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君は欲しいものがあるか?

漫画家のかっぴーです。「左ききのエレン」など描いています。

本日、新連載「ブラパト!」がはじまりました!

一部のブランドでは人気アイテムが入手困難となり、何度も何度も店に通って探し求める「○○パトロール」「○○マラソン」と呼ばれる現象が生まれています。

かくいう私も、超絶ミーハーなので、ここ数年エルメスやロレックスに通っていました。ジャンプ+版「左ききのエレン」が完結してヒマになったのです。時間はいくらでもあったので、めちゃくちゃ行きました笑

はじめは、ただの買い物。でも、通い続けている間に本当に色々な事が起きたんです。人間の愚かさ、資本主義の深淵、無くならない争い、嫉妬と憎悪、そして最後に残る一握りの希望ー そうです、

ブランドパトロール=ブラパトとは、人間讃歌だったのです。

皆さんは今、欲しいものがありますか?

数年前、こんな事がありました。実に些細な出来事でしたが、何故かずっと心に残り続けています。

私の漫画に登場する主人公が着ているコートを、実際に製作して販売した事がありました。おかげさまでアパレル業界の人達がビックリするくらい売れました。そんな中、高校生のファンからDMが届きました。

「私は高校生なので買えません。安く販売してもらえませんか?」

概ね、こんな感じの内容でした。

私は悩みました。高校生で読んでくれる事が嬉しかったし、少しくらいオマケしてあげたい気持ちはある。もっと言うとタダでプレゼントしてあげてもいい、気持ち的には。でも、それってどうなんだろう?大人にとっても高い買い物です、すでに買ってくれたファンは前向きに受け取ってくれるだろうか?

自分が高校生の頃を思い出して、どう応じるのが一番彼にとって良いか、本当に悩みました。そして、ある事を思い出したんです。

私には、本当に欲しくて欲しくて、それでも買えなかったモノがあった。

ジョーダン1のシカゴカラーが欲しかった。
先輩が乗ってたピストバイクが欲しかった。
supremeのBOXロゴTが欲しかった。

手に入らなかったモノがあるから、私は頑張りました。それはきっとモノだけじゃありません。叶わなかった願望が、人を大人にするんだと思いました。

私は、その高校生に御礼を返信しました。「欲しがってくれてありがとう、でも全部手に入ったら面白くないよ。」と。

私はミーハーだし、物欲お化けなので、そもそも買い物が大好きです。でも、きっと「叶わなかった願望を満たしたい」って気持ちは誰にでもある。それがたまたま、バッグだった人もいる。

そんな漫画「ブラパト!」いよいよ開幕です。
みなさん、よろしくお願いします!

(スマホの方が読みやすいのでオススメ)


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