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例えば、日々の破片

しつこい咳と鼻水に体力奪われて騙しだまし過ごして来た。そのうちママも咳をしだして、
ママの通院時に、先生から
喉が真っ赤ですね~と薬を処方され、私もついでに診て貰った。


私が肺炎になりかけという展開になって
呼吸器内科を勧められ、行ってきた。


この咳と鼻水、肩で呼吸するみたいになって10日、レントゲンや血液検査もして
今まで処方されたものより強い薬を貰った。

なんか改善を感じる!
呼吸が楽、咳の頻度も減った。
でも、薬の副作用なのか頭痛と胃の辺りの気持ち悪さと戦った。


ママはと言うと、
根っからの免疫が強いのか、昔から薬を飲む姿をほぼ見たことがない。
病院も行かない。風邪もひかない。
私が知るのは風邪で病院は二度。
処方された薬は1回飲むと、もういいと飲まなかった。



体力が落ちていて、しんどいけど
ご飯は作らなくてはいけないし、
洗濯物もある。
ママはというと、38℃の熱があって寝るように言ってもテレビを見ると聞かない。



ママが起きていると、色々面倒な事実。
突然、テレビの中の世界に話しかけ、自分が食べているご飯を見せびらかし、思い立って物に触る。



触らずにいられないんだろう。
コップを2センチだけ右へずらす。リモコンを2センチだけ左へずらす。それを繰り返す。


その理由は分からない。
絶えず何かを触り、ずらす音に私はだんだんいらいらとしてしまう。


寝ててくれると助かる、と気づいてから
その存在の影響が私の気持ちまでを左右していることに落胆する。


ご飯を炊いて、料理を作り、ゴミだしをして洗濯し。。。何でもないことなのに
それすらしんどい時がある。
日々のほんの一瞬の破片で、その日機嫌よく居られなくなる。


その原因をずっと
創造しつづけてきたことをママは、
知らない。


なんなら、
そうなの?大変ねと同情する立ち位置から言ってくる。


本人は幸せだろう。
誰から何を思われようが、恥や後ろめたさや、申し訳なさ、無力さなど持たずに生きてきたんだから。


もうママは私の気持ちをこれからの人生の中で気づくことも解ることも、ない。
話しても元々誰かの気持ちを想像することが出来ない性質だし、今となっては誰かの話を理解することは不可能。



それは
とても辛い現実だった。



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咲く麦茶
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