劇物
20241025
断捨離していたら劇物が出てきた。
その昔、メンヘラ好き男子に「君は硝子細工のようだ」と言われた20代のアケミは、メンタルもお肌も繊細だった。
石鹸や化粧水は市販品がことごとく合わず、手作りするという知恵をつけてからは、食用の高級オイルでマルセイユ石鹸を手作りしていた。鹸化には苛性ソーダという劇物を使う。それが1瓶、未開封で出てきたのだ。
苛性ソーダを購入するには取り扱いのある薬局で身分証を提示し、住所氏名と印鑑が必要。しかし、処分のほうがはるかに大変だった。
ゴミ処理場で聞いてもわからず、ネット検索すると産廃業者に処分してもらったとか出てきた。
薄めて油汚れの掃除に使うようなので、千倍くらいに希釈すると排水溝に流せるらしいが、めんどくさい。
毒物・劇物なので川に流すと捕まるかもしんないし、クエン酸とかで中和するのも怖すぎる。
ほとほと困っていたのだけれど、いいことを思いついた。
手作り石けん作ってる人にもらってもらえないかな?
かくして、見つけましたよ。手作り石けん教室。
電話番号が分からなかったので、直接訪問することにした。
午前中仕事だったので、服も顔もちゃんとしてる。そして私はなぜかやたら女性ウケがいいので、きっと大丈夫! 中身劇物やけど!
かくして、超絶オシャレなサロンで、無事引き取ってもらうことができました!!!
アタシ、ちゃんとして見えたみたい!
若くてキレイなおねえさんに、
「もう石鹸作らないんですか?」
と聞かれたけど、はい、もう作りません。
面の皮が厚くなって、市販品なんでもドンと来いや! という感じになったので。