能力値を消費して成功を買うPasskey SRDとは。
前回の記事で、ダイスロールではなくリソースを消費して成功を購入するタイプのゲームをいくつか気になってメモした。
他にもジャーナリングRPGで利用できそうなシステムがないかなーということで探してみて、このPasskey SRDを見つけた次第です。
さて、どんなシステムだろう??
Passkeyシステム
Passkeyシステムは、ソロRPGをはじめとした色々なスタイルのTRPGを制作するためのSRDです。ジャンルや世界観は製作者が自由に設定できます。
ボードゲームとは異なり、TRPGにおける「勝利」は、魅力的な冒険を共有し、思い出に残るキャラクターを作り、そして何よりも楽しむことを忘れないでください。
※なお、この文章は筆者が解釈しやすいようにかなり文章や用語に手を加えています。そのまま引用せず、しっかりと自分の目でSRDの内容を確認してください。
■ このSRDの特徴は?
パスキーシステムは、TRPGに関わるすべての人に、可能な限り多くの創造的な扉を開くことを目的としています。プレイヤーの主体性、カスタマイズ性、物語中心のロールプレイングに焦点を当てることで、それを実現しています。
ほとんどのTRPGでは、物語上重要な行動の成否をキャラクターのスキルセットと能力値によるダイスロールやカードドローによってランダムに決まります。パスキーシステムはそれに加えて有限のトークンやリソースと引き換えに成功を得るシステムも用意されており、プレイヤーは任意に判定方法を切り替えることができます。
判定システム以外では、キャラクター作成、世界構築、ゲームメカニクスの設計など、さまざまな場面でカスタマイズを可能にするツールも提供しています。
■ 基本ルール
パスキーシステムでは、以下の4つの能力値の使用を推奨しています。
《体力度》:強さ、持久力、意志力を表します。
《知性度》:知識、知恵、洞察力を表します。
《器用度》:敏捷性、スピード、バランスを表します。
《社交度》:魅力、愛想、自信を表します。
各能力値の値は、EP(努力ポイント)の最大プール値として機能します。EPはゲーム開始と同時に4D6ポイント分のEPが割り当てられ、どれかの1つの能力値に割り当てたれたEPが0を下回ったら気絶するか死亡します(ゲームのトーンによります)。
またゲーム毎にスキルや特性を用意することを推奨しており、用意がある場合はスキル3つ、特性2つ(有利・不利あわせて)を初期のキャラクターに持たせましょう。習得できるスキルの最大数は8、特性の最大数は4です。
■ 行動判定
パスキーシステムの行動判定はダイスロールと、EPを消費して成功を購入するの2つの選択肢が存在します。
◆ EPを消費して成功を買う
行動に関連する能力値のプールから、任意のEPを消費します。
3EP = 完全成功:問題なく行動は成功します。
2EP = 部分成功:行動は成功しますが、『問題』が1つ発生します。
1EP = 小成功:行動は成功しますが、『問題』が2つ発生します。
◆ ダイスロールで成功を得る
能力値に関係なく、行動する際に1D6を振ります。
1 = 行動は失敗し、『問題』が2つ発生します。
2 = 行動は失敗し、『問題』が1つ発生します。
3 = 問題は発生しませんが、行動は失敗します。
4 = 行動は成功しますが、『問題』が1つ発生します。
5 = 問題なく行動は成功します。
6 = 問題なく行動は成功し、【天来】のコンディションを得ます。
◆ ◆ 問題
行動の結果として発生する予期せぬ問題、挑戦、障害のことで、ゲームの展開を(劇的に)変える可能性があります。その性質は、グループ内で話し合ってギミック的な意味合いを持たせるか、物語的な意味合いを持たせるかを決定します。もしくはD66を振って内容をテーブルから参照することも可能です(SRDを参照してください)。
◆ ◆ 有利な行動判定 / 不利な行動判定
物語の状況によって、行動判定が容易になったり、不利になったりすることがあります。便利なアイテムを利用したり、物語的にキャラクターの体調がすぐれなかったり……。その場合に、GMは「有利」もしくは「不利」を行動判定に当てはめることができます。
有利な行動判定:EPコストが-1、ダイスロールの結果に+1
不利な行動判定:EPコストが+1、ダイスロールの結果に-1
◆ ◆ コンディション
特定の状況下においてキャラクターに適応される効果で、有利な効果もあれば、不利な効果もあります。また、物語的にも効果を及ぼせます。
以下は、基本的なコンディションです。
【活性化】:キャラクターは元気を得て、次のレストまで汎用で利用できる1D6ポイント分のEPを得ます。
【天来】:感動するような出来事を目の当たりにしたり、耳にしたキャラクターは次の行動判定が必ず有利な行動判定になります。
【妨害】:キャラクターは移動することが困難になったり、身体の一部が拘束されたりしてしまいます。その妨害が影響する行動判定は、すべて不利な行動判定になります。
【怪我】:キャラクターは身体的、心理的、感情的な傷害を負います。回復するまで、その怪我の影響を受ける行動判定は、すべて不利な行動判定になります。
【硬直】:キャラクターは完全に動けなくなり、問題が解決するまで、一歳の移動ができなくなります。
【意識不明】:キャラクターは倒れて動けなくなってしまいます。回復するまで、一歳の行動が行えなくなります。
■ レスト
キャラクターは1日休息するか、適切な休息を取ったとGMが判断した場合、1D6ポイント分のEPを得ます。それを能力値に割り振ることで回復を図ります。各能力値の値以上を割り振ることはできません。
■ 戦闘
状況を引き起こした者が一番最初に行動し、あとは物語の状況に従います。敵の個体データはなく「脅威」としてキャラクター全体に1D6ロールの結果を適応させます。一度適応させた後、すべてのキャラクターが2回行動を実行したら再度「脅威」がロール可能になります。
ダメージはすべて【怪我】のコンディション付与として扱われ、キャラが装備できる防具の数値は【怪我】のコンディション付与を阻止できる回数として表現されます。
ダイスロールをもう少し、能力値とかに関連付けても良いのでは?と思ったものの……基本的には天を運に任せる扱いみたいです。
個人的には、敵の攻撃や脅威にさらされてキャラが倒れるのではなく、あくまで自分で能力値を使い切って倒れるという自責タイプ的な考え方にも興味を持ちました。
能力値をリソースとして判定するのって……日本ではファイヤードがあった気がしますが……あれはもっとボドゲちっくだったような気もします。
どうでしたっけ??