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推奨されがちな『オープンハンド』

「カチ持ち(フルクリンプ)は怪我しやすい」など
ベテランクライマーが話しているのを聞いたことがあります。
僕もクライミングを始めた当初に「オープンハンドの方が手への負担が少ない」と聞いてオープンハンドで練習を重ねてきました。

最近はカチ持ちも意識すれば実践で使えるレベルになってきたので、
それぞれのホールディングについて感じるところを記録してみようと思います。

カチ持ち/オープンハンド

これら2つのホールディングは主に薄いホールドを保持する時に使います。
指の第1関節が反っているかどうかで区別しますが、親指の位置など個人差もあります。

一般的にはカチ持ちの方が力が込めやすく、薄いホールドも保持できると言われています。

オープンハンドについて

オープンハンドは指の第一関節以外が伸びているホールディングです。
指の関節が伸びている分、リーチを最大限使うことのできるメリットもあります。
また、保持タイミングでの手首の可動域も広く、体勢選択の余地が大きいのも特徴です。
小指が短いため、より自然に持つためには小指と親指を除いた3本指での保持となる人もいます。

これは個人的な感覚でもあるのですが、オープンハンドでの保持感は他のホールディングにも通じる点が多いです。
指の腹を押し付けて滑らかなスローパーを持つこともできますし、
ポケットはオープンハンドの指を減らした形と言えます。
一度に多くのホールドに対して強くなれるという意味で、初心者が練習するにはぴったりです。

一方でトップ層のクライマーによるオープンハンドは、驚愕の保持力を有していて、「最初だけしか使わない技術」というわけではありません。

カチ持ちについて

カチ持ちは指の第一関節を反らせる持ち方です。
イメージ的には揃えた指の先端を結んだ線を、ホールドに引っ掛けます。

一番のメリットは引き抜き方向への強さです。
引き抜き方向とは、壁に対して垂直に引っ張る方向で、
腰が壁から離れるタイミングなどで壁に張り付くために加える力です。

カチ持ちは関節が反っているので、やはり指への負荷は大きいように思います。
医学に明るいわけではないので想像ですが、可動域を超えるような使い方はやはり無理が掛かっていると思います。

ただ「カチ持ちでないと、保持が厳しい!」という場面はあります。
頻出するのはインカットしていない薄いホールドを持って、高めに足を上げる場面です。足を上げるために、腰が壁から離れることが多いためです。

カチ持ちとオープンハンドの使い分け

手で持っているホールドと腰の位置で使い分けると、
ムーブ選択が安定します。

腰が高い、もしくは壁から離れるときはカチ持ちで、
他の場面は基本的にオープンハンドで持つようにしています。

デッドポイントなど最初に触れるタイミングもオープンハンドなので、
そのまま持てるのであれば、その方が効率的だからです。


終わりに

最も理想的なのは、偏りなく自然なホールディングができることだと思います。
負荷が分散されるので、怪我も予防できますし何より苦手があることそれ自体が、クライマーとしての強さの上限を決めるように考えるからです。

普段のトレーニングから、さまざまなホールディングをバランスよく鍛えるように意識していこうと思います。

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