逃げ恥に失望した話
逃げるのは恥だが役に立つをみて失望した。たぶん私は逃げ恥に期待しすぎていたんだと思う。もちろん、色々な生き方があるとか、子育てが大変だという描写を人気俳優でやるのは社会的に意義があることだと思う。このドラマを観て救われたという人もいると思う。なので、これから書くことは一意見として受け止めてもらえば幸いだ。ファンとはいえ、マンガは数冊しか読んでいないドラマ版にファンであることも最初に断っておく。
前作であれだけ、合理化された、でも、心が通っている夫婦生活を送っていたのに、子どもに関しては「できたらいいな」と思っていたというふんわりっぷり。子どもを産む準備をしていたのかもしれないけど、それが全く描写されないので、急に妊娠するのかと拍子抜けしてしまった。
前作の連ドラで「やりがい搾取!」だとガツンと言っていたみくりは、意見の対立で揉めたときも、相手の意見をきいてから良い形に昇華させていた。もっと育休を取る立場と会社に残る立場との意見を戦わせてほしかった。
産休育休は、「さも当然」という顔をしていればいいとみくりは言った。権利だから、確かにそうかもしれない。休みを取れない環境がおかしいと言っていたのも大いに頷ける。
逃げ恥なら、育休を取っている間、会社で穴埋めをする人たちの視点を盛り込むべきではないが。結局、産休育休で残る人の意識が変わればいいというような軽い感じでまとめていて、非常にがっかりした。理想論かもしれないけど、誰かが休んでも大丈夫なように会社の仕組みを変えてしまった。それくらいのことをしないと逃げ恥じゃない。
みくりやヒラマサだったら、もっと周りを上手く巻き込んで、改革していくんじゃないかという期待があったのが全て裏切られた。順番で休まないといけないと言っていた同僚の描写も、ものすごく薄っぺらく、このシーン、有名な俳優を揃えてまで必要だったのかと疑問が沸く。
尺の問題、原作の問題など、色々な問題があったのかもしれない。でも、あの逃げ恥なんだから、もうちょっと頑張って欲しかった。
私の記憶からは、今回のスペシャルは記憶から抹殺しよう。あの二人ならもっと、仕事の流れを変えたり、周りの空気をかえるような子育てができたんじゃないかと思う。