藍ある夏の日
先日、初めて藍染体験をしました。
通常、藍染めは、藍を乾燥させてから発酵させた「蒅(すくも)」
という染料を作ってから染めるのですが、
なんと、この時期だけ生の藍の葉っぱを使用して
染めることが出来るのです。
というのも、藍が収穫できる時期が、7月~9月の夏の時期だから。
逆に言うと、この時期だけしかできない、貴重な染色方法なのです。
当日は、葉の鮮度が重要ということで、
参加者で藍の葉を収穫することに。
通常はもっと大きくなるそうなのですが、
この猛暑で今年は大きくならず、小さいまま・・・😢
黄変したり、欠けてしまった葉でも問題なく染色できるということなので、
木の成長を損なわないよう、丁寧に収穫。
葉っぱは思ったよりも柔らかく、瑞々しい触り心地が印象的でした。
その後、収穫した葉っぱをミキサーに入れ、
水をひたひた程度に加えて、攪拌!
藍ジュースならぬ、染色液の出来上がり~♪
布で漉した染色液は青汁のような濃い緑色となりました。
5分ほどスカーフを漬けていると、だんだん青汁色・・いえ、、緑色に。
あれれ?大丈夫かな?と思いつつ、指示に従って、軽く絞って、拡げて
陰干し。
すると数分後には、爽やかなブルー色に!
これは、藍が空気に触れることで酸化し、色が染まる、
という性質をもっているから。
この色がまた何とも涼やかで、美しい~。
猛暑を忘れさせてくれる色で思わずウットリしてしまいました。
その後も数回液に浸しては干す、を繰り返しましたが、1回目ほどの大きな変化は見られませんでした。
なんでも、生葉から作った染色液もどんどん酸化していっているので、繰り返すのも3回程度が良い、とのこと。確かに最後の方では、染色液の緑色自体も薄くなっていました。
最後に、甕の中にある本物の蒅(すくも)も見せていただきましたが、
漆黒に近い深~い紺色で、まるで映像などで見た、宇宙の色のようでした。
そして、突然、サハラ砂漠の遊牧民族、
トゥアレグ族のことを思い出しました。
藍で染めた青い布のターバンが目印で、「青の民族」と呼ばれ、
自らを「自由な民族」と名乗っているトゥアレグ族。
10数年前に訪れたモロッコでは、戦を好まない自由を愛する民として、人々から尊敬されている民族のように感じました。
想えば、日本語では「藍」は「愛」と同音。
藍には染色以外にも、薬や美容、食べ物としてなど、
多種多様な使い方や効能がある、と言います。
古来から世界中で、人々の生活を様々に支えてきた藍だからこそ、
「自由」や「愛」というイメージに繋がったのかもしれません。
こんな大人しい姿の植物が、
世界を席巻する高い能力を持っているなんて、なんだか勇気が出ます。
私も、自分で染めた藍のスカーフで自由を満喫しよう、
と感じる夏の午後でした。
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