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Mrs. GREEN APPLE×雑誌ライターさん①〜有泉智子さん編〜

突然ですが、みなさんはミセス関連の雑誌を読んでいますか?

もちろん欠かさず読んでるよ!という方
お金の関係でなかなか…という方
正直色々ありすぎて結局買わん。という方

きっとそれぞれだと思います。

かく言う私も、全部揃えるのはさすがに厳しいので厳選して買う派なのですが😂
メジャーデビュー以降これまで発売された雑誌を一時期かなり買い漁りましてですね、まあまあな数を読みまして

ミセスのインタビュー記事を読んでる内に、次第に好きになっていったんですよ。

ライターさんを。

インタビュー記事だからそんなに差はないんじゃないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
意外とそんなことはなくて!!

結構ライターさん色がはっきり出てたりします。

なのでですね、今回から3回に亘り
私イチオシのライターさんを紹介していきたいと思います!(ヒューパフパフ)

このnoteを読めば雑誌を読みたくなること間違いなしです!!(?)


さて記念すべき初回のライターさんは、

有泉智子さん

です!

有泉さんは現在、雑誌「MUSICA」編集長をされており、ミセスをメジャーデビュー時から取材されている方です。

そんな今回は私の独断と偏見で、有泉さんの魅力をピックアップさせていただきました!

それではさっそく見ていきたいと思います💨

※以下の雑誌引用は、全て「MUSICA」掲載のものとなっております。

🍏×有泉智子さん

☆的確な表現

まずはですね、言語化能力の高すぎる的確な表現です。
読んでいて、そうそうそれそれ!と言いたくなるような文章が毎回展開されていて、シンプルに凄すぎます。

特に私が、は〜!となったのは(ちょっと長くなっちゃいますが)こちらの記事たち↓

▶ライヴを観ていて興味深いなと思ったのは、ミセスってキメの時にフリをつけたり、エンターテイメントとしての楽しさをライヴで表すってことを意識してるし、メンバーはそれができてると思うんですよ。でも、真ん中にいる元貴くんは、それをやりながらも目が全然笑ってないんだよね。
「ははははははは!確かに、自分でも映像を見て凄く思うんですよね、『こいつ全然楽しそうじゃないじゃん!』って(笑)。でも楽しい時は凄く楽しいんですよ。嫌々やってるような感じじゃないんですけどー」
▶いや、嫌々やってるとはまったく思わないんだけど。ただ、この人にとって音楽はエンターテイメントではなく、切実な表現なんだなっていうことを、あの姿とあの目を見るともの凄く強く感じるんですよね。
「あぁ………なるほど。それは今言ってくださって初めて気づいたことですね。エンターテイメントだと思っていたんですけど、それはきっと飴玉の話じゃないですけど、そういう策略のひとつなんだろうなって、今気づきました。きっとそうですね、自分の中では表現なんだと思います」

2015.8月号

▶それこそ最初のインタヴューで私はミセスの音楽のことを、カラフルにポップにシュガーコーティングされてるんだけど、でも実は真ん中の部分は凄く苦いしドロドロしてるよねって言ったんですがー。
「その説明を受けた時は、本当にそれがすべてを言い当てていると思いましたよ(笑)」
▶それってつまり、ポップスにすることが武器であると同時に、自分を守る盾でもあったと思うんですよ。でも、今はちょっと構造が違うよね。
「そうですね、ポップスの形を借りようとは思わなくなりましたね。なんだろうな……たぶん、自分の奥底の苦い部分を、今は昇華できているんだと思います。(中略)前は全部が『ひねくれてんじゃねーかお前!』って感じだったから、素直に出すことができるようになったのがちょっとびっくりですよね(笑)」
▶うん、なんか3回転くらいして素直になってる感じがする(笑)。
「ははははははは。自分は今まで、そのヒネくれていた部分を武器にしていたところもあるし、陰の部分というか捻じ曲がった部分を自分でも理解はしていたんだけど、今回は本当に自然とやってて。そうやって作った時に曲が持っているエネルギーが減ってたら嫌だなぁと思ったんだけど、でも結果的に書いてみたら全然エネルギーあったんですよね」

2016.12月号

▶作家によっては、こういう自分の中に渦巻く非常にパーソナルな想いを曲にすること自体にカタルシスを感じる人もいると思うんだけどー
「なるほど!」
▶元貴くんはそうではないんだね。
「……僕はどんな作家なんですかね?そこが自分でもまだわかんないかな」
▶これは私の推論なんですけど、人間や世界の暗部や悲しみ、苦しみや痛みも曲として提示するけれども、でも最終的に音楽というものは誰かにとっての苦ではなく、聴き手に救いや喜びや楽しさを与えるものであるっていう美学が元貴くんには強くあって。だからこそパーソナルな心の内をただダイレクトに曝け出すものはその美学から外れる……ということなのかなと思ったんですけど。
「ああ……大正解だと思います。ほんとにそうだと思う。なんでエンタメ要素の強いものがあるのかとかも、たぶんそうだと思うし」
▶だからこそ"Attitude"は曲調はとてもポップで喜びに溢れた、聴いた人が楽しいと感じる曲に仕上がってるんだと思うし。
「あ、面白い!そうかもしれない。最初の頃のインタヴューで、甘いコーティングをされたようなって話があったじゃないですか」
▶デビュー時、『Variety』のインタヴューの時だよね。ミセスの音楽はシュガーコーティングしたキャンディみたいだっていう、最初は可愛くて甘くて食べやすいんだけど、実はその中には苦味も毒味もある。言い方を代えれば、見た目を可愛いくすることで、誰にでもその苦味を食べさせちゃおう!みたいな音楽だって話を私がしたんだけど。
「そう、あれはまさにそうだと思って印象に残ってて。それの至高だと思うんですよね。その一番強い、ラスボスくらいのレヴェルが"Attitude"な気がしてて。逆に言うと、それくらいやらないと商品化できなかったと思う」

2019.10月号

▶ただ近年一失礼を承知で言いますけど、伝えるのが上手になったというよりも、もしかしたら不器用さが極まった結果、凄くダイレクトに出せるようになったんじゃないかなという気がしてて。
「あはははは、そうかもしれない(笑)」
▶取り繕わずに表現するようになったなという印象はあるんですよね。
「わかります。自分の中で決定的な感覚の違いはあるんですよ。当時は貰えないものに対して嘆いている感覚だったんだけど、逆に『じゃあ与えるってどういうことなんだろう?』と考えた時に……昔はね、こういう曲を作ってるってことは僕はかなり愛ある人間なんじゃないかってマジで思ってたんだけど、果たして本当にそうなんだろうかっていうところにぶち当たったんですよね。いろんな出会いと別れがある中で、自分は大事なところが欠けてるんだなっていうことに気づいたというか……理屈とかそういうんじゃなくて、本当に身に沁みてわかってしまった。けど、それがわかったからといって、後悔するにはもう遅い瞬間もたくさんあって。それが人生だよっていうんであれば、めちゃくちゃ面倒くさい人生じゃん!みたいな(笑)」

2022.12月号

▶まあでも、こういう曲を出したと思ったらその次に真逆のタイプの曲を出したり、全然ジャンル感が異なる曲を出したりっていうのは今に始まったことじゃないけどね(笑)。ただ以前と違うのは、フェーズ1の時の振り幅の広い出し方はもうちょっと戦略的だったと思うんですよね。
「ほう、なるほど、面白い!」
▶でも今は、そうじゃないよね。
「必然的なものであるっていうことですよね」
▶そうそう。前との対比でどうとか、この次にこれ来たら面白いでしょ?とかじゃなくて、そういうこと関係なくこれを出さなきゃいけなかった、表現の必然としてこういう流れになっているということ。内実はどうあれ、以前の元貴くんは、少なくとも表向きには『こう振ったら面白いんじゃないですか』って言える感じがあったと思うんですよ。
「わかる。その時はプロデューサーでしたからね。もちろん今もそういう側面はあると思うし、この曲が異質だっていうのもあるんですけど。でも確かに今言ってもらったように、この曲を出さなきゃいけなかった、作らなきゃいけなかったっていう必然性は今までとは段違いだと思いますね。さっき『これが最後でいいと思えるくらいのものを書きたかった』って話をしたけど、実際に今もこの曲が最後でいいと思ってるんですよ。こう言うとみんな不安になっちゃうかもしれないけど、別に解散するわけじゃなくて、そのくらいの楽曲を書いてしまったなっていう感覚がある」

2022.12月号

▶なるほど。確かに人は環境に左右される生きものだから、満たされていけばいくほど、尖っていた部分が丸くなっていく側面はあると思うんですけど。ただ元貴くんが持っている辛辣さって、よくある10代の不平不満みたいなものではなく、生きるということであったり、人間と社会というものを凄く俯的に見た上での辛辣さであり尖りであると思うんですよ。だからそこに関してはきっと、この世界全体が非の打ちどころがないくらい素晴らしいものにならない限り、絶対に失われないと思いますけどね。
大森「ああ、その意見は凄く正しいと思います。その通りですね。でもそれと同時に、やっぱり自分自身に対する不満とか、誰かに対する不満とか、そういうのも当然あるから。アリーナでライヴがやりたいのになんで自分は今そこを埋められる実力がないんだ!とか、そういう苛立ちとかも当時はあったわけですよ。でもそこから大衆に少しずつ認められるようになっていったり、求めてくれる人がちょっとずつでも多くなっていく中で満たされる部分は少なからずあって。僕自身の中でもやってることに対する自信と内容、評価みたいなものがちゃんと比例してきた気はするしね」

2023.8月号

▶ね。ただ、〈死にたい今日〉を抱えている人は決して少なくないと思うし、普段はポジティヴな人でも、ふとした瞬間にそう思ってしまうことだってあるわけで。生きることを肯定しようとするのであれば、生きることの中にある負の部分から目を背けてはいけないし、どうにも生きることを肯定できない状況にある人もいるということをちゃんと踏まえた上で肯定しないとダメだと思うので。
大森「そうそう、本当にそう思う。僕らは圧倒的に希望を歌うから強いのではなくて、圧倒的な絶望を握っているから強いんだという自負がある。それはどんだけバンドがキラキラしようが、活動が上手くいこうが、まったく関係なくて。僕らのそういう部分が伝わるきっかけになる楽曲なのかなっていう気は凄くしますね」

2023.8月号

▶私が凄く本質的だと思った理由はふたつあって。ますひとつは、昔から元貴くんはブロードウェイのようなことをやりたいっていう話をしてくれてたじゃないですか。音楽を主軸にしつつ、ブロードウェイだったりディズニーランドだったり、そういう大きなエンターテインメントを作りたいんだっていう話を初期の時点からしていた。その現時点における最も本格的な、そして極めてクオリティの高い音楽劇を遂にこのタイミングで体現したということ。要は『なんか思いついちゃったからやった』というものではなくて、ミセスとしての長年の構想が実現したものであるという。
「あ、そうですね。そっか、そこからの話だったら確かにそうですね」
▶そしてもうひとつーこちらのほうが強いんですけど、私があのショーを観て一番凄いなと思ったのは、全曲リアレンジを施していたとはいえ、作った時期としては様々な楽曲で構成されているにもかかわらず、ちゃんとひとつのストーリーになっていたことなんですよね。あれって、ここまで作ってきた楽曲の中にちゃんと通底する哲学とメッセージがないと、ああいう形で一編の物語として編み直すことはできないと思うんです。しかも、音楽劇という形を取ることによって、ミセスの楽曲の根底にある哲学、想い、メッセージが、より露わになっていて。たとえば"ダンスホール"の冒頭をアカペラで歌ったじゃないですか。あの曲って凄く楽しい曲なんだけど、でも何故あの曲が楽しいものになっているのか一別に今がめちゃくちゃ幸せだったり楽観的だから楽しい曲ができるのではない、その裏には日々生きている中で抱えている孤独や不安、悲しみがあって、だからこそ、このバンドは"ダンスホール"を鳴らすんだという、その本質の部分が、あの劇の流れの中でアカペラで歌うことによって凄く浮き彫りになっていたと思うんです。そういうシーンが凄くたくさんあった。"ツキマシテハ"の元貴くんの絶唱もそうですし。だから私は「The White Lounge」を観ながら、ミセスが「世界は素晴らしい」、「愛してる」と歌う時は、「この世界を素晴らしいと思いたいんだ」、「愛したいんだ」という凄く切実な願いと温望が表裏一体で存在しているんだよなと改めて強く感じていたんですけど。……と、ひとりでペラペラ喋ってしまいましたけど(笑)。
「いやいや、嬉しいです!」
▶とにかくね、Mrs. GREEN APPLEというエンターテインメントの奥には何があるのかということが、「The White Lounge」を観ていてもの凄く感じられたんですよね。それで、凄く本質的だなと思ったんです。
「ああ、それはよかった!さっき僕が言った『奥行をつけたい』っていう意味は、まさにそこなんだと思います」

2024.6月号

この一連の言語化能力半端ないですよね。
大好きです。(シンプルに)


続いてはですね、

☆もっくん(大森さん)との関係性

こちらなんですけれども。

有泉さんって基本的にはですます調でインタビューされているのですが、
たまーにもっくんの返しを聞いて友達みたいなフランクさで反応されてたりだとか、長年の関係から踏み込める質問・投げかけだったり、逆にもっくんが有泉さんに対してすごく信頼しているんだろうなと感じるところもあったり
なんだかお2人の信頼関係がめちゃくちゃ素敵だなぁと個人的には感じている訳ですよ。

その中でも特に!っていうものをピックアップしていきたいのですが、
まずは有泉さんのフランクな反応から。

▶バンドストーリーというもの自体に、人は魅せられるからね。
「そうそう、本当にそう思うので。その中で二十歳になった時に一度また新しい始まりを迎えるというのは、なんとなくイメージにあったんです。ちょっと話がズレちゃうかもしれないけど、メジャーデビューして僕が髪にパーマをかけたり、"サママ~"の時に茶髪にしたりしたのも、二十歳になった時にストレートの黒髪で自分がドシンといるイメージがデビューする当時からあったからなんですよね」
▶マジで!?最初からそこまで考えてたの?
「マジで(笑)。それこそディレクターに『え、茶髪にすんの?』って言われたんですけど、その時に『二十歳になった時に黒髪にして1回振り出しに戻りたいんです』ってちゃんと話もしていて」
▶︎………なんか凄いね。
「そもそもドラムは女の子がいいとか、キーボードはしっかりした人がいいとかも、自分のヴィジョンにあったものだし。その延長線上に二十歳という節目があって。……バンドとしてストーリーを描いていきたいという意識があるからこそ、Mrs. GREEN APPLEはずっと変わり続けるし、曲もずっと同じ方向性ではダメだと思ってるところはあります。なんか、バンドとしての進化ってとても人間味があるなぁと思うんですよ」

2016.12月号

▶日がどこかで昇って、そして同時にどこかで落ちている。つまり始まりがあれば必ず終わりもあるし、消えてもいく。そうやっていろんな人生、いろんな社会が重なり合って、連なって、止まることなく続いていくっていう感覚は、元貴くんの原点に強くあるものだと思うんですけど。
「確かにそうですね。とても原点に戻る感じの時期でもあって。1月の末ぐらいに書いてるので……1月の中旬に僕ら成人式に行ったんですよ」
▶あ、そっか……。
「納得しました?」
▶納得もしたし、まだ成人式の年齢なんだよなぁと思った(笑)。
「はははははは。成人式に行って、やっぱりいろんなこと思い出したわけですよ。中学の頃って、一番どうしようもなかった時期でもあるし、自分が音楽に対してとても深く関わってた時期なので」

2017.5月号

▶ "PARTY"も"Love me~"の流れでできた曲なんですか?
大森「そうですね。でも、実はこれは結構勢いで作った曲で。30分でできたんですよ」
▶30分!?でもこれ、組曲的な、ブロックごとに違ったタイプの音楽観が展開していく、かなりブログレ的な構造の曲で。ジプシー音楽的なニュアンスからチェンバーポップ、ピアノバラード、そしていかにもミセスらしいアッパーロックまで、全部が詰め込まれたような曲なんだけど。これをたった 30分で作ったの?
大森「そう(笑)。逆に嘘っぽいから言わないほうがいいよって大人から言われてるんだけど(笑)。Aメロはこういうイメージ、Bメロはこういうイメージ、サビはこういうイメージって作っていって辿り着いたというよりは、最初から作るものが明確にあって。ロックなミセスが好き、EDMが好き、バラードが好き、ポップが好きって言ってくれる人達みんなが好きな曲を作ろうと思って、だったら全部入れちゃえ!って作った曲なんですよね」

2018.5月号

続いて、有泉さんならではの投げかけ集!

▶つい先日、二十歳になったということで。感慨はどうですか?
「そんなに変わってはいないんですけどね。でも正直『やっとか!』みたいなところはあるかもしれない。若さって切符ではあるけど武器だとは思っていないから、『10代なのに凄いね』って言われても全然ピンとこなかったんで。そういうレッテルがなくなってスッキリしてます。自分の中で意図していない謳い文句とか肩書きがちょっと取れた感じがするというか」
▶人生的にはどうなの?
「えっ、人生的に?」
▶うん、ひとりの大森元貴として。
「うーん……心の部分はわからないけど、生活の部分では充実していますよ。友達と普通にご飯行けるようにもなったし、メンバーともプライヴェートの部分を凄く大事にするようになりましたね」

2016.12月号

▶最後にひとつ訊きたいんですけど、元貴くんは自分の進んで行く設計図をちゃんと描いている人じゃないですか。そういう意味では、こういうアルバムができて、今日話してきてくれたような気持ちに自分がなっているということは、設計図通りのことなの?それとも予想以上?
「はははは、面白いこと訊きますね(笑)。でもそうですね……ここまで明確には描いてなかったけど、でも逆に言うと、一番最初のヴィジョンにやっとちょっと近づいた感じなのかもしれない」

2017.2月号

▶よくわかりました。最後に敢えて非常に抽象的なことを訊きますが、今の元貴くんにとって生きるということって何なのかと問われたら、どんなふうに答えます?
「ええええぇ!?それは本当に難しい!自分が生きるということは……いやー、それは本当に今の僕にとってはデカい問いですね。でも何かを信じたり、誰かと繋がりを持ったり、ひとりではないと思えることがあるから人は生きるんだろうし…………たぶん、それを答え合わせしたいから"Soranji"を書いてツアーを周るんだと思うんですけど………うーん、自分にとって生きることか………けど、今の僕にとっては試練ですね。(中略)だからそう考えていくと、自分にとって生きることっていうのは学ぶこと、そして赦すこと、みたいな感じなのかなぁ。今言えることとしてはそんな感じがします。あとは正直、まだ全然わかんないっていうのが素直なところ(笑)」
▶ありがとう、また何年後かに同じ質問をさせてください。
「はい(笑)」

2022.12月号

▶正直クオリティに関してはまったく心配していないというか、どんなものを見せてくれるのか、聞かせてくれるのか、楽しみでしかないんですけど、本当に身体だけは気をつけて欲しい。1月に突発性難聴の診断を受けていましたが、今は体調は大丈夫ですか。
「大丈夫です。慣れたと言ってしまうのもどうなのかって感じだけど、まあ慣れたっていう感覚かな。(中略)それにもちろん、回復してきてはいますしね。だから自分の体調と相談しながら無理なくやるしかないなと思ってるんだけど、その状態でもツアーを成功させることができたから、自分の中での水準を上げてしまった感じはある(笑)」
▶まあ、元貴くんは常に水準を上げていってますからね。でも本当に、無理せず、休める時はちゃんと休んでくださいね。表現に対する貪欲さとか行動力とか、ものを作り出していく情熱とエネルギーに関してはもう疑いようもないんだけど、自分のこともちゃんと大事にね。
「ほんとですよね、それは思いました。そういうことに改めてちゃんと気づくっていうのも含めて、大事なことだったのかなって思ってますね」

2024.6月号

そして、有泉さんに対してすごく信頼を寄せているんだろうな〜と感じる、もっくんの反応がこちらっ

▶大丈夫。というか、最高のプロローグをもらった気持ちになりました。完成を楽しみに待ってます。
大森「本当に有泉さんと話すの楽しみ。そういうアルバムです」
▶それはつまり、掘り甲斐があるということね。
大森「そう。たぶん話が尽きないと思う(笑)。そういうアルバムになると思うので、楽しみにしててください」

2023.6月号

▶今の話はとても腑に落ちるものがありました。このアルバムの音楽性って、もはやMrs.GREEN APPLEの音楽としか言いようがないものになっているんですよね。元貴くんは"ANTENNA"のジャンルがわからないって言ってたけど、私はこのアルバムのジャンルがわからないもん。
「うわ、嬉しい!有泉さんがわかんないの?」
▶うん。もちろん一つひとつ紐解いていけば、この曲のこの部分は何で、それとこれが混ざってとか、そういう分析はできるんだけど、総体としてひとつのジャンルに定義できるものではない。
「マジ?めちゃくちゃ嬉しい」
▶定義できるとしたらポップミュージックっていうことになるんだろうけど、Mrs. GREEN APPLEという呼び名をつける以外にない作品だよね。
「それ、もの凄く嬉しいわ。その言葉、今年に入って一番嬉しいかも。というか、それを有泉さんに言われるのが嬉しい。僕からすると『何そのジャンル?』って思うようなジャンルをたくさん知ってる人なのに」

2023.8月号

☆レポートの素晴らしさ

最後は、レポートです!!

雑誌ではインタビュー以外にも、インタビューの前説のようなものがあったり、フェスやライブがあればレポート(レビュー)を書いて下さったりしているのですが、
それがすんんんごい素晴らしいんですよ。

的確な言い回しに、綺麗な表現の合わせ技と言いますか、とにかく有泉さんの文章が大好きで。

なので、ここでは特に好きなものを抜粋してみようと思います!

ミセスの音楽は、楽しい。抜群にポップでカラフルで、ダイナミックな躍動感に溢れたそのサウンドからは、陽性のエネルギーがドバドバと溢れ出してくる。でもその一方で、ミセスの音楽は苦しい。みんなで盛り上がることができるこの音楽の真ん中にあるのは、けれどぽっかりとした孤独で、そこには常に虚無と葛藤と焦燥と不安が渦巻いている。安易な希望を信じることはできなくて、でも輝く未来を諦めることもできなくて、自分ひとりではどうしたらいいかわからなくて、だけどそんな気持ちを誰かと分かち合う勇気もないーミセスは、そんな少年少女に向かって旗を振る。こんな世界で生き抜くために、こんな世界で自分達の未来を築くために、共に行こうと手を伸ばす。全曲の作詞作曲編曲を手がける大森元貴は、たぶんそうやって他ならぬ自分自身に向かって手を伸ばしているんじゃないかと思う。

2016.2月号

(※NOAH&Atlantisについて)
かつて大森は「僕は子供の頃からブロードウェイのミュージカルみたいな煌びやかなショービズの世界とか、ディズニーランドみたいなものに凄くワクワクした気持ちを持っていて。あの感じを自分でも表現したくて自分なりの表現方法をずっと探していった中で、音楽に出会った」と語ってくれたことがあったが、まさに壮大なミュージカルを観ているかのようでもあった、あるいはMrs.GREEN APPLEが創り上げた完璧な夢の国に誘い込まれ、彼らと一緒に旅をしているかのようでもあったこのふたつのライヴは、しかし同時に、ただ楽しいだけではない、どこまでも深くリアルな感触を持って心の一番奥深いところにまで響き、魂を揺さぶられ、大切なことに気づかされるような体験でもあった。それは、ミセスの音楽がいつだって生きていくということの真実に気づかせるような、そこに目を開かせるような説得力のあるメッセージを放っているからこそだと思う。闇を知っているからこそ眩い光を、孤独を知っているからこそ強くあたたかな愛を、ミセスは歌い鳴らし続けている。

2023.10月号

(※The White Loungeについて)
そもそもミセスが「この世界は素晴らしい」と歌う時、その背景には「素晴らしいと思わせる世界になってくれ」という心の叫びがある。あるいは、ミセスが「愛してる」と歌う時、そこには「愛して欲しい」という願いが、そして何よりも「愛したいんだ」という切なる欲求がある。そういった、Mrs. GREEN APPLEというバンドが、そして大森元貴という表現者が、音楽を紡ぎ歌い奏でることの根源にあるものが、その表現の本質が、「The White Lounge」という音楽劇にすることによってとても切実に生々しく伝わってくるものになっていたと思う。

2024.4月号

(※ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~について)
"CONFLICT"までの前半6曲のセクションは、ポジティヴとネガティヴを激しく行き来しながらジェットコースターのごとくオーディエンスの感情に揺さぶりをかけることによって、目の前に集う一人ひとりが抱えている日々の息苦しさや胸に渦巻く嫌な感情をひとつ残らずすべて今ここに吐き出させ、解放させようとするかのような選曲&構成になっていた。この世界に対して深い失望と絶望を覚えるからこそ強く眩い光と希望を、拭い去れない孤独と哀しみを抱えるからこそ溢れるほどの愛と喜びを、追い求め歌い鳴らしてきたミセスだからこそのアプローチ。そういうセットリストの流れを辿ったからこそ、"CONFLICT"の終盤に強い声音で歌われた〈僕らの抱いたこの夢は/誰のものでも無く/「私」のものだ〉というラインは、心の底からの実感をもって、あの場にいた人の胸に響いたのではないかと思う。そして、さらに言えば、感情の解放を経てそれを実感したからこそ、モンスター級のヒットソングを次々に歌い放っていった"青と夏"以降の中盤セクションにおけるスタジアムの爆発的な熱狂に、さらなる拍車をかけたところは確かにあったのではないだろうか。

2024.9月号

なんか、いいですよねぇ…(語彙力)
ミセスの核心をついた文章の表現力が、私は大好物です。

☆番外編

ここではですね、シンプルに読んでて面白かったものを抜粋しようかなと思います😂

▶前よりも楽しそうに歌うようになったよね。
大森「本当ですか?まぁ前は目が死んでましたもんね(笑)」
▶うん(笑)。みんなに説明すると、初めて元貴くんにインタヴューした時、「ミセスのライヴは楽しさをひとつのテーマにしてるのに、なんで元貴くんはあんなに目が死んでるの?」って訊いたんですよ(笑)。
一同「ははははははははははは」
大森「映像で観ると、まだ目は死んでるんですけどね(笑)」

2016.7月号

▶で、最後は元貴くんなんだけど、元貴くんのパーソナリティは今までのインタヴューでいろいろ聞いてきたので、今日は4人から見た大森元貴はどういうものなのか訊きたいんだけど。
4人「⋯(1分以上の沈黙)」
大森「えっ、そんな出てこないものなの!?」
藤澤「うーん、正直わかんないんですよね、あんまり。いろんな顔が思いつくので。二十面相みたいな感じ(笑)。ひとつは『おふざけ元貴』?」
若井「あと『かわいらしい元貴』もあるかな」
山中「『達観してる元貴』もあるよね」

2016.7月号

▶今も次の作品に向けて曲を作ってるんだよね?元貴くんは曲を作っていたが故に今日2時間しか寝てないって聞いたんだけど(笑)。
大森「そうなんです(笑)。でも、もう終わりました!」
一同「えっ!?」
大森「次の作品に向けての曲は、もう大体作り終わったので」
藤澤「…いや、でも、元貴だけ勝手に終わった気になってるけど、僕らはまだまだこれからだからね(笑)」

2016.7月号

▶そうやって『Unity』を作り、7月8日にぴあアリーナMMで復活ライヴにして現体制での初ライヴを行う一方で『Soranji』を作り、そして『ゼンジン未到とリライアンス』のツアーに出たわけですが、年末に『ゼンジン未到』のライヴを観た時に。バンドとして凄くしっかりしたなというか、「フェーズ2を走っていくバンドの肉体を手に入れたんだな」と思ったんですよ。もちろんぴあアリーナMMのライヴも素晴らしかったけど、『ゼンジン未到』は華やかな演出を排してシンプルにバンド自体で魅せるツアーだったこと含め、新しいMrs.GREEN APPLEの肉体みたいなものをしっかり見せられたと思うし、自分達自身でも明確に掴めた感触があったんじゃないのかな、と。だからこそ、若井くんが言ったような区切りになったんじゃないかなと思ったりもするんですけど、そう言われてどう思います?
若井「••••••••••そうかもしれないですね」
大森「え!何、そのあやふやな感じ!?」
若井「いやいや、まさにおっしゃる通りだと思います(笑)」

2023.6月号

以上で、有泉さん編は終了したいと思います!

どれだけ魅力が伝わったかはわかりませんが笑、
何か少しでも感じていただけたら本望です😌

あと、樋口さんと布施さんのnoteを書けたらいいなぁと思っているのですが、
何せ書くのに時間がかかるもんで😂

またコツコツ書いていこうと思いまする。

長々としたnoteをここまで読んで下さりありがとうございました🙌🏻

皆さんも、良き雑誌ライフを😎

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