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地味な歴史的建造物 Kantgaragen
KantgaragenはベルリンのKantstr.にあった立体駐車場だ。地上階はガソリンスタンドが入っていた。狭いし、けっこう薄汚ないし、近くを通っても見向きもしない人がほとんどだったと思う。2017年まで使われていた。
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だが実は、この建物は一見汚らしいけど、建築史としては重要な意味がある歴史的建造物だったのだ。1991年には文化財保護の対象となった。
建築されたのは1929ー1930年。第一次世界大戦と第二次世界大戦の間、ドイツではヴァイマル共和政だった期間だ。Kantgaragenは、カーテンウォール(Vorhangfassade)を持った世界唯一の立体駐車場であり、ヨーロッパで最古の立体駐車場でもあった。
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カーテンウォールとは、構造上は取り外し可能な壁で、建物の荷重は柱や梁で支えて、荷重を負担しない壁のことを指す。石やレンガなどで支えることが主流だった。
デッサウのバウハウスの建物にもカーテンウォールが使われているし、ベルリンでもHumboldthainにある元AEGのタービン工場跡などがある。いずれも、綺麗に保存されている。
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実は当時、廃墟マニアの私は当然中に入ったし、中庭のカーテンウォールも立派で面白かったのだけど、写真の掲載は控えておく。初期の造りだし、立体駐車場は今の車にはかなり狭いと思う。
そしてこんな状態だったし、取り壊すかどうかの議論も出たものの、最終的にKantgaragenは改築された。外側からの見た目はほぼそのままに綺麗になった。
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しかし、外観は相変わらず地味だ。そうだと知らなければ、そのまま通り過ぎる。
中の様子は下のリンクのような感じ。立体駐車場の名残りのスロープも残されている。今はイベントスペースとして貸し出しをしているので、そのうち機会を見つけて行ってみたい。