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算数と数学で定義がちがう?モヤモヤを語る

算数 ( 小学校 ) でも数学 ( 中学 ) でも習う内容がいくつかあります。
ところが,算数と数学で,定義がちがったりします。
そもそも,「定義」ということばは小学校で習いません。
一般的に,中 2 の「三角形と四角形」の単元で,『ことばの意味をはっきりと述べたものを定義という。』と習います。
算数では,ことばの意味をなんとなくで教えているという印象をもちます。

それでは,私が思うモヤモヤを具体的に語っていきたいと思います。


モヤモヤ① 『倍数』と『整数』

一般的に,小 5 で,『ある数に整数をかけてできる数を倍数という。』と習います。
算数では,3 の倍数は,3,6,9,12,15,……のように,その数に 1,2,3,…をかけてできる数を倍数としています。
数学では,3 の倍数は,0 や-3,-6,-9 など負の数もふくむと考えます。
つまり,算数で習う倍数にはすべての倍数がふくまれていないのです。

『整数』には,正の整数 ( 1,2,3,……  ※自然数ともいう) と 0 ,負の整数 ( -1,-2,-3,…… ) があります。
負の数は小学校で習わないので,ふくまないのは当然といえるでしょう。
しかし,0 は小 1 で習う数です。
『ある数に整数をかけてできる数を倍数という。』とあるのに,ある数に 0 をかけてできる数は倍数ではないと??
算数で,倍数に 0 がふくまれないことにモヤモヤしてしかたがありません。
「 5 の倍数を小さいほうから順に 3 つ書きなさい。」なんていう問題をよく見かけます。
答えは,「5,10,15」となっていますが,「0,5,10」が正解だと思ってしまいます。

ちなみに,算数で,「 0 は偶数」となっています。
 2 の倍数と偶数はちがうということになってしまいますね。

大人のみなさんも,倍数に 0 はふくまないと思っている方が多いのではないでしょうか。


モヤモヤ② 『図形』

算数では,正三角形と二等辺三角形などは別のものとして扱っています。
数学では,『二等辺三角形とは,2 つの辺が等しい三角形のことである。』となっています。
この場合,残りの 1 つの辺の長さは関係ないと考えるべきでしょう。
つまり,正三角形は,二等辺三角形の特別な場合といえます。

算数で,「次の図形の中から,二等辺三角形をすべてえらびましょう。」という問題のとき,正三角形も選ぶと不正解となってしまう場合が多いようです。これは定義からするとおかしな話です。

正方形・長方形・ひし形・平行四辺形も同様に,算数では別のもとして扱っています。
ところが,数学では,長方形やひし形は平行四辺形の特別な場合で,長方形とひし形の性質をもっているものが正方形であると習います。


最後に。

みなさんは,これらのことについて,どのように感じましたか?
『算数ではわかりやすいほうがいいから,別にいいのではないか。』と考える方もいれば,『定義は正しく教えるべきだ。』と考える方もいるでしょう。
私は後者の考えで,定義や根拠を明確にすることで,論理的思考が身につくと思います。
『学校で習ったからそういうものだ。』と考えないでほしいです。
それは,意味のわからない校則にも,『そういう規則だから』と従うことと大差がないように思います。
おかしいと思うことは悪いことではありません。
『何で?』と思うことから,新しいものが生まれてくるものです。
『教科書の内容がおかしい』なんて先生に言ったら,めんどくさい生徒だと思われてしまうかもしれませんね。
先生に言わなくてもいいんです。
疑問に思って調べてみたり,自分なりに考えてもらいたいです。
そんな子が少しでもいてくれたらいいなと私は思います。
そして,そんな子が『変わった子』と疎ましく思われない学校,社会であることを願います。



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