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小川瑠以story ~おれは新人王になる~
1.小川瑠以 誕生🐣
1997年2月19日、東京都世田谷区内の産婦人科で産まれる。
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小さい頃から人懐っこく👶、お姉ちゃんが大好きだったアンパンマンごっこや、シルバニアファミリーのおままごとで一緒に遊んだり、お姉ちゃん子であった。
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地元の小学校に通い、中学からは品川区の中高一貫校に通うこととなった。
しかし、学校での成績は芳しくなかった。
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勉強が苦手だった訳ではないのだが、中学生時代は、「成績不振」「遅刻常習」とやる気の欠片もなく、ただただ漫然と日々を過ごしているだけであった。
学年主任から転校を進められるも、中高一貫校ということで進級はでき、高校生にはなれた。
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2.涙の三者面談💧
しかし高校生になってからも、彼のやる気スイッチが入ることはなかった。
そして、とうとう高校2年生のとき、彼の母親が学校に呼び出された。
そう、「ずんさん」である。
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担任「このままの成績では、るい君は進級できません。」
担任「、、、留年です。」
るい君「えへへ」
彼も呼ばれて同席していたのである。
母親「・・・・・」
絶句である。自分の子供の成績は薄々とは分かってはいたものの、担任の先生に面と向かって「留年」と言われてショックを受けない母親はいない。
さらに担任は母親にこう言った。
担任「お母さん、これにサインしてください。」
担任が母親の前に差し出した書類は、約定書であった。
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そこには
「追試で合格点をとらなければ留年することに合意します」と書いてあった。
母親「先生・・・。 そんな・・・。」
担任は首を振るだけである。
るい少年は、まるで自分のことではないように、母親の隣できょとんと座っている。
、 、 、
、 、 、
30秒ほど経過したであろうか。
母親はその書面に日付と名前を記入した。
その頬には大粒の涙が流れていた。
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なお、母親の涙に感化されたのか、その後の追試験ではほぼ満点に近い成績で進級を決めるのであった。
やれば出来る子「小川瑠以」である。
3.麻雀との出会い🀄️
るい君は、小さな頃からボードゲームが大好きで、特にオセロは「今まで負けたことがない」というほど得意であった。
そんな彼が麻雀牌に初めて触れたのは、中学生の時であった。
母親直伝の家族麻雀から始まって、学校の友達とやったり、少しずつ覚えていった。
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ボードゲームなど、頭を使うゲームが好きな彼が「麻雀」にのめり込んでいくのに時間はかからなかった。
4.雀荘アルバイト🎡
大学に入ってからは自由な時間も増え、さらに麻雀にのめり込んでいく。
夜な夜な麻雀をしては、朝寝坊をし、大学に遅刻をする。朝に弱い彼は、昼頃起きてくることも多々あった。
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大学3年のとき、高校時代からの盟友kai君に誘われて向ヶ丘遊園のフレンズという雀荘で一緒にアルバイトをすることになった。
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最高位戦の麻雀プロであるその雀荘の店長から、るい君は麻雀のイロハを学ぶこととなる。雀荘メンバーとして働いていたのは1年ほどの短い期間であったが、その店長がるい君にとっての麻雀の「育ての親」である。
なお、このkai君に初めて麻雀を教えたのも「ずんさん」である。
「君、センスあるね💁♀️」
小川家で初めて麻雀牌に触れたkai君に、ずんさんが言った言葉である。
ずんさん本人の麻雀力はともかくとして、将来有望な二人の雀士を見極める先見の明があったことは間違いない。
5.突然のナイトコール📱
(大学生時代のおちゃめな話)
トゥルルルルルー
トゥルルルルルー
時計の針が深夜12時を超えたあたりだった
ずんさんの携帯が突然鳴り響いた。
「もしもし?ずんさん?」
るい君の中学時代の友達ショーマからの電話だった。
「どうしたの?こんな時間に!?」
「るいが怪我しちゃって!! 動けなくて大変!!」
「えっ!? 今どこにいるの?」
「蒲田です」
「蒲田のどこ?」
「蒲田の駅前の公園です」
「えっ?喧嘩? やられたの?」
その当時、蒲田=治安が悪い、というイメージを持っていたずんさんは、すぐにチンピラにやられたと思い込んでしまった。
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蒲田の公園に急いで車で向かう。
公園に着くと、友達におんぶされていた。
車にのせ、すぐに救急病院へ向かった。
病院に着いた。歩くことができないるい君はおんぶされたままだ。
看護師さん「事件ですか?事故ですか?」
ずんさん「・・・・。事故、、、です。」
看護師さん「警察へ連絡しましたか?」
ずんさん「いえ、、、。」
「実は、、、」
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ずんさん「缶蹴りで怪我したんです・・。」
看護師さん「ズコーー!!」
喧嘩でもチンピラでもなく、
まさかの「缶蹴り!」であった。
友達5人と真夜中の公園で缶蹴りをしていて、鬼から逃げたときに階段で足をひねったのだ。
診断名「骨折」である。
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大学生にもなって骨折するほど缶蹴りを楽しめる。
こんなおちゃめな麻雀プロ、それが「小川瑠以」なのだ。
なお、この話には後日談がある。
骨折をしたことで自転車で大学まで通えなくなったため、毎朝ずんさんが大学まで車で送っていったそうだ。
そのおかげで、さぼりがちだった大学の講義に真面目に通うようになり、無事進級・卒業ができたという。
まさに「怪我の功名」とはこのことを言う。
いくつになっても子供とは手間のかかるものであり、また親にとって子供はいつまでも可愛いいものなのだ。
(参考写真)保育園児 ⇒ 大学生
あの可愛かった兄弟は、こんなんなりました↓
▢写真(入園式)
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⬇️⬇️⬇️
▢写真(大学生)
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6.るい君との出会い🔔🐥
自分がるい君に初めて出会ったのは、麻雀ベルバードだ。
そこに彼はずんさんと一緒に来ていた。
「母親と一緒に雀荘に来る??」
昭和世代の自分からしたら、麻雀していることを隠すことはしても、母親と一緒に雀荘に来るなど信じられないことだった。
のちのち聞いたところ、ずんさんがどうしてもフリー雀荘に行ってみたい、しかし一人では行きにくい、ということで、るい君が「母の日」のプレゼントとして、ベルバードに一緒に来てくれたということだった。
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彼は、すごく人当たりの良い若者であった。
ベルバードに初めて行った日のことである。
自分自身、雀荘に行くのが久しぶりであり、初めての雀荘にかなり緊張していた。そんな自分に、るい君は気軽に声をかけてくれた。
次の日や、また次に行った時も、彼の方から挨拶してくれたり、遠くの卓に座っていても手を振ったりしてくれた。
通い始めの雀荘でふわふわと落ち着かないところ、るい君のフレンドリーな対応には本当に救われた。
今でもベルバードに通っているのは、最初に彼に出会えたからと言っても過言ではない。おそらく自分以外にもそういう人もきっといるはずだ。
誰とでも自然と仲良くなれる麻雀プロ、それが「小川瑠以」☺️。
7.仕事をやめ、麻雀プロの道へ🕵️♂️
出会った当初、彼はスーツを着て雀荘へ来ていた。
普通のサラリーマンだったのだ。
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しかし、いつしか彼はスーツ姿ではなくなっていた。ベルバードに通うようになってから、麻雀プロになりたいという気持ちが芽生えてきたのだ。
しかし、彼の勤めていた会社は、雀荘に行くことも認められていなければ、働きながら麻雀プロの活動をすることなどもってのほかだった。
そう。彼は、麻雀プロを目指すために、仕事を辞めたのだ。
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これがどれだけ大きい決断か分かるだろうか。
高校時代のように母親が助けてくれるわけではない。
(いや、実際には助けられているが、、)
自分で決断して、自分で頑張るしかないのだ。
だからこそ、彼は麻雀の勉強に没頭した。
麻雀の技術的な面ももちろんだが、ルールやマナー、点数計算などプロ試験に向けてありとあらゆることを努力した。
学生時代の「やる気のない」姿はそこにはなかった。
小川瑠以の「やる気スイッチ」がとうとう入ったのだ。
彼は、最高位戦日本プロ麻雀協会へ入会した。
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プロになって初めてのお仕事は、ベルバードのフリーゲスト。
たくさんのお客さんが麻雀を打ちに来てくれた。
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るい君が主催となって、「都会の雀(とかいのすずめ)」というチームを作り、ベルバードのチーム戦に参加したり、ベルバード3階のセットフロアで「都会の雀リーグ」を開催した。
最近は、麻雀Barや麻雀講師の仕事が多忙になり、なかなかベルバードに顔を出せていないが、彼はいまでもこう思っている。
「ベルバードが麻雀プロの出発点!!」
8.一人ぼっちのデビュー戦🏠
令和3年8月1日。
この日は、「麻雀プロ 小川瑠以」にとって初めてのリーグ戦であった。
そう、彼のデビュー戦だ。
仕事を辞め、麻雀の勉強に打ち込んで、どれだけこの日を待ち望んで来たのであろうか。いろいろと夢見る楽しい期間であったに違いない。
しかし、彼はプロデビュー戦の対局会場へ行くことはできなかった。
新型コロナウィルスにかかってしまったのだ。
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「どうか陰性であってくれ、」
発熱した彼は、病院からの検査結果を待っていた。
昔から試験など大事な時には扁桃腺がはれることが多かったので、今回もそれであってほしいと願っていた。
しかし、予定より1日遅れの病院からの連絡は、、、 「陽性」であった。
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目の前が真っ暗になったであろう。
「今かからなくても・・・」
「デビュー戦打ちたかった!!」
「同卓者や運営に迷惑をかけてしまった・・」
部屋に閉じこもって、落ち込んでいたはずだ。
ただ、将来、タイトル戦の決勝に出る日が来たとして、その時、打牌の選択ミスをして優勝を逃したら、絶対そっちの方が後悔するだろう。
プロになってまだ何も積み上げてないんだから、崩れ落ちるものもない。
それよりも、これまでやってきた自分自身の麻雀、そして、るい君のことを応援してくれている人のことを信じて、これから一生懸命頑張ってほしいと思った。
自分を含めて、るい君に出会ったことで、麻雀や雀荘が好きになった人が沢山いるはずだ。
きっとるい君が気づかないところで、るい君の一声、そして、笑顔がみんなを元気にしてきたはずだ。
君と出会った雀荘でのハンドルネーム。ほんと、ピッタリだと思う。
みんなを元気に、そして楽しくさせるプロ雀士
スマイル小川☺️
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9.決勝の舞台へ🔥
令和5年9月17日(日)、神保町の最高位戦スタジオに彼はいた。
そう、第48期新人王戦の決勝だ。
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本人曰く
「前日から緊張がやばくて、吐きそう。」
と言うように、序盤は緊張もあり、選択ミスもあったかも知れない。
しかし、抜け番あとの3回戦以降、彼の集中力が増した。
アガリに貪欲に、積極的に仕掛けていく
リーチを受けてもギリギリまで踏み込んでいく
随所に決勝に対する彼の意気込みが見てとれた
「勝ちに行くんだ!!」
「自分の手で優勝をつかみ取るんだ!!」
彼の強気な打牌は、そう言っているように聞こえた。
その後も一歩踏み込む強気の姿勢を崩さない。
そして、トータルトップ目で迎えた最終戦の南3局1本場。
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2着目の諌山プロとは9,500点差。
2,500点以上差を広げれば、12,000点以上離れるため、オーラスのマンツモ条件から逃れることができる。
500.1000ツモか2600出アガリといったところか。
9巡目、テンパイが入った。
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4pを持ってきてから、7sを切るまで
ちょうど10秒⏳
だが、迷っていたわけではない。
るい君の心は決まっていた。
「リーチ」
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「いっけ~~!!」
絶対にリーチをかけると思った。
「自分の手で優勝をつかみ取るんだ!!」
この強い意志が、牌を横にさせたのだ。
そして、数巡後、
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高めの2pをその手元に手繰り寄せた。
10.おれは新人王になる( ̄^ ̄)ゞ
運命のオーラスがやってきた。
小川瑠以プロ
諌山隆平プロ
この二人のうち、最終戦でトップを取った方が「新人王」だ!
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小川瑠以プロ・・・47,900点
諌山隆平プロ・・・28,000点
その差は、19,900点
諌山プロの逆転条件は
①倍満ツモ
②跳満直撃
③三倍満以上のアガリ
この3つだ。
赤牌が入っていない最高位戦ルールということを考えれば、リーチに放銃さえしなければ、ほとんどマクられることはないだろう。
しかし、何が起こるか分からないのも麻雀だ。
諌山プロの動向に注意しながら、一巡一巡丁寧に牌を切り出していく。
見ている側は、とにもかくにも諌山プロの手牌に注目せざるを得ない。
11巡目 諌山プロの手牌はこうなった。⬇️⬇️
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リーヅモ発ホンイツ一盃口に裏ドラか一発が来れば、倍ツモの完成だ!!😨
西家の諌山プロは、16巡目までにリーチをかけて、17巡目までにツモらなければならない。
あと6巡で、5sと白(または北)をツモれるかの勝負だ!
12巡目 1m
13巡目 8p
14巡目 6p
15巡目 中
運命の16巡目
諌山プロが引いてきた牌は、6mであった。
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最後は全員ノーテンで手牌をふせて終了。
小川瑠以プロの新人王が決まった!🎉
11.麻雀プロ 小川瑠以☺️
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⬆️⬆️
これは、終局直後の小川瑠以プロの映像である。長時間の対局で疲れた目を押さえただけかも知れないが、きっと激戦を制して新人王になれたことに感極まって泣いているのだろう。
そして、放送対局を見ていたであろう「ずんさん」も涙していたはずだ。
これまで手のかかった息子が、麻雀プロになって、初めてのタイトルを獲得したのだ。込み上げるものがあるだろう。
「私の人生の全ての出来事よりも、この優勝が嬉しかった👩」
ずんさんはそう語っている。
(後に「人生一番はさすがに嘘だわ」と本人より訂正あり)
また、自分も含め、多くの「るい君」ファンが、決勝の戦いでドキドキワクワクさせられ、新人王を勝ち取った勇姿に感動させられた😆
これからも、「麻雀プロ 小川瑠以」としてどんどん活躍していって、みんなを楽しませてほしい😊
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小川瑠以story 〜おれは新人王になる〜
fin
P.S.
そして、「麻雀プロ小川瑠以」の一番のファンであるずんさんのLINEのアイコンでは、今日もかわいい子供たちが笑っている。
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