足助のおばさんと教育 35
NTTの宿舎
私が中学生だった頃、四国から転校してきた女の子がいて、気さくで可愛かったので、同性にも異性にも好かれるというみなみちゃんのような子がいました。
そのみなみちゃんは、当時はまだ電電公社だった会社の社宅に住んでいて、「うちの電話代はタダなの」と言ってました。まだまだ世事にも疎く、それがいい事なのか特権的な不平等なのか、別に何も気にせずに聞いてました。少しやんちゃな級友たちの間では、みなみちゃんの家に集まって、いたずら電話をかけるといういけないことをしてました。私の家にもかかってきたことがありますが、中学生のイタ電なんて、「母に代わります」の一言で切れてしまいましたが、無視されてないなという、妙な安心感がありました。
時を経て、札幌でシナリオセミナーを受講した時のことです。会場がNTTの研修センターだったことは、いつか書いたことがあります。小説にしたときだったかな。とにかく、NTTの所有する建物に1週間泊り込んだのです。
小学生だった子どもを家に残してきた私は、毎朝廊下の緑電話で「行ってらっしゃいコール」をしていました。札幌から愛知ですから、1週間の滞在ではテレカの残高がなくなって、最後の2日くらいは部屋にある固定電話からかけていました(10人の研修者に対して、一人1室が与えられていました)。合宿の費用として、あらかじめ5万円を支払っていましたが、電話代と冷蔵庫代は実費でした。
そして合宿最終日、それらオプションの会計をする段になってみたら、「行ってらっしゃいコール」が1回7円だったんですよ。テレカでは1回100円ぐらいだったんですが。そこで改めて件のみなみちゃんを思い出したのです。そっかー、初めから固定電話を使えばよかったんだ。
まあ、NTTは民間会社ですから、目くじら立てるほどのことじゃないですが、大いに怒りたいのは大分の教採汚職ですね。やっと誰か口火を切ってくれたと、怒るより感謝したいくらいです。だって、どこも事情は同じですから。この続きは、またいずれ。(2008年7月15日 記)
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