『VOGA/勃我』ができたよ
お世話になっております。ナカチョ改めNORAです。ビートメーカーとしてずっとNORAという名前でやってたんですけど、ここにきてVOGA(勃我)に改名です。改めましてVOGAです。
NORAという名前はなんだったのか、「野良」という意味合いで取られがちですが、僕は意味より先に音を優先しているので、野良とは似て非なるものだったのです。今回のVOGAも音優先な節はあるのですが、勃我という漢字を振っています。意味性はまぁあるのですが、説明は後述します。「勃起かと思っちゃったよ」とよく言われますが、別にそれで覚えてもらっても良いです。勃起です。
つきましては今回、VOGAの新たな取り組みとして、ZINEの発行をさせていただきました。(馴染みのない方のために補足しておくと、ZINEとは出版社を挟まない個人出版の雑誌のことです。同人誌と言ってもいいんだと思う)内容は私VOGAを含めた3人のアーティストによる作品集。アートブックのようなものになっております。僕の近い友人達に声をかけて、実現に至りました。
雑誌のタイトルはVOGA。Instagramから通販サイトに飛べるように作っておりますので、ぜひチェックしてみてください。ビートメイクに伴ってジャケのデザインのためのコラージュとか、Tシャツのデザインなりをコツコツとやっていたんですけれど、それが高じて今に至った感じで。別に成果を出したわけでもないのだけれど、ここ10年自分が地味に色々とやっていたことや、続けてきた趣味嗜好が色んな方向から一点に接続/結実/合流したような具合です。
ここ半年くらいはずっとこのZINEにまつわることばっかやってたので、肝心のビートメイクそっちのけになってしまったのですが、それはそれでオーライです。ZINEは各メンバー10ページを作るつもりだったのですが、気づいたら自分だけで20ページ分くらいイラスト作っててまとめるのが大変でした。僕以外の2人は、スタイリッシュな内容になってますが、VOGAのページは乱痴気騒ぎになってます。是非、ZINEをお手に取っていただければと思います。
参加してくれたフォトグラファーヨシタカくんと和太鼓奏者のリキヤくんは、2人とも10年以上の友達で、3人ともシュルレアリスムが好きという点でひとつ意気投合しました。3人で行った今年の板橋区立美術館で開催された日本のシュルレアリスムの展示も、今回の企画のキッカケになったなと思います。
そんなわけで是非、お手に取って読んで(というか見て)いただければと思います。BASEで販売してるんですけど、ブラックフライデーセールでお得なクーポン出てますので今なら割引で買えちゃいます！何卒よろしくお願い申し上げます。
以下、そもそもVOGA(勃我)とはなんぞやという話を書きますが、読まなくても大丈夫です。
勃我は私が作った言葉で「そそり立つ自我」のような意味合いです。シュルレアリスムやダダイズムが発生したヨーロッパ圏の言葉の音とも通ずるものがあります。「自分以上の自分を観測する」ということでもあります。
なぜそんな言葉を作ったのか。これは現代の(特にインターネットにおける)社会や秩序、そして言葉が持つ意味に対して疑問や恐怖を持ったことに起因します。もっとこと細かくここに書くこともできるのですけれども、全てを記すことが必要なのかどうかが自分の中で固まっていません。
なぜならば勃我は「言葉/意味に対して疑いを持ったことから生まれた言葉」という矛盾があるからです。それらからの脱却が目的だからです。全てを具体的な言葉で伝えることが正しいことなのかどうか。言葉は便利で強靭であるがゆえに、人の認識や感覚を大きく揺さぶるものであります。言葉が、その意味の強さを疑うVOGAの考えを言葉で説明するのが正しいとは思えないのです。だからこの文は読まなくてもいいし、覚えてもらわなくてもいい。という矛盾。
つまりこのnoteは最初からどこか矛盾してしまっている。だからただの雑誌のタイトルだと思ってもらって何の問題もないし、意味のない言葉だと思ってもらっても構わない。そのくらいの距離感の方が丁度良いかもしれない。それほどに「ヴォガ」という言葉は音だけで強烈なのだから。
もし、僕以外の人間が自分の中で「VOGA/勃我」という言葉の意味が何か確立したのであれば、その時はあなたが次号のVOGAに参加してほしいし、それを教えてほしい。VOGA/勃我の言葉の意味というものが、複数の人間の中で合流した時にもっと大きな渦ができるのかもしれない。それほどにVOGAという言葉は野性なる存在なのです。ガオーっつって🦁
