足助のおばさんと教育 76
塩釜神社の坂
塩釜神社(2024年9月6日追記:「塩竃神社」が正解です)と言うのは、たぶん各地にあるんじゃないでしょうか。安産の神様です。芸能人の皆さんは水天宮へ行かれるようですね。大きなおなかを抱えたプレママさんとその家族が、体を気遣いながら行き来しています。
そういう神社の隣に私の出身中学がありました。その神社横の道路の坂の勾配がハンパなくきついんですよ。1年生で入学したころは、ランドセルじゃなくなって手に持つ教科書類も容赦なく重く、私は本当に泣きそうな思いで毎日通っていました。
確か、当時の数学の教師が、学校前の傾斜を計ったところ13度だったそうです。車に乗る方なら、ふつう傾斜を図るときは100メートルの間に何メートル上昇するかを計測して、分度器で計る傾斜などありえないとわかっていただけるでしょう。実際、自分で運転するようになってその坂を下ってみたとき、まるでがけを落ちていくような感じがしました。
初めのうちは、電柱1本進んだら3分休憩、みたいな速度で昇ってましたので、通学にひどく時間がかかったものです。しかし、人間の体は順応するものですね。私は瑞穂区との境に住んでいたので、距離的にも遠かったんですが、1年生の時には1時間以上かかっていた通学時間を3年生の時には30分で行けるようになっていました。たぶんその時、私はこれまでの人生で費やした体力を培ったのだと思います。歩くことは今でもそんなに苦痛ではありません。安産だったのももしかしてそのおかげかもしれないくらいです。
しかし、30年以上も前のトレーニングにいつまでも安住はできないわけで、今日も薫風の中、気持ちよくウォーキングをしてきました。
毎日がこんな風に過ぎていったらどんなに幸せだろうと思います。(2011年6月6日 記)