足助のおばさん in Brisbane 12
さあ、後篇です。
快適なクルーズを終えて、2時半ごろ海岸に戻りました。海岸沿いには観光客目当ての土産物屋が並んでいます。まあ、日本の海水浴場とそう違った風景ではありません。私は1軒のCDショップを見つけて中へ入りました。ABBAのCDを手に入れて以来、夜のお友達はずっとABBAでしたが、そこで私はマイケルジャクソンの2枚組を20ドルで手に入れました。他にもジョンデンバーが7ドルとか超安値で売ってて、私は計4枚のCDを買って、帰りのバスを待つべく、定期バスの停留所でそれらしいバスを待っていました。
しかし、2時間待ってもバスは来ませんでした。最初のオリエンテーリングで「定期バスが遅れることは珍しいことではないから、待っていれば必ず来る」というサジェッションがあったのがあだになりました。あたりの風景をぼんやり眺めて、それにしても遅いな、と思い例の運転手さんに時間と場所を書いてくれと頼んだ紙を取り出すと、時刻は「any buses」でしたが、場所は「Jetty 7」という走り書きが読めました。「Jetty 7」?! 初め私はバス停の番号かと思って、定期バスの停留所を見回りました。しかし、バス停は1から6までで、「7」と言うのはありません。そもそも「Jetty」って何?どこのこと?と思い、土産物屋の店員に聞いてもわかりません。オーストラリアは移民の労働者も多く、地元の事情を知らない店員も多いんです。どうにか「Jetty 7」を探し当てた時にはすでに5時、バスが来るかどうかギリギリの時間でした。さらに待つこと1時間、これはもう駄目だな、タクシーを拾おうと、私は大通りへ居場所を移しました。しかし、タクシーはたくさん通るんですが、みんなお客を乗せてるんですね。空のタクシーは通りません。大通りに面したスーパーマーケットはもう店じまいを始めています。公衆電話もあったんですが、肝心のタクシー会社の番号がありません。私は、その店じまいしているスーパーへ行って、タクシーを呼んでもらえないかと頼んだのですが、答えは「ノー」でした。
しかし、タクシーは通るのです。何か手があるはずだ、と脳みそをフル回転させて考えて、大通りじゃなくゴールドコーストへ戻った方がタクシーを拾いやすいのでは、と思いつきました。
その時にはもうのどもカラカラ、3ドルのミネラルウォーターは高いけど、タクシーをゲットする情報料だと思って、売店で水を買い「I need a taxi!」となかばすがる目つきで言ってみました。すると店員さんは万事承知と言う感じで系列のタクシーを呼んでくれました。
私はツアーのバスで行き来する予定だったので、Shafston大学の住所を知らないままでした。ただ、「カンガルーポイント」というわかりやすい地名にあることだけは覚えていたので、タクシーの運転手さんに「カンガルーポイントのシャフストン大学」と告げると、運転手さんは「カンガルーポイントは知ってるがShafstonは知らない」と言うので、「じゃあ、カンガルーポイントでローカルのタクシーに乗り換えるから、とにかく車を出してくれ」と頼みました。支払いはクレジットだったので、実はいくら払ったのか今もよく知りません。(レシートはとってあるんですが、面倒でチェックしてない)。
ここまでもそうとうドタバタでしたが、最後の難関はローカルのインド人タクシードライバーでした。
カンガルーポイントまで来ると、すでになんとなく見覚えのあるところにタクシーがたむろってっました。日本ではあまり近いところまでタクシーを走らせるのは申し訳ないと思って、初乗りで済むところを1000円払ったりしますが(私だけ?)、ここでも、あんまり近すぎては申し訳ないと思い、1台のタクシーのドアを開け「シャフストン大学だが行ってくれるか?」と尋ねると、案の定「シャフストン?車で行くほどの所じゃないよ。そこに見えてる」と親切に言ってくれました。確かに「Shafston Hotel」のネオンが見えたし、そこは私が毎日通っている地元のスーパーに近いこともわかってました。
しかし、暗い夜道を歩いて大学まで行けるとは私には思えませんでした。2台目のタクシーのドアを開けて同じことを頼むと、今度は快く乗せてくれました。しかし、こちらの運転手さんはひどいインド訛りの英語で、しかも地元のことを知らない人でした。歩いて行けるほどの距離を3度くらい往復したでしょうか。私がやっと「ここがShafstonだ」と言って降りた時にはタクシーのメーターは17ドル程にもなってました。ですが私はおもむろに20ドル札を取り出して「おつりはあなたへの感謝です」と礼を言い、車を降り、無事にマンションのマイルームへ辿り着きました。
しかし、タクシードライバーのインドの青年は「I'm lost!」と頭を抱えておいででした。(2009年9月30日 記)
(元ブログ Whale Watching (後編) (in Australia): Here Come the 足助のおばさん (asukenoobasann.com)