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「広報を理解されない」中で、動きやすくしていくための考え方

今の会社に入り5年と少し。広報だけでなくバックオフィスチームもなかった中、ようやく広報の体制をつくり、ある程度の社内協力体制が築けたと言えるところまで来ることができた。
まだまだ足りないところはあるものの、少なくとも私の広報としての知識や可能性に頼ってもらえるようにはなっている。5年もかかるのか、と思うとしんどくもあるが(また同じことをやれ、と言われたらやれる自信はあまりなかったりもする、汗)。

今までの広報立ち上げ活動で学んだ考え方は以下。これらはぜひ、昔の私に教えてあげたいものでもある。


部分最適発想では、広報は「手間」

そもそも、部署ごと、社員の方ごとの部分最適で考えると、広報に情報を集めることは「手間」であることを忘れてはならない。
なぜなら、広報活動はわかりやすい結果には直結しにくく、その中でも将来の成果を高めるため「投資する」要素が強いためである。

それぞれの社員の方がそれぞれの役割の中でスピードを保って動いているからこそ、広報活動のためにワンクッション挟まるのは煩雑に感じられている。ルールとして課されていて、納得感がないならなおさら。そういう状況は大いにあり得る話だ。


「この人は役に立つ」で情報は集まる

情報は役立つところにわざわざ流すものである。もし自分に役立つとわかってもらえれば、スピードが落ちても一手間かけて教えてくれるはずだ。スピードを優先しすぎて広報に情報を流す暇がないのは、正確に言うならば、広報のことが理解できなくて体感できるメリットには(今は)なってなくて、情報を流す対象になっていないからである。

「広報に情報を流すといいことがあるよ」を作り、信頼関係をつくることが大事になってくる。

とはいえ、広報の意義までいくとわかっていない方も多いはずなので、初めはその人の目先でなにかメリットを提示していく。「人手が足りてないところを手伝う」とかなど、いくつかあるはず。
私の場合は、たまたま初新卒を受け入れたタイミングで新卒研修を他社とご一緒するご縁をもらって参加することができ、それがひとつ成果として認識してもらうことができた。それが入社半年〜1年の頃である。

ただ、こういう貢献の仕方だけでは広報職の理解は進まず、単に都合のいい人になるだけではある。なので、後述する方法などで広報職の理解を求めることも必要になる。


社内インフルエンサーを増やす

「広報という仕事が会社の(特に将来において)大事で、広報に情報を流すといいことがある」ということを理解していくれる人を増やし、その人からも口添えいただくことが大事になる。管理職や、社内で信頼を集めているようなキーパーソンだとなおよし。
協力者が増えれば、何かフックとなる情報(察しやすくなる情報)をもらうなどもしやすくなる。

広報が挟まる必要性をわかってもらい、協力者を増やすには、広報という仕事の理解をしてもらうことが必須になる。折に触れて、細切れにでも、広報という仕事や自分の考えなどについて伝えていくことが欠かせない。
これは、「広報担当人数の少なさ」「社内で広報理解がなかなか得られないこと」から必要性も少なく、意外とできてない人もいるのではないか。

とにかく「一人でなんでもやろうとしない」ことは大事である。
見渡してみたら、広報のすべてに理解はなくても、一部でも理解をしてくれるならその人には大いに協力者になってもらおう。


役割や肩書は結果。広報業務への評価にすり替えない

人により、広報の浸透の度合いとして、役割や役職やよい肩書などが与えられることを基準として捉える人もいるだろう。
私も比較的そのような捉え方をしがちな人間だが、こういうものは与えられるものではなく、自分が掴むものなんだと、社会人歴11年かかってやっと気づくことができた。

たぶん、認められたいとか、称号が欲しいと思ううちはそういう称号はもらえない気がする。称号で自信をつけるような人には称号はこないし、称号を目指して仕事をしてはいけない。
もちろん、広報の価値をこれらで決めることもしてはいけない。

先回りとか、ミス拾いとか、影ながらの努力とか、泥臭い調整とか、そういうのをやったあとに称号的にもらえたりするだけである。さらに言うと当然ながら、必ずもらえるとも限らない。

そうなると、称号ではない別の、広報や会社に対する強い使命感やビジョンやモチベーションがないと、広報活動を貫いていくことが難しいと予想される。


ソリューションがあれば不安感は減る

広報活動を貫くためには、「広報とはこうあるものだ」「自分の会社・組織はこうあってほしい」をもっと強く固める必要がある。
そこで大事になるのが、広報の基礎知識。

自分にソリューションがないから不安なのであって、解決できるソリューションが自分にあると思うなら、強い気持ちで対峙していけるはずである。
そういう意味で、外に学びに出たり資格を取ったりすることはすぐできることだし非常に効果的だ。私も、数年かけて外に学びに出ていたが(多い時で月8回くらい勉強会やセミナーに行っていた)、これが今の自分の下支えになっている。

知識をつけた後は、「心健やかに」、先回りやミス拾い、泥臭い調整などを通じた自信や成功体験をつくること、これに尽きる。心健やかに、がポイントである。

情報をくれないなら、最初は自分から情報を拾いに行く。広報の掲載報告や働きかけに反応がなくても気にせず、そういうものなのだと考え、くじけず言い続ける。
知識の下支えをもとにすれば、これらをやり続ける心理的負担が減るはずだ。

(ちなみに周囲の反応を、広報理解を得られているかの指標としてしまうとしんどいものである。ただ、実はここはくじけず言い続けるほうが本質である。私はこれに気づいてから、だいぶ割り切れるようになった経験がある)


広報を挟むというルール・仕組みだけを敷いても守らないというのはあるあるで、既成事実をルールにしていくほうがはるかに楽である。
このnoteに書いてきたアクションを第一歩として、広報活動が捗るような既成事実を作り、各社の広報活動がスムーズにいくようになることを願ってやまない。


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