【レポート】テレビノーク#2
9月23日の20:00より、テレビノーク#2がありました。場所は前回と同様、アーツ千代田3331のStudio302からお届けします。
アーカイブはこちらから👇
今回はNOOKの磯崎未菜を迎えて、今年の四月から断続的にやっている東京でのリサーチについて、ゆるゆると話をしました。
このリサーチの様子はマガジン「カロク採訪記」に記してあります。番組内ではおすすめの資料館・展示館についても触れていますし、この記事の下の方にも簡単にまとめていますので、合わせてご覧ください!
縁もゆかりもない東京に来て、なにから触れ始めたらいいのか、リサーチをどのようにしたらいいのか分からない状態で、とりあえず東京にある博物館や美術館に赴いて展示を見まくろう、そしてそれをレポートとしてnoteにまとめていこう、というのが「カロク採訪記」というプロジェクト(ざっくり)なのですが、その様子をみんなで振り返っていきます。
どこが印象に残りましたか?
それぞれ印象的だった施設をあげるなかで、中村は遊就館について取り上げます。歴史、とりわけ明治維新から第二次世界大戦終戦あたりまでが詳しく(しかもモノ資料がめちゃくちゃ多い!)、語られるのですが、“軍”や“国”の立場から語ることが新鮮に映りました。
ちなみに、中村が正式名がわからない・・・と言っていたのは「千人力」で、平和祈念展示資料館にあったものでした。
もし行かれる方は、何人かでおしゃべりしながら、あるいは「水木しげるの昭和史」を(特に3~6巻くらい)読んでから行くことをおすすめします!
水木しげるという一市民の目線と、日本国の歩みを並走させる本著と、遊就館の語られ方の異なりを知るのが良いのかなー、と話題になったりもしました。
遊就館としょうけい館についてはこちらから👇
平和祈念資料館についてはこちら👇
おすすめ資料館 荒川知水資料館アモア
続いて「水害系の資料館はどこも良かった」と磯崎さん。
荒川知水資料館アモアでは、2019年の豪雨災害で荒川でも被災したエリアがあること、現在の気候変動の影響で新たに調整池を造成し、その工事にともなって立ち退きをする住民がいることなどが印象的でした。
アモアについての記事はこちら👇
合わせて行くことをおすすめするのは御茶ノ水にある東京都水道歴史館についてはこちら👇
東京に暮らしていると、自分たちがどのようにインフラを手に入れているのかということを自覚せずに暮らしているけれど、それにはすごくいろんな背景が、政治的なことも含めてあること。それを知れる2つの施設、とってもおすすめです。
おすすめ資料館 アクティブ・ミュージアム
つづいて、アクティブ・ミュージアムの話題に。従軍慰安婦問題について丁寧にパネル展示がされています。
ホスピタリティの高さもお薦めポイント。ほとんどの資料も英訳・韓国語訳なども充実していたり、常駐スタッフの中に英語が堪能な方もいらっしゃいます。
文字量の多い展示も座って眺めることができます(椅子が沢山ある!)。
こうしたホスピタリティの高さは、度々糾弾されがちな慰安婦問題に大して、丁寧に応じてきたwamの取り組みのあり方から生まれているものなのだなと思いました。(詳しくは記事をご覧ください👆)
こちらと最初の遊就館をあわせて訪れるのもおすすめです!
おすすめ資料館 第五福竜丸展示館
市民運動から残った第五福竜丸を展示する第五福竜丸展示館について話していたのは瀬尾さん。
第五福竜丸展示館は第五福竜丸の問題に留まらず、核実験の行われたマーシャル諸島など世界各地の問題、東日本大震災以降は福島第一原発事故の問題、そして途上国と先進国の構造的な格差の問題など、今もアクティブにその場の意義に沿った展示・活動を拡張させていることが印象的。
ちなみに最新の展示は、特別展「世界のヒバクシャ-核開発・核実験のもとで」です。この機会に是非足を運んでください。
第五福竜丸展示館に行った際のレポートはこちら👇
第五福竜丸展示館の活動のように、個別の問題の当事者が亡くなったり、どんどんと減ってきている今、そうした体験を聞き取るのはもちろんのこと、それをどうやって知らない世代へと受け継いで広げていくのか、というフェーズに入ってきていて、さてそれをどうやってやろうか、と考えている仲間が増えているのかもしれない。そしてそれはどう工夫して、どんな技術を用いて「表現」していくか、という問題に直結して行くことのなのかもしれない。
という話や、リサーチをするときに誰かに「巻き込まれてみる」ことの良さについても話してますので、良かったら聞いてみてください。
プロジェクトをよく知った3人で話していたので、話がはずんでお聞きいただいた方々を置いてけぼりにした感もあるかしら…と不安になりつつ。ぜひ都内のいろんな施設に訪れていただけたら嬉しいです。
頭では想像できていることも、実際に現場に訪れてみることでより肉感を持って知ることができたり、強い印象を覚えたりと、新鮮に体感できることはたくさんあるはず。そんなことを実感するのがこの「カロク採訪記」というプロジェクトでもあるかなと思います。
次回のテレビノーク#3はなんと今日(!)、10月24日に、第五福竜丸展示館の学芸員市田真理さんをお迎えします。特別展「世界のヒバクシャ-核開発・核実験のもとで」の話なんかも伺えたらと思います。良かったらお聞きください。
中村大地(屋根裏ハイツ・作家・演出家)
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