見出し画像

広報のKPIを考えて調整していくためのヒント

今月は、月1noteを書き始めて丸4年。そしてその記念すべき初回記事を、各所で「読んだ」とお声がけいただき恐縮した月でもあった。


改めて読み直し、4年前の自分はそこそこちゃんと言語化をやっていたな。そう思う一方で、4年後の今、進化しているのかな、という不安もある。
むしろ、広報以外をめちゃくちゃやって、広報業務に深みが出てきた4年間だと自分は考えているけど、、

調子に乗って、無謀にも、今日はちょっと大きいテーマにトライしてみようと思う。
永遠の課題のひとつ、広報のKPIについて。ただ、誰もが頭を抱えるようなテーマなので、いずれ完全版の記事を書き上げることを目指し、今日はヒントの言語化を。


まずは、知られて「どうなりたいか」を考える

広報でとても大事になるポイントなので、改めて今回も書く。
知られることを目的としていたら、KPIがいずれ非現実なものになってしまうと予言したい。知られることは経過であるとして、その先に本当に狙いたいことがあるはずだ。

正直なところ、広告も出さず、すぐどこかに取り上げられてバズを起こし有名になることはほぼない。特にB向け事業がメインの会社において。
広報を魔法のように考え、KPIを記事掲載数やPV、シェア数に置き、しかも達成が大変そうな数にて設定してしまうと多分本質を失ってしまうので、早い段階で周囲との期待値を調整しておく。

ちなみに、フォロワー数やバズなどにおいて、必ずしもポジティブ感情から数が増えるのではない、ということを知っておくと良い。
例えば、犯罪を起こしてシェアされる記事は、望むバズなのか、を考えてみると良い。「本質を失う」というのはそういうことである。


結果の数よりも、アクション量や回数を定める

さて、KPIというと何か活動の結果の数に置くことが多いと思うが、広報の立ち上げ初期段階においては「アクション量・回数」に置くことをすすめたい。
要は、メディアへの記事掲載数よりもプレスリリース発信数とか、問い合わせ数よりもブログ本数とか、

言ってしまえば、コントロールできる目標とも言える。そんな範囲でいいのか、と思われるかもしれないが、広報立ち上げにおいてはまず何かしらのアクションをやり続けることの方が大事だ。
アクションを決めた背景には仮説があるだろう、やることがブレると、仮説を検証する材料も揃わないし、もちろん仮説検証はできない。自分たちに合う施策を見つけるまでが遠のく。

施策0→1フェーズはまずやることが大事。理想を求めるのは1が安定的にできるようになってから。他社の成功事例などに影響されたりして、質を追いすぎると続かない。
やらねば何も進まない、ちょっとしたきっかけでフローがなくなりかねない不安定さはわかる人にはわかるはず。

そしてこの期間が、おそらくそれなりに長くなる。要は「広報をやっているけど、結果が出ていないように見える」期間。担当者はこの期間、手応えのなさや、自分の職責のあるべき論と実際のギャップ、そして理解されていないと感じる周りからの視線に苦しむはず。


かけるコスト分、何をしたら経営側は満足か

KPIの話から少し外れるが、上記の「広報をやっているけど、結果が出ていないように見える」期間をどういう環境にて過ごしていくかはとても重要だと考える。
先述した通り、やることがブレると仮説検証できず、自分たちに合う施策を見つけるまでが遠のくほどの、大事な期間。かつ、担当者目線ではとても辛い環境をじっと過ごすことになるので、はやる気持ちはわかるが、ここで担当者を追い詰めるほどのきつい(結果重視の)目標設定を強いることはあまりおすすめしない。

ひとつの考え方として、その広報担当の人件費はじめ、広報にかかるコストを必要経費ととらえ、「どう過ごすと最も納得がいくのか」を考えることを推奨したい。例えば、受注金額的なリターンを出してコストをカバーするという考え方ではなく、コストありきでその人にどう動いてほしいか、という考え方である。
(もちろん、広報業務を通じて中長期でリターンは得られるのだが、おそらく派手にわかりやすく得られた感覚がないはずなので、そうであれば必要経費・維持費的に考えた方が健全では、という提言である)

広報の目的に合い、かつ自社にあった施策を探すために細く長く続けることが重要である。それは継続的にやってもらいつつ、もしリソースが余って「これをやってほしい」という違う期待も経営側が持っているなら、広報担当に伝えてあわせてやってもらうと良いと思う。
広報担当側からも、こういうことができます、広報担当側からしてこれはやるべきだと思います、という提案ができると尚良いだろう。
ちなみに私の場合、人事業務に使うことが最も適切なリソースの使い方+自分が得意とする貢献の仕方だと考え、しばらくそのように動いていた。

経営者目線では「かけるコストに対しこのくらいのリターンが欲しい」という期待値は必ずあるはずなので、その話が真っ向からできていれば、余計な気遣いや察しなどがなくなるぶん、広報担当者のやりづらさは少しだけ減るような気がしている(真っ向から聞く方がしんどい人もいそうだけど)。


パターンが見えたら、質を測れるKPIを決める

そしてここまできてやっと、「質」「結果」に近いKPIが機能すると考えている。
淡々とやり続けたことで、自社にあったやり方やパターンがみえてきているはずなので、「そこではじめて」これまでの回数や量よりも、質に近いところでKPIを定めていく。

ここに至るまでに早々と、質に関するきつめのKPIを置いてしまうので、大概の場合はうまくいかない可能性が高そうだ。

質に関わるKPIだと、人により感覚などが異なってくるので、基準や、粒度の定義などをできるだけ言語化しておくと良い。

また、質を数値などに置き換えて、いくつかの指標のかけ算で考えるケースもある。
記事掲載も、同じ媒体でも「事業に関するポジティブ報道」か、「スキャンダルなどのネガティブ報道か」で全く異なるので、ポジティブとネガティブ、媒体のパワー、ターゲットが読んでいるか、掲載ボリューム(放送時間)などで掛け算して算出するやり方などがありえる。


今回、自分の目標設定が少し「質」よりに変化したことで発見もあり、大きめのテーマでまとめてみた(皆が悩んでいるポイントでもあるので、自分の考えを発信することにちょっとどきどきもしている)。また発見があったら整理して発信していきたい。


#広報  #PR #PublicRelations #広報KPI #ひとり広報 #広報立ち上げ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?