「写真と美しい日本の言葉」から生まれたゆらぎ乙女に込めた想い
追記: ゆらぎ乙女のファンアートガイドラインできました!
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初めましての方ははじめまして。写真家やエッセイスト、コラムニストとして活動している古性のちと申します。
普段は岡山県と東京、そしてたまにタイを拠点に暮らしています。
「写真と美しい日本の言葉」から生まれたゆらぎ乙女を2022年11月にリリースしました。
制作に込めた思いやこれからのことについて、まとめてみたいと思います。
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20代の後半から念願だったフリーランスになり、それからずっと世界中を旅しながら生きてきました。
国から国へ渡鳥のように自由に行き来する生活は性に合っていたし、10代からの夢が叶い毎日相当に浮かれてしました。
そんな生活を送る最中にやってきたコロナ。
突然国外に出られなくなった時「わたしはどんな方法でもう一度この国を愛そうか」と考えたときに出会ったのが、日本古来から受け継がれてきた美しい言葉の数々でした。
「自分が持っている得意なカードからどんな作品を作ろう」を考えた末に辿り着いたのが、辞典から選んだ日本の美しい言葉を自分なりに解釈し、噛み砕いて、世界中で撮影した写真を組み合わせるアートワーク。
四季の微妙な空気や風の匂い、空の色の変化を捉えて編まれた季語や日本の言葉たちは心が震えるほどに美しく、時にはそんな言葉たちに(おこがましいけれど)自分の写真がぴたりとはまる瞬間もあって、昔この言葉を作ったひとも、もしかしたらこんな景色を見たのかもしれないなあと思いを馳せてみたり。
改めてわたしは「この国に生まれて良かった」と感じた瞬間でした。
知らないうちに忘れ去られ失われていく、日本の美しい言葉たち
このアートワークがキッカケでたくさんの辞書を読み、図書館にも何度も足を運んだのですが、美しい言葉への感動と同時に感じたのは、段々と、世の中に忘れ去られて消えている日本の言葉が数多く存在すること。
どの辞書を開いても、簡単な意味しか載っていない言葉。
ある時期から俳句でぱたりと読まれなくなってしまった言葉。
もはや何時間かけて探しても、たった2、3の辞書でしか見つけることができない言葉もありました。
今こうして「美しい」と自分が感じ作品に残している言葉も、放っておいたらいつの間にか風化し、消えてしまうのかもしれない。
今の写真と言葉のアートワークは続けつつ、何か新しい形の表現で、世の中に言葉達を連れていくことはできないか。
そんな事を考えているときに出会ったのが、非代替性トークンと紐づけられたデジタルアートの、デジタルアートでした。
「写真と美しい日本の言葉を」デジタルで擬人化する
デジタルアートと出会ったキッカケは、東京で開催されていたとあるイベント。
もともと10代なかなかの廃人ネットゲーマーわたし。ここ最近Web3ゲームにどっぷりはまっていて「そのカンファレンスがある」と友人に誘いを受け、足を運んだ先で出会ったのが草野絵美さんらが手がける新星ギャルバースでした。
イラストのクオリティももちろんですが、その先に見える可能性の大きさ、何より作り手が未来を見つめて走っている姿に感銘を受けて「わたしもこの分野に、日本語を持ち込んで挑戦してみたい」と思ったことがきっかけでした。
忘れられたくない日本語から生まれた妖精「ゆらぎ乙女」
「日本語と写真を擬人化しよう」と思いつき真っ先に声をかけたのは、学生時代からこれまで色んなものを一緒に作ってきたアニメーターの友人。彼女以外にわたしの選択肢はありませんでした。
むかし彼女が描いて見せてくれた女の子のイラストを引っ張り出して「この子たちみたいなキャラクターを日本語と写真から描いて!」とお願いし、できたのがゆらぎ乙女。もう、第1回目にあがってきたキャラクターからどんぴしゃでした。
まずわたしが言葉を選んで、そこに合わせて写真を撮る。その言葉と写真から色やイメージを抽出して、彼女が命を吹き込む。
1体1体、微妙な髪型の調整や「もう少しこんな色じゃない?」「この子はもう少し性格が柔らかいような気がする」なんて話を繰り返しながら、仕上げていく。
決して効率的ではないけれど、こうして生まれた子たちは何より愛しいし、誰かが手にしてくれると小躍りしたくなる。アイコンにしているのを見かけた日にはスクショして、彼女に送っている。
ちなみに「ゆらぎ乙女」は昔わたしと彼女でやっていたクリエイティブユニットの名前から。あの時の名前をこうしてリバイバルできるのも嬉しいです。
ゆらぎ乙女を「NFT化」した理由
ゆらぎ乙女は現在、マーケットopenseaに「NFT」として販売しています。
(NFTってなんだろう…な方は以下の記事がわかりやすいです)
ゆらぎ乙女をNFTデジタルアートとして発表した理由はふたつ。
1つは、わたし自身がこのゆらぎ乙女たちの第一ファンだったこと。
この可愛いキャラクターを世界中・日本中に知ってもらい、NFTとして個人が所有し、愛してもらうことができるからです。
自分が好きなアイドルを、人におすすめしたい感覚と似ているかもしれません。
もうひとつは、美しい日本語を広くしってもらうために、世界中の人が集まるマーケットで発表したかったから。
実際に早速アイコンにしてくださっている方もいて嬉しいです…!
ゆらぎ乙女の今後の展開について
① ゆらぎ乙女と一緒に大きくなるファンベース(Discord)の立ち上げ
ゆらぎ乙女たちを愛してくれる人たちのコミュニティを作ります。ファンミーティングやイベントやグッズ制作など、ゆらぎ乙女を迎えてくれた人たち同士で何かコラボが行われる場になると良いな。
② ゆらぎ乙女をリアルの世界へ。原画・写真展の同時実施
ゆらぎ乙女たちと、実際にベースにした写真や言葉の展示を行いたいです。自分のお迎えしたゆらぎ乙女たちが、どんな写真や言葉から生まれているのか、制作秘話なども含めて展開したいです。
③ ステッカーや持ち歩けるグッズの展開や言葉を味わうコラボカフェの実現
これはわたしが今一番やりたいこと(自分が欲しいから)。カフェメニューとして言葉とゆらぎ乙女たちのビジュアルでドリンクを作ったりしたい。
④ ゆらぎ乙女たちと美しい日本の言葉を探し集める、ゲームづくり
これは最終ゴール(そしてわたし自身どうしたらできるんだろう…と思っている)なのですが、「sky 星を紡ぐ子どもたち」の世界観のようなゲームを作りたいです。ゲーム会社とタックを組んで制作できるのかな。なんにせよ、ここに向かってがんばります。
美しい日本語の表現で、みんなで世界へ
まだまだ走りはじめたばかりの私たちですがコツコツと一歩ずつ、確実に前に進んでいきたいと思います。ひとりではなく、このゆらぎ乙女を愛してくれるみんなと一緒に。
私たちの母国で生まれた美しい言葉を、次の形へ。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
それではまた、バーチャルの世界で。