観劇白書2017

~凡 例~

本数区分(ショーケース公演などの扱い)
15Minutes Made など、1枚のチケットで複数の作品が一度に鑑賞できるものについては「満足度」以外の項目では作品毎に区別せず、1ステージ1本として集計している。
また、同じ作家・演出家による作品が1ステージ内で複数上演される場合は、「満足度」の項目においてもトータルで1本として集計している。

料金区分
無料またはフリーカンパ制の公演を「無料」とし、有料のものは価格帯ごとに分類する。また、分類の基準には、各種割引制度(初日割や先行予約も含む)を使わず、最も一般的な方法で前売予約を行った場合の価格を用いた。(ワンドリンク付きの場合はドリンク代も含む)

時間区分
上演時間については前説によるアナウンスや公式サイトでの発表・公演関係者から直接聞いたもの、劇場を出て時計を確認した実測値などが混在しており、必ずしも正確ではない(前後5~10 分程度の誤差を許容する)ものとする。

客席数区分
客席数については劇場・スタジオHPや劇場情報サイト等の数値を元に、実際の舞台装置や客席の配置を考慮し分類した。


図表1 本数推移

2017年は年間168ステージ、210作品を鑑賞した
観劇は基本的に土日祝を中心に行っており、5月は大型連休が有ったため多くなった1ヶ月の平均は14回だった

図表2 各項目平均値

168ステージの平均値は図表2の通りとなった(満足度のみ210作品の平均値)
小劇場での観劇が中心であり、平均して2800円前後のチケット代、95分程の上演時間、出演者数は10人前後という値であった

図表3 チケット代

チケット料金の割合は「3500円以上」が全体の28%を占めて最も多く、次いで「2500円以上3000円未満」が27%を占めた一番多かったチケット代金は2500円で34公演だった

図表4 チケット代を基準とした各種平均値

チケット代区分を基準として、各値についての平均値を算出した。チケット代が高くなれば各項目の値も上昇しており、価格により会場のキャパや出演者などがある程度決まってくるという相関関係が読み取れる

図表5 上演時間

上演時間の割合は「90分以上120分未満」が最も割合が多く、90分前後の作品と120分前後の作品で全体の4割近くを占めていた
一番多かった上演時間は90分で26公演だった

図表6 上演時間を基準とした各種平均値

上演時間区分を基準として、各値についての平均値を算出した。上演時間が長くなればそれぞれの平均値も上昇しており、それぞれの値は相関関係にあると言える
つまり上演時間や会場、出演者のいずれかを定めることにより自ずと他の要素もある程度の幅で決められてくる事がある程度類推できる

図表7 出演者数

出演者数の割合は「5人以上10人未満」が約半を占めている。出演者数「8人」が一番多く21公演だった

図表8 出演者数を基準とした各種平均値

出演者数区分を基準として、各値についての平均値を算出した。出演者が10人以上になると客席数が一気に増えている。50人程度のキャパでは出演者は10人以上出せないという傾向が見て取れる

図表9 客席数

公演会場の客席数の割合は「50席以上100席未満」が最も多く39%を占めた
50席程度の会場が最も公演回数が多く、43回であった

図表10 客席数を基準とした各種平均値

客席数区分を基準として、各値についての平均値を算出した。基本的には客席数に比例して値が増えているが、「150席以上200席未満」では平均満足度が突出して高くなっている。これは駅前劇場・スズナリおよび赤坂RED/THEATERがこの区分に含まれており、これらの劇場作品での満足度が安定して高かったことが要因と思われる

図表11 観劇エリア

観劇エリアについては下北沢のある世田谷区と、一番観劇回数の多いシアターミラクルがある新宿区が含まれている城西地区が7割を占めた

図表12 回数上位劇場

図表13 満足度と満足度上位作品


~付録~

「客席数」「チケット代」「上演時間」「出演者数」「満足度」から、満足度を得るのに効率のいい公演を数値化できないか思考してみた
前提として
・料金は安いほうが良いものとする
・同じ料金であれば、上演時間は長いほうが良いものとする
・座席数が少ないほうがプラスの補正を得られるようにする
・出演者数についても少ないほうがプラスの補正を偉えるようにする

つまり同じ満足度ならば、料金が安く出演者数も少なく客席も少ないほうが効率良いものとした
計算式は
・1分あたりの価格「A」=チケット代/上演時間
・満足度10を基準とした非効率度「B」=10/満足度
・出演者数補正「C」=出演者数−平均出演者数
・客席補正「D」=客席数/平均客席数

満足度価格指数=(A×B)+C+D

これにより得られた数値は低ければ低いほど、効率的に満足度を得られているといえる
なおこれで得られた数値の上位は付録図表1の表の通り、狭いキャパで安い値段で、笑うことによる満足感が得られるコント的イベントが上位に来た
※あくまで数値上のお遊びです

付録図表1 満足度指数

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