウイルス外交では、追加オプションとして、遺伝子配列を解析するシーケンサー設備の提供も可能であり、少なくともアフリカの10か国がシーケンサーを受け取っているようです。ただし、取材に対し、(ある企業)は、「患者のデータにはアクセスしない」「あらゆる法令を遵守していると述べている」としています。現状では本当にそうなのかもしれません。
ただし、ここでおさえておかなければならないのは、同国の国家情報法について。その中には諜報活動についての規定もあり、「いかなる組織及び個人も、法に基づき国家諜報活動に協力し、国の諜報活動に関する秘密を守る義務を有し、国は、諜報活動に協力した組織及び個人を保護する(第7条)」と定められています。この法に基づいて、ゲノムデータを要求された場合、同法に従うことと、患者の個人情報の保護をすることを同時に「遵法」することは不可能です。
安価で気軽に受けられるPCR検査は良いものか?
アメリカはPCR検査によって、感染者を早期に特定することで、パンデミックを押さえ込むことに尽力してきました。州によっては、無料のPCR検査を誰でも何度でも提供しているところや、面倒事を減らし安心して検査できるようにドライブスルー方式の検査場を設けたりするところがありました。負担なく、気軽に検査できることで、目的は達成できたのかと思います。
PCR検査の問題点から、症状があるわけではない人が闇雲に検査することが適切なのか?という疑問はさておき。安価な検査はその信頼性に問題はなかったのか?何より検査を受けることで提供したサンプルや、ゲノム情報は、自分の知らない目的のためにも使われていないか?等、本来、気に留めなくてはならないことだったかと思います。
パンデミックという心理的なプレッシャーの中で、見逃していたかもしれない「こと」があるかもしれません。アメリカでは現在(2021年6月5日)、パンデミック初期に「科学的根拠のない陰謀論」として封じ込められていたことが、不都合な真実を隠すための強硬手段だったのではないか?(再調査が必要)派が勢いを増してきています。今世紀最大のテロ事件になるかもしれない・・・その疑惑の中心にいるのが、あの新型コロナの権威と言われたアンソニー・ファウチ博士です。情報開示要求を受け、公開された大量のメールからは、ファウチ博士と「同国」との繋がりが証明されたものもあります。
「流石にそれはないでしょう」と、思いますよね?私も1つの仮説が頭にありつつも、頭の片隅で「流石にそれは・・・」と考えています。過去には「大衆は、小さな嘘より大きな嘘に騙されやすい。なぜなら彼らは小さな嘘は自分でもつくが、大きな嘘は怖くてつけないからだ」と言って人々を煽動した人もいました。とはいえ、陰謀論は所詮陰謀論ということで終わるかもしれません。
ただ、1つ言えるのは、今、アメリカで起こっていることを考えれば、「専門家が、権威者がそういうのだから、それが正しいのだろう」という思い込みは一旦やめた方が良さそうです。