【レポート】テレビノーク#15 「東東京を歩く」
月に一度、カロクリサイクルの活動として、話を聞きたい人をお招きしておしゃべりしている配信「テレビノーク」。
#15は10月23日(月)にお届けしました。
アーカイブはこちらからご覧いただけます👇
#15のテーマは「東東京を歩く」。
ゲストは漫画家のかつしかけいたさんです。
瀬尾さん→足立、大地くん→府中、かつしかさん→葛飾と、東京を地元に持つお三方。「東東京ってなんぞや!?」というテーマのもと、あれこれローカルトークを繰り広げました。
土地にゆかりのある人には「確かに〜!」となるような、他の地域に住んでいる人でも「そうなんだ〜」「似てるかも!」となるようなトピックがたくさん出ています。
懲りずに生配信から2ヶ月遅れになりましたが、東京の西側・小平に6年住んでいたことがある佐竹から、レポートをお届けします🙇♀️🙇♀️
もっとローカルな東京に触れたい!
本題は東東京ですが、冒頭では最近の旅先でのエピソードもご紹介。今回も瀬尾さんはアチェ&似島、大地くんは城崎と、旅の話に花が咲いていました。
「NOOKのメンバーって最近どこにいるの?」と知人に聞かれると、「小森さんは新潟で映像を……磯崎さんはリトアニアで色々……」といった具合に、桃太郎の出だしみたいな返事になりがちで、旅の飛距離も年々伸びているのですが、カロクリサイクルとして東京を歩きはじめて2年目の今日この頃。
東京のもっとローカルな部分と出会っていきたいけどなかなか難しい、という感覚がカロクの活動のはじめごろに出ていたこともあり、今回はかつしかさんとゆっくりお話できたら、とゲストにお招きしました。
かつしかけいたさんは、葛飾のご出身&在住。
2010年頃より、地元葛飾周辺の風景を描いたマンガ作品を発表。自主制作マンガ誌『ユースカ』『蓬莱(ぽんらい)』に参加され、イラストレーターとして雑誌や書籍の挿画なども手がけられています。
初の連載作品となる『東東京区区(ひがしとうきょうまちまち)』の単行本が絶賛発売中です!
『東東京区区(ひがしとうきょうまちまち)』👇
『東東京区区』、ここが気になる!
2010年にTumblrでマンガ作品をアップしたのがはじまりとなり、その後、地元での展示や仕事へと活動を広げられている かつしかさん。
配信前半では、まちあるき漫画『東東京区区』の裏話をお聞きしつつ、東東京への気になるキーワードがたくさん出ました!
《『東東京区区』の質問、話題、気になるキーワード》
・なぜ葛飾?
なぜ『葛飾区区』ではなく、『東東京』にしたのか?
→自分が暮らしてる目線で、地元を描くこと
「下町」論議あれこれ
ある時代まで存在した、ネガティブなイメージ
現代で下町という言葉を聞いて想像するイメージと、自分の暮らしとのちがい
ガイドで語られるものとはちがう東京
・「東東京」としたときに、かつしかさんの中では、どんな考え方でエリアを想定している?
・3人の主人公たちのキャラクター誕生秘話:
葛飾・四つ木での、ムスリムやエチオピアの人たちの暮らし、関わり、自身の投影。周りとちょっとちがうし、ちがうとされている側面も異なる集まり
・調べることとアウトプットの話題:
郷土史はイラストを描き初めてから好きに?それとも昔から好き?
・あたらしい学習漫画:
図書館での展示、調べるきっかけとしての漫画の使い方
・漫画はどう描いてるんですか?
・東京の東側と西側のイメージのちがい
・かつしかさんの思う、東東京の特徴
・西東京住まいの大地くんから見た東東京
・瀬尾さんにとっての地元の風景
・東京の地域の歴史自体を掘り下げていくことって?
国の歴史とアイデンティティが混同されてしまいがち →語れなさ?
・カルチャーの中に見る表象/体にしっくりくる、馴染む感覚ってどれ?
寅さん、両さん(昭和の表象が大きい)
ケイコ、目を澄ませて
「記録したい?」という質問に対しては、「10年前に描いたモチーフが現在は無くなっていて、記録性を持っていく。描いていて、これは記録なんだと意識しはじめた。50年後の人が想像する基になればいいな」と、かつしかさん。
2023年の、今を漫画に描いていること
『東東京区区』に続いてご紹介いただいた『みんなの立石物語』は、立石周辺有志でつくられた冊子。
再開発が進んで一帯が取り壊されるエリアで、建物が残らないのであれば、そこでお店をしてた人や暮らしてた人の語りを残そう、と共同制作されています。
『みんなの立石物語』(プロジェクトページ)👇
《後半で出た気になるキーワード》
・変わっていくものを残したいって思いはどこからくる?:
止められない大きさの変化の中での、記憶を残すという選択肢
・自らもまちのプレイヤーとなることへの意識:
リスペクトだけで良いのかな?
・地元で再開発がはじまったときの、さみしさとポジティブ
解体前、解体中、完成前の心境のちがい
過渡期の景色のさみしさ、共有しても良いんじゃない?
あたらしく生まれる景色で生活が営まれ、誰かの地元の原風景になっていくこと
・2023年の、今を漫画に描いていること
・他の地域に住む人たちからの反応
・ローカルな記憶で繋いでいく:
定着したイメージがないからこそ、他のまちと共有できる部分があるのでは?
・かつしかさんの、これから描きたい場所は?
まちの変遷の過程にあるさみしさ(と、同時に変化を肯定していくこと)の話題は、私は仙台の沿岸部の風景を思い浮かべながら聞いていて、ちょうど瀬尾さんから陸前高田の話が出たので、大地くんの言ったように、その感覚から共有できることがあるような気がするなあと思いました。
西大島団地で出会った方や、第五福竜丸展示館の市田さんもコメントを寄せてくださったことで、濃密なローカルトークとなった今回の配信。
モチーフの東東京ではない場所で暮らす人にとっても「それぞれの地元に気づくきっかけになってくれたらいい」とかつしかさんが話されていたのも印象的でした。
かつしかさん、ゲスト参加ありがとうございました!
今後のテレビノーク配信
次回、直近のテレビノークは 12月27日(水)18時から。
年末スペシャルです!🎍
配信リンクはこちら👇
ゲストはNOOKの磯崎さんと、アーツカウンシル東京の佐藤李青さん。1年のリトアニア滞在を経て先日帰国した磯崎さんの滞在記を聞いたり、江東区大島に拠点を定めて初めての1年を過ごしたNOOKの活動をゆる~く振り返ります。
生配信が終了した#16もアーカイブ配信中です。フリートークで瀬尾さん話していたインドネシアのアチェをじっくりおしゃべりしてます!
#16のアーカイブ配信はこちら👇
各種おしらせ
この度NOOKもついにInstagramをはじめました🎉
カロクリサイクルのイベントや、西大島のスタジオ04の様子をお届けします。
フォローよろしくお願いいたします〜!
noteでは、NOOKの定期購読マガジン『𝐍𝐎𝐎𝐊 𝐋𝐄𝐓𝐓𝐄𝐑』を毎月15日前後にお届け中です。
\ 2023年12月のラインナップ /
▶︎ 語らいの記録
「学べ、学べ、学べ。(伊江島のおばあ)」(瀬尾夏美)
▶︎ 今月の絵手紙
「広島市南区似島」(瀬尾夏美)
▶︎ 今月のエッセイ
「阿賀のほとりで『阿賀に生きる』と出会い直す」(小森はるか)
(『𝐍𝐎𝐎𝐊 𝐋𝐄𝐓𝐓𝐄𝐑』の売り上げは、活動のための資金として大事に使わせていただきます)
そしてそして、studio04で開催していた展覧会「とある窓」、無事会期が終了いたしました。
企画に関わってくださった方、展示に足を運んでくださった方、気にかけてくださったみなさまのおかげで良い場が生まれたこと、感謝申し上げます。
またどこかの機会でお見せするチャンスがあったらなと思います〜!
カロクリサイクルの活動を、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
レポート:佐竹真紀子(美術作家)
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