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シャバダと20代。


 人間関係の悩みって尽きないですよね。

 わたし、学生時代から人間付き合いがへたっぴで。


 ゼロからイチを築くのも、へた。
 イチからヒャクに仕立て上げるのも、へた。

 どうにもなりません。
 こんなんでよくここまで生き延びてこられたと思ってます。圧倒的感謝、感謝的生活でございます。


 たいていはゼロのままか、いいところまで行ったけどマイナスになって仲違いか。
 もちろん今でも仲よしな人もいますけど、ほんとに貴重で大切な存在です。


 人間関係がブキヨウなまま、20代に突入。
 シゴト、トモダチ、レンアイ、といろいろなものにぶち当たってきたわけであります。

 悩んで、怒って、泣いて。

 人間関係リセットしてみたり。
 ふと死にたくなっちゃって、やってはいけないことをやってみたり。

 人見知りなのに嫉妬魔で、独占欲さえある。

 ヤバすぎです。ヤバタノオロチ。どなたか首を切り落としてください。
 ひと首切り落としたくらいでは、ムダですよ。アハッ


 だけれども、そんなわたしももうすぐ新しいステージへと移行します。

 歳をとるということです。
 さよなら、キラキラの20代。

 どうにかこうにかわたしが20代を全うできたのは、心の支えである音楽のおかげなのです。


倉橋ヨエコ


 ご存知ですか?

 わたしが彼女を知ったのは19の頃。
 失恋をして、阿部真央をどっぷり聴きまくっていた頃であります。

 貴方の恋人になりたいのです
 ロンリー
 マージナルマン

 同年代の人なら、失恋したら阿部真央を聴くなんて方も多かったのではないですか。

 メンタルが堕ちてるときは、とことん堕ちる。
 これがわたしのモットー。です。

 今も昔も、変わりません。

 そもそも恋愛に疎く、誰かを好きになるなんてこともほとんどなかったので。
 19の恋、わたしにとっての春でした。


 ここまでわたしにとってのヒーローは阿部真央だったわけですが、動画サイトを漁っているときに偶然、倉橋ヨエコの楽曲と出会いました。

 堕ちる、というイメージとはさらさらかけ離れている、ポップでキュートな曲調。明るい声。

 「卵とじ」という楽曲に出会った当初、わたしの中での彼女のイメージはまさしく、ポップでキュートでした。


 その後、「」「」「線を書く」「ここにいる」と曲を聴いていくうちに、彼女の世界観に魅了されてしまい、抜け出せなくなってしまいました。

 彼女の歌詞の中に住まう民のような気の持ちようです。
 わたしのための歌詞?え、もしかしてわたしのこともヨエコが書いてくれたのかな?made in ヨエコ


 当時わたしの中で、ネガティヴな気持ちになった時に、ネガティヴにとことん浸るために聴くアーティストといえば断然、阿部真央でした。

 失恋ソングが多く、それを、友人や片想いの人に置き換えて聴いていると、悲怒に浸るのに心地よかったです。
悲怒ヒドです。ヒドい感情のことです。

 あべまは大変強力な薬ではあるんですが。
 ここでさらに強力な、倉橋ヨエコという頓服薬と出会ってしまったわけであります。


 人は、より強い薬を求めます。

 もう。ちょっとでもイヤなことがあると、摂取。

 イライラしたら、ヨエコ。
 モヤモヤすると、またヨエコ。
 ドキドキしたら、追いヨエコ。

 過剰摂取もいいところです。
 頓服というより、もはや常備薬です。

 気を紛らわせるためのヒトカラに行っても彼女の曲は碌に入っていません。
 そんなときは、あべまで紛らわせます。

 もはや、オーバードーズ


 心の臓の芯まで突き刺すような強烈な歌詞と、脳天まで響くハイトーン

 わたしの心の傷を抉って抉って、グチャグチャにしたところへ、ドロドロのマグマを流し込んで固めたような。

 それがヨエコの治し方です。シゲキテキ

 せっかくなのでこの記事を書きながら、彼女の曲を聴き流ししています。
 彼女のシャバダは一級品です。


 しかし、彼女にはひとつだけ欠点が。それは、新薬開発がされないということ。

 新曲が出ないんです。
 わたしが出会った時にはもう、廃業宣言をして活動終了していました。

 オーマイグッネスなんてことだ
 フワーイジャパニーズピーポー


 でもそんなことはいいんです。
 新曲が出なくたって十分なほど、彼女は多くの薬を開発し、わたしにたくさんの処方箋を書いてくれました。

 心療内科に行けばもらえる薬と違って。

 いつでも、どこでも、何度でも。
 いっぺんにどれだけ
摂取したっていいんです。

 お医者様からお薬を減らされることだってありません。最高の向精神薬であります。うふ。


 てなわけでわたしはもうすぐ20代から30代へステージ移行するわけでありますが。

 倉橋ヨエコの楽曲なしにはこの10年、乗り越えられませんでした。
 わたしのお薬であり続けてくれました。

 彼女の曲がなければ、このnoteも書いていないことでしょうし、今この世に存在していないかもしれません。冗談抜きに。


 お、ちょうど「夏」が流れてきました。

 夏。もう7月ですね、梅雨が明けたら本番です。


 そう、7月
 7月1日の0時の事でありました。おとといです。

 まさかまさか。
 まさかのマッカーサーでございました。

 倉橋ヨエコが。
 ヨエコが。活動再開を宣言したんです。


 廃業して15年。彼女を知って、10年。

 もう、活動することはないだろうと思っていましたから、期待すらしていませんでした。

 諦めとか、そんな気持ちではありませんよ。

 むしろ、新曲が出なくても、今は活動してなくても、世に出された曲はそこに在り続けますから。

 わたしの中でヨエコは、ずーっとずーっと第一線だったわけであります。

 だから、べつに活動再開しなくたって。


 って思っていたから。なおさら驚きました。

 新曲がアップされたわけでも、ライブの日程が公開されたわけでもありません。

 ただ、活動再開を報告するツイートが。


 Twitterのフォロワーさんに、ヨエコ関連で繋がっている方は1人しかいらっしゃいません。

 なのに。
 2人の、興奮に身をまかせたツイートとリツイートでタイムラインは埋め尽くされました。


 ちょっとこの日は仕事になりませんでした。

 会社の売り上げが思わしくなく、夏のボーナスは昨年より減るそうです。

 が、そんなネガティヴを吹き飛ばすほど、ここ10年で最高のニュースです。

 いいのいいのボーナスなんて。

 だって、あのシャバダが。
 新しいシャバダが聴けるかもしれないんだから。


 10代で出会い、わたしの20代をこれでもか、と救ってくれた命の恩人。

 30代も、救っていただく気満々でした。

 なのに、それだけじゃなくて。

 ヨエコの在る世界を生きていけるなんて。

 こんな光栄な、夢みたいなことが。

 夢じゃないだなんて。発狂しそうです。

 ありがとうございます。
 未来のわたし、よかったな!


 さいごに。

 わたしの好きなヨエコの歌「今日も雨」の最後は、このように締められます。


"そんなもんだろう"

倉橋ヨエコ/今日も雨

 人生、そんなもんなんだろうなって。
 この歌を聴くたびに思います。

 いろいろと頑張ってやってみたとしても、
 ま、そんなもんなんです。

 そう思うと気持ちも、スッと楽になります。


 皆さんにとっての特効薬は、どんな曲ですか。

 聴きたいときは、聴くに限ります。
 用法、用量なんてありません。

 たくさん聴いて、もうひとりの自分と向き合う時間を作ってあげるのが、一番効きますから。

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