【ソロジャーナル】Exclusion Zone Botanist プレイログ
⚫︎ 作品紹介
■ へクスマップを探索し、植物をスケッチしよう / ジャーナリングRPG
「Exclusion Zone Botanist」でのあなたは、立ち入り禁止区域に入り込める植物学者。ゲーム内の1時間ごとに、あなたは立ち入り禁止区域の暗い森の奥深くまで歩いていき、新しい植物や珍しい植物を探す。発見したら立ち止まって、説明と名前と一緒にノートにスケッチ。だが、立ち入り禁止区域だけあって、長く止まれば止まるほどに発狂(もしくは腐敗?)するらしい。
スケッチブックを持って生還できるだろうか?
2022年リリーズ後にアップデートでミニサプリメントが同梱され、珍しい植物の特徴の数が 2 倍になり、各プロンプトが拡張されて日記を書くためのプロンプトも追加された。元々は植物をスケッチするだけだったのに、ジャーナリングRPGとして遊んでいる人が予想外に多かったようだ。
私としては、至れり尽くせり。
【ソロジャーナル】Exclusion Zone Botanist プレイログ
◾️ No.0
◾️ No.0-TRANSCRIPT
私の名前は、目黒・B・トミキチ。
今回は、この「EZ」(封じ込めゾーン502-H)内で新種の植物が生えていないか調査のために派遣された植物学者である。
「EZ」は、植物を演算や通信インフラに応用する技術の実験を行った成れの果てだと言われていた。
だから、「EZ」内では電子機器がまったく使用できない。まさか、2094年になって、インクによる手書きが記録手段なんて……。自分の字なんて久しぶりに見るよ。 Infil/Exfil ポータルの時計は「05:00」と表示されていた。
健康状態は良好、検査キットも陰性。
◾️ No.1
◾️ No.1-TRANSCRIPT
1 >> 06:00
Infil/Exfil ポータルから近い地点で、奇妙な植物を発見した。この辺は調べ尽くしたわけじゃないのか?
最初に気づいたのは、囁き声だった。昔の地図によれば、緑地発電システムの試験場近く。でも機械は動かないし、調査しているのは私だけ。
その後で目にしたのは建造物? それも他の建造物と比べて植物の侵食具合が少ないと思いながら近づいたら、縮尺がおかしかった。
腰ぐらいの高さで規則正しいシンメトリーのように群生している植物。枝というか茎が交差して、教会のような外観を形成していた。『チャペルラクチャー』と名前を付けることにした。
そうそう、囁き声は聞き取れなかったけど「Flosculus」と脳裏に浮かんだよ。
『チャペルラクチャー』
全体的な大きさは中くらい(人の腰ぐらいの高さ)
花は付いていない
葉の形はOVATE。
葉の枚数は7枚。枝(茎?)に対して左側3枚、右側4枚。
葉の配置はOPPOSITE。ただ、全体の下部にのみ葉が生えている。
その枝は生命体ではなく、遠目から建造物(主に教会)と誤認する。
葉同士の擦れが、囁き声のように聞こえるかもしれない。
◾️ No.2
◾️ No.2-TRANSCRIPT
2 >> 07:00→08:00
また、奇妙な植物を発見した。昔の地図によれば、旧植生実験地農園……緑地発電資源化に失敗した“異端植物”のみを研究する場所。最後は、庭園として一般開放されていたそうだ。今回の植物は、朽ち果てた門のすぐそばに生えていた。
赤色の目立つ潅木で、枝も葉も花すら赤い。似ているとすればスパイアリーナ・カントニエンシスだ。えーっと、だから『アカデマリ』と名付けよう。
どんな匂いがするか鼻を近づけたら、視界はボヤけるし、足元もおぼつかなくなった。しばらくマスクを付けたら、症状は改善されたんだけど……。
時計を見たら、「08:00」!? まさか、フィルターが効かない未知の幻覚作用の匂い?
『アカデマリ』
手鞠のような赤い5弁花が、球体状にまとまって咲いている灌木。
葉の形はORBICULARだが、鋸歯状でもある。交互に違う種類の葉が生えている。
葉の配置はALTERNATE。枝は弓形にしなっている。
花からなのか、葉からなのか、未知の幻覚作用の匂いを発しているかも。危険。
◾️ No.3
◾️ No.3-TRANSCRIPT
3 >> 09:00
それは、植物ではなく……言い表すとしたら“現象”を発見した。昔の地図によれば、ここは神社を誘致すべく整地した場所。ソコが死体を投げ込む穴場となっていた。しかも、白骨と化した者達から花が生えているのだ……骨の花が。
これが、過去の調査員の記録に残っていた『森をもらってくる』という現象なのだろうか? 正気を奪うだけでは飽き足らず、肉体も、骨格もこの場所は奪ってみせるというのか?
でも、もしも自分の身体が植物に侵食されたら、一体どんな色の花を咲かせるのか……少し興味があるのは確かだ。
荷物の軽量化の一環として、黒色のインクしか入っていない。もう少し色が欲しい。筆記用具なんて博物館にあるような者だから仕方なし?
中央の黄色い毛玉状のナニかから、骨が花や葉、茎のように生えている。
まるでLycoris radiata。でも全体が青みがかっている(骨が)
◾️ No.4
◾️ No.4-TRANSCRIPT
4 >> 10:00
新しい植物をまた発見した。昔の地図だと、ここは3つの河川に囲まれていたらしい。今は折れてしまっているが、かつて世界一の高さを誇る電波塔があったようだ。
その植物は、商業施設の廃墟に生えていた。細長いブラシ状の部分に、鮮やかなオレンジ色の実が付いている。しかし、熟れすぎて地面に落ちた衝撃で実から飛び散った液体が、周囲の植物をことごとく枯らせていた。それとは逆に、小動物の死骸は石鹸のように滑らかな像状になっている。
小動物の像がある周囲を掘り返すと、根のような物が地中を張り巡らされていた。なるほど、菌従属栄養植物の一種なのかもしれない。この植物自体は自分の腐食性で枯れているようには見えなかった。『ヨルシミカズラ』と名付ける事にした。
『ヨルシミカズラ』
巨大なコケのようにも、やたら細長いブラシ状の姿をしている。
葉の形はLINEAR、葉の配置はOPPOSITE。
鮮やかなオレンジ色の実が付いているが、花は確認できなかった。
熟れた実は、無臭だった。
自身で腐生菌を生み出せる能力があるようだ。
◾️ No.5
◾️ No.5-TRANSCRIPT
5 >> 11:00
適度に休憩をしているが、そろそろ立ち入り禁止区域に入って6時間だ。飲み水が心配になってくる。昔の地図だと、かつて国技をするための専用会場があったようだ。水の心配をしたのは、川を見たため。その大きな川沿いに、奇妙な植物が咲いていた。
最初に気づいたのは、かなり強い青い光。それが川沿いをなぞっているように見え、付近に近づくと電圧が切り替わるような甲高い音が聞こえてきた。
電源が生きているのかと思えば、発光源は、その植物自体!? 確か、光を吸収して自己発光するように植物のDNAを改良するナノマシンがあったはずだ。これは、野生化したプロトタイプ? まさか自家発電まではしてないよな??
『サン・ガーデン・コンデンサー』と名付けることにした。
『サン・ガーデン・コンデンサー』
植物の高さは、人間の腰ぐらい。類似しているのはNicotiana tabacumだろう。
葉の形はOBLONG、葉の配置はWHORLET。でも地面スレスレに生えているだけ。
樹皮の割れ目から青い光が発せられていて、手を近づけると光が弱まる。
花の色は青色、花までは発光現象を起こしていない。
◾️ No.6
◾️ No.6-TRANSCRIPT
6 >> 13:00
少し、夢中になって歩きすぎたようだ。空気が澄み渡りすぎて、かえって重く感じる。まさかとは思ったが、昔の地図からも情報が削除された……中央新緑防波堤にまで来てしまった。個人的には未知の植物ばかりだが、先人の日記のコピーというあんちょこ様々。
それでも、新しい植物は見つかるもんだ。
最初に気づいたのは、匂い。オゾン臭がしたと思ったら、腐敗臭までしてきた。そして、一番最初に見つけた『チャペルラクチャー』のように規則正しく等間隔で生えている。
多肉質の茎に巨大なフード状の肉穂花序の花が1つだけ。小型の哺乳類を閉じ込められそうな程に巨大で、ネズミの他にも……かなり大きな……やめやめ。
とりあえず、『リソース・イーター』と名付けることにした。
サビと苔まみれのFX-40ピストル。……今すぐ、引き返そう!
『リソース・イーター』
高さは人間の成人男性より大きい。花は白色がほとんどで、中に骨などの残骸がある程に濃く赤みがかっていく。真紅の中は見たくない。
オゾン臭と腐敗臭が酷い。
葉の形はNEEDLE、配置はOPPOSITE。
◾️ No.7
◾️ No.7-TRANSCRIPT
7 >> 15:00
青い光が見えた川沿いの反対側を、立ち入り禁止区域の壁沿いに戻っている。やっぱり、前に見た時より光が強くなっている気がした。そこで奇妙な植物を発見したが、『リソース・イーター』と同じく動物を捕食する能力を持ち合わせており、襲撃反応を体験することになる。
こいつも、あんちょこには記載がなかった。見た目は羊歯植物……。そういえば、漢字にすると歯が入るな。問題は、そこじゃなくて蔓だ。
片側一面に歯を思わせる棘がビッシリならんでいて、今ちょうど獲物を捕食している。
蔓の一本がこっちに伸びてきたので、ついに銃を使ってしまった(弾は燃焼弾)。腕に掠ってしまい、1時間が経った今、軽い痒みを感じている。抗生物質が効いてくれることを祈るばかりだ。あの植物は、『ティース・バイン』と名付ける。
『ティース・バイン』
高さは人間の成人男性より大きい。見た目は巨大な羊歯植物。一番上の2枚の葉が合わさると口のように見えた。数本の太い蔓と一緒に生えていて、それらを手足……口のように自在に使っている。発見当時は、150cm程の鹿を咀嚼していた。どうやって獲物を感知しているかが不明。歯には毒性があるようで、かすった腕が被れた。
葉の形はLANCEOLATE、配置はOPPOSITE。
◾️ No.8(END)
◾️ No.8(END)-TRANSCRIPT
8 >> 19:00
「森をもらってくる」……または“堕落”と記録された現象は、軽い痒みからはじまり、瘤のようなしこりがいくつもでき、芽が生え、植物に侵食され、最後は立ち入り禁止区域の一部になってしまうそうだ。
手持ちの抗生物質を残らず射って、脇目も触れずに4時間休まずに歩き通してInfil/Exfil ポータルへ戻ってくる。植物学的な興味より、人では無くなる恐怖が勝ったのだ。新しい植物を見つける余裕なんて全くない。
戻ってすぐにポータル付近の隔離施設送りとなった。立入禁止区域と同じく、機器が一切置かれていない。この紙の束とペンを使って手を動かすことだけが、人であり続けていると思い込ませてくれた。
きっと、この腕は機械化することになるだろう。
後は、定期的に投与される薬の効き具合を祈るばかりだ。
⚫︎ プレイを終えて
直前に植物展で学術的スケッチのノートを鑑賞してた……というのみ、まったく活かせなかった体たらく(泣 ちゃんと美術展のカタログは入手すべきだったかな。
そして、マップ番号と危険度レベルを見比べてみるに、最初に「森をもらって身体に変調をきたしてから、植物を発見していく」というのが物語の想定された基本なのでは??と思ってしまいました。
私の今回の物語は、単にダイス目が最初悪過ぎたのではと思います。
トランプではなく、へクスマップにメモをするのも個人的には新鮮でした。
大きいへクスマップに書き込むようなジャーナリングRPGがあったら、試してみたいかも??
余談として、東京蚤の市で購入したヴィンテージのペン先は……なかなか個性的でした(苦笑