#1- 『英語の構造』の3つの前提(全文無料)
記事読了にかかる時間:6分
さぁ、これから言語の構造について学んでいきます!
(こちらの記事で『構造を学ぶ理由』について長々と解説しております。ご興味あればぜひ)
まず最初に『言語の構造』の「3つの前提」を知ってください。
※ 一読して分かると思わないでください。パッと読んでお手軽に理解できる内容ではありません。私たちは「全ての英語に成り立つ普遍原則を解明しようとしている」のです。TikTokなどのようにスナック感覚に学べるコンテンツが時代の潮流ですが、本教材は、ある程度集中して学んでいただく必要があります。
英語に限らずあらゆる学びで重要なのは「一度で分からなくても直ぐに諦めず、何度も読んで理解しようとする姿勢」です。当たり前のようで、多くの人が忘れている勉強姿勢です。一回読んで分からない=この教材は自分には合わない or 自分には理解できない と自動的に決めてしまわず、どうか粘り強く読んでみてください。
分からない部分があれば連絡をください→ hideyoshi.takahashi@noostructure.com
それでは先へどうぞ!
前提① 文章= コア + 飾り
文章は必ず、2つの要素のみで作られます。文章の骨格となる "コア" と それに後付けされる "飾り"です。この世の全ての文章がこの構造です。
例えば
この文章において、太字がコア、それ以外は飾りです。このように、言語を問わず、全ての文章はコアと飾りのみでできています。文中の単語は全て、コアか飾りのどちらかに分類できます。
難しい文章でも確認してみましょう。
今は全て分からなくて大丈夫です。しかしそれでも「英語と日本語の構造、結構似てるな」と思ってもらえれば嬉しいです。同様の意味を持つ日本語と英語では、コアと飾りの構造はほぼ完璧に一致します。例外が無いとは言いませんが、例外は後からやればいいのです。
さて、その「コア」という名前からコアの方が重要っぽいのは分かってもらえると思います。そのコアの何が重要なのか、前提②で説明します↓
前提② コアの”並べ方”で文章の意味が決まる
文章の意味はコアのみで決まります。特にコアの”並び方”で文章の意味は決まります。
ここで重要なのは、コアの並び方は5種類しか存在しないということです。つまり英語には5種類の訳し方しか存在しないのです。
コア自体の種類は4種類(S,V,O,Cと言います)。
コアの並び方は5種類(5文型)です。
(日本語ではそれぞれ4種類、2種類です)。
これ、よく聞く「5文型」のことです。5文型とは、つまりコアの並べ方を教えてくれるものであり、かつ英語の訳し方を教えてくれるものなのです。
5文型は数ある文法事項の一つ、ではありません。「to不定詞」とか「関係代名詞」とかとは、レイヤーが違います。5文型は「英文はたった5種類に分類できて、あらゆる英文は5種類の訳し方のみで対応できる」という英語の前提ルールを教えてくれるものなのです。
(ちなみに作文に対しても訳と同様、「英作文は、5種類の英文の型のどれかに従って作れば良いだけ」です)
5文型、参考書などではサラッと紹介されることが多いですが、実は言語の世界の運動方程式とも言える大発見なのです。万物(全英文)をたった一つの方程式(5つの型)で解き明かせる、というのが5文型の凄みなのです。
しかし「5文型学んでも英語をできるようになりませんでした!」というクレームは多く、それも理解できます。なぜかというと、英語は5文型の枠の中で様々な方法で複雑になる、ように見えるからです。
様々な方法で複雑になるように見えてるけど、実は2種類しか、英語が複雑になる方法はありません。これが前提③です。
前提③ 文章が複雑になる方法は2通り、句・節のみ
まず、文章は単語レベルでしか複雑になりません。英文が複雑になる方法はたった一つ、文中の単語が別の大きな塊に置き換わるだけです。それ以外に文章が複雑になる方法はありません。
さらにこの置き換えられる大きな塊は、英語には2種類しかありません。句と節です。
つまり、どんなに複雑に見える英文でも、S,V,O,Cのどれが句(節)になってるか分かれば、後は最初の2つの前提「コア vs. 飾り」「5文型のどれか」だけで対応できるようになるのです。
これはつまり「単語単位でのみ複雑化」と「単語が句や節に変わるだけ」という2つの規則を知っていれば、複雑な英文も、例えば "I love dogs" のような最も簡単な英文と同様に扱える、ということなのです。
この前提③をマスターすれば「英語って全部同じやん」となります。ちょと失礼なくらいに究極のショートカットを可能にしてくれる大発見なのです。
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前提③と英文法学習
本来なら、「複雑な英語を扱えるようになりたい」時の正しい問いは「英語はどうやって複雑になるの?」なはず。しかし多くの教科書や参考書ではその学びの出発点になるはずの問いがスキップされています。
学びの目的や全体を俯瞰する視点もなく、ただ文法事項を羅列されたら、目の前の学びに疑問を持つのも当然でしょう。「関係代名詞」とか「to不定詞」とか色々出てきも、これら全て、単語を置き換えて英語を複雑にするためのものだ、なんて自分で気がつけるはずがありません。目的が分からないので使えないですし、何を目指せばいいのか分からないので、例文を暗記することになります(もしくはただ諦めます)。実はこれ、先生も分かっていないので、とりあえず例文を覚えさせます。テストにはそれっぽく穴埋め問題にして出してみます。先生も生徒も、文法事項の無秩序な羅列に迷子なのです。
英語は単語、句、節のみで作られていること
英文が複雑になる方法は、単語を句や節で置き換えること。
この視点を入れるだけで、あらゆる文法トピックが綺麗に整理されます。
例えば、動名詞、to不定詞、分詞は全て句です。関係代名詞、関係副詞、疑問代名詞、疑問副詞、関係形容詞、once, as, if, because, as long as, などは全て節です。これらは頻出の文法事項/単語と思いますが、これらは全て「置き換わって英文を複雑にする」やつらなのです。「複雑な英文は全部こいつらが単語の代わりに使われてるだけ」とか「こいつらさへ学べばどんな複雑な英語にも対応できるようになる!」というモチベで学ぶべきなのです。学ぶ方向性が全て統一されて、同時に使い方・使いどころもスッキリハッキリ分かります。
一つ詳しい例をあげましょう。動名詞は、名詞(単語)を置き換えるための句です。「動詞にingをつければ名詞として使える」というだけの話なのです。
2つ目の文章の watching movies は動名詞(つまり名詞の句)ですが、これは上の movies(名詞)を置き換えているだけです。この文章では、一文目の movies と二文目の watching movies の構造的な立場は全く同じであり、根本の意味、つまり訳し方も全く同じなのです。
日本語で見れば一目瞭然でしょう。置き換えても文章に一切影響がないのです。動名詞はつまり「名詞の単語が入るはずのところに、もうちょい沢山意味を詰め込みたいから存在してるのね」と分かるのです。
せっかくなので節にも置き換えてみましょう。
もちろん文章の単語レベルの意味は変わりますが、根本の意味は全く同じです。単語を句や節に変えただけ。根本の構造はそのままです。
この what は名詞”節”です。「あぁ、what も doing と同じように、名詞の単語が入ってるところに、情報をもっと入れたかったのね」という感じです。
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これら3つの前提は、あらゆる文法知識を支える暗黙の了解です。羅列された一つ一つの文法知識の「なぜ存在するのか」「なぜその使い方になるのか」を教えてくれます。
時制や助動詞、冠詞(a, the)などは”飾り”です。なのでコアにくっ付けて使います。それだけです。関係代名詞や to不定詞などは大きい塊(句や節)で、単語を置き換えて文章を複雑にするために存在しています。
この3つの前提は、4技能の全てを支える前提でもあります。4技能の前に「文章を理解する」「文章を作る」という2つの根本的なスキルが存在していて、これらは結局、文章のコアを見つけて意味を把握したり、コアを並べて意味を作ったりすること、そしてそこに飾りをつけること、だからです。
この前提はあまり明確に教えられていません。暗黙の了解として「なんとなく理解されているもの」としてスキップされてしまいます。英語力が(本質的な意味で)高い人はこの三つの前提を無意識に深く理解しています。彼らは(多くの場合は無意識のうちに)これらの前提に基づいて英語を構造的に捉え理解していて、その結果、英文法やフレーズの丸暗記を自然と回避できているのです。極論を言えば、この部分の理解がある人はどんな雑な方法で勉強しても伸びます。英語に関わるあらゆる体験が全て同じ「前提の確認」作業になるからです。
「文法なんていらねぇよ!俺はディクテーションだけで全部できるようになったから!」と主張する人とよく出会うのですが、これは彼らがすでに学習の前提である構造理解を無意識のうちに習得していたからうまくいっただけです。ディクテーションの効果を100%享受できたのは、そして文法を要らないと感じたのは、文法を意識しなくていいほどに文法の大前提を深く理解していたからです。
まずこの3つの前提をハッキリと意識できるようになることで、言語学習を合理的に進めていく準備をしましょう。
本章は以下の3つのセクションを通じて、上記の事実を確認していきます。
#2 - 文章のコア、飾り、そして意味
まず日本語で ①「文章 = ”コア” + ”飾り”」と ② コアの”並べ方”で文章の意味が決まる、 の2つの事実をより具体的に、実践的に示します(②→①の順番で示します)。同時に2つを通じて、英語は日本語と全く同じ構造ルールで扱われていることを確認します。
#3 -文型の扱い方と『英語の構造』
構造を扱う根本的なルールを学び、それを元に、この世のあらゆる英語に普遍的に成り立つ『英語の構造』を導きだします。日本語と英語の構造の根本的な共通点に注目しながらも、特に英語に成り立つ普遍的、かつ実用的な構造を導き出すことで「全部同じやん」をロジカルに理解していただきます。
#4 - 構造の複雑化の仕組み、句と節
最後に ③ 文章は文中の単語が別のパーツに置き換えられることでしか複雑になれない、 という事実を学びます。あらゆる言語で、文章が複雑になる方法・その背景は同じであるという事実を示した上で、英語の文章の複雑化についての普遍的な規則を見出します。
最後までお読みいただいてありがとうございました!
補足:
↓購入しないでください。これ以降文章は続きません。ここで終わりです↓
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