地形性降水
こんばんは、nooooon(@nooooon_met)です。
今日は前線を伴った低気圧が日本海を北東に進み、本州の広範囲で雨が降りました。特に、徳島県や高知県では約120ミリの1時間降水量が観測されて『記録的短時間大雨情報』が発表されたほか、徳島県では『顕著な大雨に関する情報』が発表されるような状況となりました。
顕著な大雨に関する徳島県気象情報 第1号
2021年09月08日11時19分 徳島地方気象台発表
徳島県南部では、線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いています。命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっています。
(※1)
『今後の雨』の実況値(解析雨量)を見てみると、3時間降水量300ミリと、『顕著な大雨に関する情報』の発表基準のひとつである「解析雨量(5kmメッシュ)において前3時間積算降水量が100mm以上の分布域の面積が500km^2以上の領域内の前3時間積算降水量最大値が150mm以上」を十分に満たしていました。
※2
(高知県でも同じ条件は満たされていそうですが、同情報は発表されず。真偽は確かめられていませんが、土砂キキクルや洪水キキクル関連の条件が満たされなかったのでしょうか。)
さてここで、※2では徳島県や高知県に寄った画像を示しましたが、もう少し広範囲を見てみます。
※3
昨夜から今朝にかけての画像を示しました。
日本海から九州地方にかけて、低気圧や前線近傍のまとまった降水域が見られますが・・・それとは別に、紀伊半島の南東側や四国地方の太平洋側で、継続的に雨が降り続けていることが分かります。
「低気圧や前線からはまだ遠いのに、なぜ?」となりそうですが、以前、このような雨についての記事を書いたことがありました。
「地形性降水」と呼ばれるものですね。
地上天気図で等圧線を見てみると、紀伊半島の南東側や四国地方の太平洋側に対して、(前述した)低気圧や前線に向かった南寄りの風が吹きやすい状況となっていたように見受けられます。=~
※4
地上天気図を見たときに、「低気圧や前線が通過する」=「雨が降る」と読み取るだけではなくて、想定される風の向き等も踏まえて「〇〇でも雨が降るかも・・・」と予想できたりすると、面白みが増すんじゃないでしょうか。
(さらに一歩進んで、地上天気図だけではなく上空の天気図(高層天気図)なども見るようになったら、気象予報士への道が開けていくかもしれません。)
そんな、今日このごろ
※
1:気象庁HP掲載情報から引用→https://www.jma.go.jp/bosai/information/#area_type=offices&info_id=20210908021923_0_VPFJ50_360000&format=text&area_code=360000
3:画像は気象庁HPから→https://www.jma.go.jp/bosai/kaikotan/#lat:33.504759/lon:129.265137/zoom:6/colordepth:normal/elements:rasrf&slmcs
4:画像は気象庁HPから→https://www.jma.go.jp/bosai/weather_map/