自分では気づかぬうちに、誰かの人生をちょっぴり変えていたりする
こうやって「言葉」を扱う仕事をしていると、自分の知らないところで誰かの人生に少しだけ関わらせてもらっていることがたまにある。というか、そういう事に気づくときがある。
考えてみれば当たり前のことで。わたしがどこかへ旅を決めたり「こんな風に生きていきたい」と思い、生活を見直すのも、誰かから感化される事が多い。ならば私だって誰かの、そういう立場になることはあるかもしれない。
でも、何故だか自分がそちら側に立つとは夢にも思っていない。だからこそたまに聞く「のちさんの記事を見てモロッコに行きました」とか「移住を決めました」の言葉に、心から驚くことがある。言葉を仕事にするって、そういうことなのだな、と改めて実感する瞬間だ。
良いものは「良い」と素直に伝えること。
良くないものは「良くない」と素直に伝えること。
その義務が、言葉を綴ることを職業とするならば。必ずある。
見たこともないものを良いということ。
もう二度と行きたくない場所を褒めちぎること。
それは、ただの嘘つきと、裏切りだ。
(もちろん、わたしが良いと思うものが、誰かにとっての良くない、になることはあるのだけれど)
自分を信じてくれているひとに、ただ誠実に。真っ直ぐに。
言葉とこれからも生きていくのならば。
そうやって向き合い続けていこう、と、今日は改めて背筋がしゃんっと伸びました。
なんでこんな風に思ったかって、今日、人伝いで「のちさんの言葉で移住を決めました!」という方がいることを知ったから。
そのとき、まず嬉しさよりも、ずっしりとその言葉がのしかかり、頭の中でさまざまな心配が渦巻いてしまったから。
多分、何個か後ろめたい気持ちで綴った言葉が、過去あったんだろうなあ。
これからは胸を張って「わたしは良いと思っているけれど、あなたはどうだった?」とするり、言葉が滑り落ちてくるように。
誠実に、素直に、綴り続けようと思いました。
ところで。今日はすっごい素敵なホステルに、ライター仲間といっしょに泊まっています。沖縄のコザという、陽気な区域にいます。
明日明るくなったら写真を撮ります。
とりあえずまっすぐに思うことは、やっぱり私は、沖縄が好きです。
今日も、よい夢を。