![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/48711012/rectangle_large_type_2_f11609c5fa85e296ee36dd5cf48c0a1d.jpeg?width=1200)
目・衛星・観測データで観た霧
こんばんは、nooooon(@nooooon_met)です。
1.目
昨日の朝、枚方で霧が発生していたそうです。
めっちゃ霧でてる【枚方フォト】 https://t.co/YqIH84ypqr #枚方 #ひらつー
— 枚方つーしん (@hira2shin) March 25, 2021
記事によると、朝になってからもまだもやもやした状態が続いていた模様。
2.衛星
ここで、気象衛星で観測された画像を確認します。まず、トゥルーカラー再現画像(※5)を見てみると・・・
※1
大阪府や京都府、奈良県のあたりに、あまり動きのない白い領域が見られます。
※2
一方で、赤外画像を見てみると・・・
※3
トゥルーカラー再現画像で捉えられていたような白い領域は見られません。
※4
赤外画像では雲を捉えられる(上空にある雲ほど白く表現される)のですが、ごく低い雲や霧といったものは地表面と区別がつかなくなるという特徴があります。
トゥルーカラー再現画像では白く表現されているということで、衛星画像からも、この領域には霧(あるいは、霧に近いかなり低い雲)があった言えそうです。
また、冒頭の記事は枚方(=大阪府内)に関わるものでしたが、衛星画像からは、「それなりに広範囲で霧が現れていたのかも知れない」ということも分かりました。
3.観測データ
そこで、気象庁による地上気象観測のデータを確認してみます。
ここで豆知識ですが、気象庁は、大気中の小さな水滴等の影響で視程(見通し)が1km未満になっている状態を「霧」と表現し、そこまではいかないけれど視程の悪い状態(10km未満)を「もや」と表現しています。
まず、大阪のデータを見てみると、明け方~朝の時間帯に「もや」が観測されていました(記事欄の「=」が「もや」を表しています)。ただし、霧は観測されていなかった模様。
次に、奈良のデータを見てみると・・・明け方~朝に「霧」が観測されていました(記事欄の「三」が「霧」を表しています)!さらに、「もや」は10時ごろに解消していたようですが、これはトゥルーカラー再現画像で白い領域が消えていく様子と整合しています。
ということで、目・衛星・観測データと、さまざまな面から霧を観てみました。
ちなみに、トゥルーカラー再現画像は明るくなった時間帯しか参考にできませんが、夜間は「Night Microphysics RGB」画像で霧を判別できたりします。
(「Band」のドロップダウンメニューで「Night Microphysics RGB」を選択すると見れます。)
今回も見てはいたんですが・・・画像を保存しておくの、忘れてしまいました。残念。
そんな、今日このごろ
※画像は気象庁HPから
1→https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#6/34.153/137.087/&elem=color&contents=himawari&interval=long
2:一部、線を加筆→https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#6/34.153/137.087/&elem=color&contents=himawari&interval=long
3→https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#6/34.153/137.087/&elem=ir&contents=himawari&interval=long
4:一部、線を加筆→https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#6/34.153/137.087/&elem=color&contents=himawari&interval=long・https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#6/34.153/137.087/&elem=ir&contents=himawari&interval=long
5→トゥルーカラー再現画像は、ひまわり8号・9号の可視3バンド(バンド1、2、3)、近赤外1バンド(バンド4)及び赤外1バンド(バンド13)を利用し、人間の目で見たような色を再現した衛星画像です。本画像は、衛星によって観測された画像を人間の目で見たように再現する手法(参考文献[1])によって作成されています。この色の再現過程において緑色を調節するために、Millerらによる手法(参考文献[2])の応用として、バンド2、3、4が使用されています。また、画像をより鮮明にするために、大気分子により太陽光が散乱される影響を除去するための手法(レイリー散乱補正)(参考文献[2])が利用されています。
この画像は、気象庁気象衛星センターと米国海洋大気庁衛星部門GOES-Rアルゴリズムワーキンググループ画像チーム(NOAA/NESDIS/STAR GOES-R Algorithm Working Group imagery team)との協力により開発されました。また、レイリー散乱補正のためのソフトウェアは、NOAA/NESDISとコロラド州立大学との共同研究施設(Cooperative Institute for Research in the Atmosphere: CIRA)から気象庁気象衛星センターに提供されました。関係機関に感謝いたします。
【参考文献】
[1] Murata, H., K. Saitoh, Y. Sumida, 2018: True color imagery rendering for Himawari-8 with a color reproduction approach based on the CIE XYZ color system. J. Meteor. Soc. Japan., doi: 10.2151/jmsj.2018-049.
[2] Miller, S., T. Schmit, C. Seaman, D. Lindsey, M. Gunshor, R. Kohrs, Y. Sumida, and D. Hillger, 2016: A Sight for Sore Eyes - The Return of True Color to Geostationary Satellites. Bull. Amer. Meteor. Soc. doi: 10.1175/BAMS-D-15-00154.1