メキシコの国際女性デーのデモに行ってみた
2020年3月8日、メキシコで人生初の国際女性デーデモに行ってきました。日本にいた時もずっと行ってみたいと思っていたけれど、日本でデモに行くことの敷居の高さ(勝手に感じているだけですが)もあり行ったことはありませんでした。
今年はほかの記事でもあげたように国際女性デーやその翌日の#Undiasinnosotrasの全国女性ストライキなどが非常に話題になっており、友人も多く参加を表明していました。友人の一人がデモを見たいということだったので一緒に行くことに。(外国人の私は「政治運動」には参加できないので、あくまで様子を見に行ったまでです。)
デモのスタート地点はMonumento a la revolución 革命記念塔。オフィスビルや商業施設の多い大通りReformaを通りつつ、Bellas Artes(美術館と劇場)まで到着後、街の大広場Zocaloまで向かうというコースだったそうです。
写真は普段のZocaloの様子。奥に見えるのは建物は大聖堂Catedral。
デモの先頭を切るのは、Femicide(女性が理由での殺人)の被害者の家族や暴力にあった女性被害者、その次は子連れの女性のみ(男性の参加していない)グループ、などとデモを歩く順番が決まっていました。男性の参加を拒むわけではないですが、あくまで主役は女性、また一番声を聴いてもらうべきである暴力の被害者やその家族が先頭を行くべきというポリシーです。
Reforma通りは車両の通行が制限され、多くの人で道が埋まっていました。また通りの交差点にある噴水は赤く染められていました。(これについては別に書いた記事を読んでみてください。女性デーの前日、女性を模した像の噴水の水を血のように赤く染めて、女性への暴力や殺人を非難するプロテスト表現のひとつです。)
https://note.com/nopal/n/n241b4bb27cee
メキシコでは日本に比べ声を上げている女性も、日本の高学歴の人に比べるとジェンダーやフェミニズムについてコンシャスな人の多い印象がありますが、それでも国際女性デーのデモは多くの人が参加するというよりは過激な女性グループ(メキシコでは裸になって女性への暴力を批判するプロテスト活動なども盛ん)が参加するというイメージがあり、今まで一般的にはちょっと敬遠するような雰囲気があった気がします。(あくまで私見です。)
今回のデモも、最近の治安悪化や多くのFemicide事件を踏まえて、デモが過激化、巨大化するといわれており、警察も多く動員され、デモが通る道沿いの店などは一時閉店しているところもありました。
ただ私の見た範囲では、デモは平和的に行われており、性暴力を非難する歌(El violador eres tuなど、詳しくはこちら)や"Ni una menos (性暴力、殺人にあう女性が一人でも少なく)"といったチャントを声に出していました。
警察との衝突がありそうな際は"Sin violencia (暴力はしない)"という掛け声で両方をけん制する動きもありました。
お父さんと娘、男女カップル同士、老夫婦など男性を含めたグループの参加もちらほらとみられました。
ただデモの先頭部分やいくつかのフェミニストグループは特にZocalo周辺で、性犯罪や女性への殺人に対策をとろうとしない政府に過激な姿勢で怒りを示したそうです。(直接見ていないので、報道記事による情報です。)
またZocalo(大広場)では地面にFemicideによる被害者の名前を書くというプロテストも行われました。
(追記:地面に書かれた被害者の名前ですが、デモの次の日には消されてしまったようです。こういうときだけ仕事の早いメキシコの政府にも腹が立ちますね。)
メキシコでは女性に対する暴力非難のシンボルカラーは紫。ちょうどハカランダもメキシコ中で満開を迎えており、デモに参加する女性たちの紫の服とハカランダの紫色の花で街が埋まった一日となりました。
脳みそのごはんの足しにします!(日本の本屋さんに行けないのでKindleで本を買うために使わせていただきます)