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オーナーよ、頼むからアンガーマネジメント講習受けてくれ〈米国トンデモ生活22〉

ちょっと最近ビビり散らかして寿命5年くらい縮んだ話をしたい。

オーナーは50歳くらいの強面男性。最初は見た目だけで怖かったけど、働いていくうちに従業員想いな様子が垣間見れて、私の事もよく気にかけてくれる優しい人へと印象は変わっていったわけです。たまになんでそんな言い方するんだろうとか、すごいズバズバ言ってくるじゃんって思う事はあっても、それは日本人との違いなのなか〜くらいに思っていた。
ただ周りからは「怒るとマジで怖いよ」と聞いていたし、前回の記事でも少し触れたけど彼は刑務所に入っていた経験もあるので、変なことは言わない・しないようにと彼の前では少し緊張してしまう。

でも聞いて下さいよ。
先月のある日、私と他の従業員2人でお店にいたらオーナーが入って来て、最初はたわいもない会話をしてたんです。
そしたら1人の従業員と休憩室の方に行き、そこで一体どんな会話をしたのかは知りませんが、突然「YOU DIE! YOU FUCKING DIE! YOU, YOUR SON AND YOUR WIFE YALL ARE GONNA FUCKING DIE!」ってもうデスメタルかってくらいの勢いで怒鳴り散らして。これフォント変えられるなら、セリフの部分はジャギジャギのフォント・色を赤にしたい。勢いとあの怒りのパワーが全く伝わらないのがもどかしい。
人生で、あんなに激怒してる人間を初めて見た。
怒鳴られた従業員も、そんなに怒鳴らなくてもいいだろと言っていましたが、オーナーの怒りは収まることなく叫びながらこちらに近づいてくるので、気まずくて受付のパソコン適当にカチカチして何かしてる風を装ってみた。もう1人の同僚を見たら、自身の名刺をめっちゃ綺麗に並べてやはり何かしてる風を装ってました。

働き始めて1年、初めて彼のそんな様子を見て「癖の強いアメリカのタトゥーアーティスト達をまとめるって、そう簡単じゃないもんな。きっと何かあったんだ」なんて、少し彼寄りに考えてみたわけです。

そしたら先週、またもや彼がデビル化した。
その日は私ともう1人のアーティストの2人だけで、暇な時期というのもあってまったりしていた。そしたらオーナーが来て、前回同様ダイエットやジムのたわいもない会話をして笑っていたら、突然「そういえばこの間お前が言ってたタトゥーに関してだけど…」と全く違うトーンで同僚に話を切り出した。

え、なになに…怖いんですけど…

どうやらちょっと前にもう1店舗で働くとあるアーティストが、この同僚が彫ったデザインをパクったらしい。というか、この同僚はパクられたと言い張っていた。私も後で双方の写真を見せられたけど、正直私はパクっているとは思わなかったが、同僚は頑なにパクられたの一点張り。彼は「別に怒ってるとかじゃなくて、面白いなって思っただけ。自分よりずっと経験のあるアーティストがパクってきたうえに、仕上がりが汚い」とディスった。

もうその瞬間。オーナーの即興デスメタルが始まった。
YOU ARE FUCKING DELUSIONAL! YOU ARE CRAZY! YOU KNOW WHAT? EVERYBODY AT THE OTHER SHOP IS LAUGHING AT YOU BECAUSE YOU ARE FUCKING CRAZY!」と腹の底から怒鳴り散らし始めた。
私は突然の至近距離での大きな音が本当に苦手で、心臓がバクバクして「あーどうしよう、あぁぁどうしようどうしようどうしよう」とパニクってしまうので、とりあえず一旦外に出た。でも逃げたと思われてもあれだと思い、無駄にストレッチなんかして何かしてますアピールも欠かさない。出ました、考え過ぎロクデナシ子。

そしたらバーンとドアを突き飛ばしてオーナーが出てきて「悪いね」とだけ言って車で去っていった。

彼のスイッチが全く分からない。え、さっきまで笑ってくだらない話してたじゃん。
いつか自分を不意に地雷を踏んでしまいそうで怖い。
オーナーって何か人格障害とかあるのかな?キレてる自分ヤバいって自覚はないのかな?
あ〜怖怖。

静かなところで静かな生活がしたい。
今モンタナに引っ越す話が出ているけど、まず家の修復、家のローン返済、家の売却、そして私の永住権申請の問題があるので、かな〜り先のことになる。

あ〜あ、人生って本当に思ったように進まない。だから面白いってよく言うけど、それは上手くいってる瞬間にいる人が言うことで、雲の真下にいるとそんな風には考えられないんだよな…。

呼吸してるだけで疲れるぜ…

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