松本清張の小説の舞台16
本日は、新潮文庫、傑作短編集(二)「黒地の絵」より。
「二階」は、印刷業を営む療養中の夫を持つ妻が主人公である。舞台は、東京から二時間を要する療養所(不明)・印刷所の二階(不明)である。この作品は、松本清張の作品の中で特に優れたものだと思う。
「拐帯行」(かいたいこう)は、得意先から債権を回収したサラリーマンが主人公である。舞台は、渋谷・井ノ頭・多摩川・鎌倉・京橋・銀座・東京駅・羽田・相模湾・熱海・博多・阿蘇・日奈久・指宿である。
表題作の「黒地の絵」は、米軍の死体処理所の日本人労務者が主人公である。舞台は、小倉・岐阜・彦島・門司・八幡・朝鮮半島の諸都市である。
「装飾評伝」は、天才画家について調べる小説家が主人公である。舞台は、能登の福浦・新潟・金沢・京都・白耳義(ベルギー)・アントワープ・世田谷・葵橋・青梅・荻窪である。
「真贋の森」は、文春文庫、宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短編コレクション」上巻にも収録されている。舞台は、上野・五反田・朝鮮・F県I市(福岡県飯塚市?)・国分寺から支線で3駅目(不明)・岡山・銀座である。
「紙の牙」は、市政新聞がモチーフになっている。舞台は、温泉町(不明)・R市(不明)である。
「空白の意匠」は、文春文庫、宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短編コレクション」中巻にも収録されている。主人公は、地方新聞社の広告部長である。舞台は、西日本の地方都市・八重洲口・神田の旅館である。
「草笛」は、17歳の見習い職工が主人公である。舞台は、九州のK市・城下町N市・Y川である。
「確証」は、妻の不貞を疑った夫の意外な行動の物語である。舞台は、田村町・新宿・銀座である。