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日本のコロナ対策は意味があるのか?:数字で見るニュースのおかしさ(1)

日本のコロナ対策のおかしさ:感染者数がアメリカの6倍、100万人あたりの死者数も日本が抜く

NOコロナ規制のアメリカの方が感染・抑制に成功

アメリカは今年3月より、州レベルでのコロナ規制が全撤廃されました。そんなアメリカと日本の、100万人あたりの新規感染者数比較は次の通りです。今年1月くらいまで、アメリカのコロナ状況は世界的に見て、最悪なものでした。そのアメリカよりも感染者数6倍というのが今の日本です。

アメリカのマスク着用状況

ちなみに、義務化解除に最も早く動いたのは、テキサス州で、昨年3月。最も遅かったのがカリフォルニア州とハワイ州で今年3月。”義務化解除”は、文字通り、義務化をやめたというだけで、マスク着用やワクチン接種を制限するものではありません。あくまでも必要だと思う人が必要な対策を行うことができます。テキサス州でも、昨年の9月くらいまではマスク着用者の方が多数派でしたし、数が逆転しだしたのは、おそらく今年の1月くらいです。

8月に新学期が始まったテキサス州ですが、最初の3日間くらいは、サル痘ブレイクの噂を警戒した様子見で、マスク率が高かったようですが、2週間くらい経つと、マスク着用の子はほとんどいなくなったようです。ただし、家族に陽性反応がでたお家の子や、普通の風邪を引いた子がマスクを着用してくることはあるようですし、予防でマスクをしている子もゼロではないようです。

マスク着用義務化解除が早かった州と、遅かった週で、感染者数に違いがあるのかといえば、感染者数推移の波形はほぼ同じ感じで、感染者数の増減に関係あるのは、デルタやオミクロン等の変異株の流行であるように思えます。

マスク着用で最後まで揉めていた(まだ裁判が続いていたかもしれません)公共の交通機関内での着用義務ですが、ちょっとややこしいのが空の旅です。アメリカ国内の空港やアメリカの航空機内では、義務化解除されているのですが、アメリカ発着便でも、例えば日本の航空機内ではマスク着用が義務化されています。どの国の法律が及ぶのか?による異なる対応となるわけですが、一部乗客ーー特に日本の航空機内に搭乗するアメリカ人ーーの中には、混乱する人もいるようです。

ワクチンブームが去ったアメリカ

マスク着用する人が少ないのならば、ワクチンの効果では?と思う方もいるかもしれません。確かに昨年6月くらいのアメリカは、”ワクチンが人類を救うブーム”があり、一気に50%の人がワクチン接種を完了しました。その後、デルタが落ち着き、オミクロンが始まる昨年末くらいまでの半年間では10%しか伸びず、今年に入ってからの増加率は10%未満です。

ワクチン完了者数の割合
ブースター接種者数の割合

ブースターに関するブームは、昨年9月から12月にかけてでした。これは6月までに終了した人が対象となりますが、わずか30%で、現在まででも、ブースター接種を行った人は40%に留まっています。

日本とは違い、アメリカでは、ワクチンの義務化を巡った闘いが長く続けられてきています(裁判は現在進行中)。それでも接種率が低いというところがポイントです。

ワクチン接種義務化に関する状況

州レベルであったワクチン義務化ーー例えば、レストランやショッピングモールに入る際に求められていたワクチンパス(または陰性証明)政策は、今年の3月までに全て終了しています。

連邦政府レベルや、ワクチン義務化に関しては、まだポツポツ裁判が行われているところですが、軍を含む連邦政府機関(ただし裁判所のぞく)の職員や、医療従事者の義務化のみが現状、実施されている形。義務化が実施されているところも、裁判結果を待って、解雇処分がペンディングされたりしているところもあれば、解雇済みのところもあります。

企業は、最高裁判判決を受け、既存の従業員に対しての強制はできなかったのですが、ワクチンに対して前向きな企業は、入社の条件に”ワクチン接種完了”を掲げているようです。特にメディカル系企業は、例えビジネス部門であっても、ワクチン接種済みが求められています。現在勤務中の企業でうまくワクチン義務化から逃れられた人も、転職活動に制限が入るというケースがあるようですが、アメリカでは、転職はインフレ対策の1つでもありますから、この時期に転職が不利になるというのは、結構辛いところではあります。ただし、これも、”そういう企業”だということが入社前にわかると思えば、良いことなのかもしれません。

”ワクチン接種が重症化を防ぐ”の疑問

まず初めに、最先端の医療技術と、世界最大級のメディカルセンターを抱えたアメリカの医療業界ですが、コロナ治療に関しては、医療の現場で政治が優先され、十分な治療が行われてきていませんでした。
それを前提に・・・日本の100万人あたりのコロナ死者数は今年8月、とうとうコロナ治療後進国のアメリカを抜いてしまいました。もちろん、”ぬいた、ぬかれた”と言っても、ともに100万人あたり1−2人と低い数字です。ただ、私の過去記事を見ていただいくと、”アメリカに抜かれたヤバさ”が理解していただけるかと思います。

100万人あたりの死者数の推移

CDCやファウチ博士は、ワクチンが感染予防に効かないことは認めています。「それでも重症化防止には役立つ!」というのが彼らがワクチンやブースターを推進する理由です。アメリカの指示に忠実な日本の現首相らもこれに従っているようですが、本当にそうでしょうか?

ワクチン接種ブームが終わり、ブースターも一向に進まないアメリカで、感染者数と死者数の両方が抑制され、もともと感染者数を世界が注目するほど抑え込み、死者数も少なかった日本では、・・・なんでこんなことになってしまっているのでしょうか。

念入りに対策やってます!は効果があるのか?

日本のメディアで流れていたブースター接種に対する医師のコメントに、「(それは)打たないよりも、打った方がいいですね」というものがありました。本当に?それは製薬会社そう言っているから?それともCDCやファウチ博士が言っているから?

一般的に、予防接種はしないよりした方が良いイメージがあります。マスクもしないより、した方が対策に繋がるような気がします。
しかし、もし、そうならば、マスク着用率が圧倒的に低く、行動の制約もなく、医療従事者がコロナのことをあまり理解していない(コロナ専門医任せ)率も高く、かつブースター接種率も低いアメリカの感染者数、死者数ともに日本よりも低いのでしょうか?

2020年〜2021年にかけてのアメリカは、たくさんの感染者、そして死者を出していますから、日本のように”ファクターXが!”なんてことは今更いえません。アメリカに何かがあるというよりも、”現在の日本の何かがおかしい”と考える方が自然です。

日本でちょっとびっくりしたのが、とあるお店で入店条件に”2ヶ月以内に海外渡航していない”というものがありました。2週間ではなく、2ヶ月です。ウイルスが2ヶ月も体内にいるのならば、もはや共存してる?という気はしますし、自主隔離期間は、最長2週間だったにもかかわらず、それ以上の期間、隔離する意味はあるのでしょうか。
おそらくこれも、”しないよりした方が安全な感じがする”の延長で、”長くすれば長くするほど安心”というものかと思います。

ここで何も、マスクがダメだ、自主隔離が無意味だと言うつもりはありません。ただ、闇雲に”念入りに対策やっています”アピールをしていても、拡大し続ける日本の感染を抑制することはできないと思います。以前、「安全よりも安心」と謎のアピールをしていた某都知事がいましたが、その逆も然りで「安心だからと言って、必ずしも安全ではない」わけです。

そういえば、日本よりも少し前に、日本と同じような現象が起きたーー長く感染抑制に成功していながら、突然、感染爆発に見舞われてしまったーー国がありました。

100万人あたりの新規感染者数:韓国、日本、アメリカ

韓国も、相変わらず状況がよくないようですね。
日本と韓国VSアメリカで、前者は、2021年末(グラフではSep12, 2021とAug28, 2022の3分の1くらいの位置)までは、かなり感染を抑制できていたようなのですが、その韓国と日本がなぜこんな状況になっているのでしょうか?

「打った方が安心」という医師の方に、ぜひこの日本・韓国VSアメリカのグラフの謎についてぜひ伺ってみたいものです。

ワクチン接種完了者の割合
ブースター接種者の割合


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