松本清張の小説の舞台30
今日は、中公文庫「突風」の7編である。
「金庫」の主人公は、運送店の事務員である。舞台は、C市(横浜より西寄りにある)・東京である。
表題作「突風」の主人公は、商事会社の総務部長の妻で、夫の情事に悩んでいる。舞台は、大阪・新橋・銀座裏・新宿である。後記の「結婚式」と同種の素材を扱いながら、結果は対照的である。
「黒い血の女」の主人公は、田舎の裕福な財産家出身の人妻である。舞台は、和歌山県海草郡初島町(現・有田市)・椒村(はじかみむら)・刈藻島(かりもじま)・地ノ島・沖ノ島・有田郡湯浅町・黒江・田辺・西牟婁郡新庄村(現・田辺市)・大阪市西区湊町駅前(現・難波駅)・有田郡石垣村(現・有田川町)・那賀郡細野村大字四郷(現・美里町)・有田郡箕島町大字北港(現・有田市)である。
「理由」の主人公は、結婚八年目の妻である。舞台は、伊豆の西海岸の或る町・平塚・小田原・三島である。
「結婚式」の語り手は、新聞社の広告部次長である。元同僚の妻が、夫の情事に悩んでいる。舞台は、関西・田園調布・銀座・牛込・荻窪・代々木上原・修善寺・九州である。前記の「突風」と同種の素材を扱いながら、結果は対照的である。
『「静雲閣」覚書』の主人公は、没落した旧藩主の屋敷を買い取った男である。舞台は、急行が停車する活気のない駅・R市・東京・R町・京都・琵琶湖畔・坂本・安東(現・丹東)である。
「穴の中の護符」の主人公は、半七老人である。舞台は、入谷・吉原・根岸・豊島郡金杉村(現・日暮里?)・下谷区(したやく)・亀戸・深川・日本橋・谷中・芝口町(現・新橋)・品川・長峰六軒茶屋町(現・上大崎)・代々木村・上落合村・板橋・王子川・尾久川・木下川村(現・向島)・中川通・八郎右衛門新田村(現・北砂)・神田六軒町(現・外神田)・八丁堀・浅草馬道町・向島・両国である。