共同住宅の防火区画①
共同住宅の設計において設ける防火区画の種類について
建築基準法の区画
①面積区画
②竪穴区画
③異種用途区画
④排煙区画
⑤高層区画(建物11階以上の場合)
東京都建築安全条例の区画
①都安8条区画 ②都安11条区画(建物高さ31m超え)
③都安19条の区画
消防法の区画
①共住区画
②令8区画
を押さえておけば区画の種類はたいていカバーできます。
区画の種類によっては防火設備を特定防火設備や遮煙性能を有する設備にする必要があるので設計者がどこにどのような種類の区画を配置するか決めていく必要があります。
まず始めに建築基準法の区画を考えます。
最初に一番分かりやすい 異種用途区画を設定します。
共同住宅の設計の場合
①共同住宅部分と駐車場部分
(駐輪場は共同住宅扱い)
②共同住宅部分と店舗部分
区画の扉は特定防火設備 遮煙性能付
区画貫通ダクトはSFD
それから
竪穴区画を設定します。
共同住宅の設計の場合
①EV部分
②屋内避難階段と共用廊下部分
区画の扉は防火設備 遮煙性能付
区画貫通ダクトはSFD
そして
面積区画
延床面積が発生する部分を1500㎡毎に
区画する必要があるので屋内共用廊下が
上記のEVや屋内避難階段で他の階と
面積的につながる場合1500㎡毎に
区画が必要になります。
区画の扉は特定防火設備 遮煙性能不要
区画貫通ダクトはFD
共同住宅の規模によりますが
1階部分だけ面積区画すればいい場合は
1階のEVと屋内避難階段の扉を
竪穴区画の扉の防火設備をグレードアップして
特定防火設備にすればOKです。
最後に排煙区画 排煙区画は共同住宅においては
基本排煙設備は緩和規定により
設置しないことが多いです。
その緩和を受けるために区画を設定します。 建築基準法施行令第126条の2 1項一号の場合
内装制限無しで
共同住宅における排煙免除の緩和規定 共同住宅の共用部分の100㎡区画
(住戸部分に関しては200㎡区画)を
行えば排煙設備は不要になります。 区画の扉は防火設備 遮煙性能不要
区画貫通ダクトはFD
ただし11階以上の共同住宅の場合は
11階以上の部分に対して高層区画
共同住宅の住戸部分に関しては200㎡区画 区画の扉は特定防火設備 遮煙性能不要
区画貫通ダクトはFD
共同住宅の共用部分に関しては100㎡区画 区画の扉は 防火設備 遮煙性能不要
区画貫通ダクトはFD
(仕上げ・下地準不燃の内装制限で200㎡区画 特定防火設備 遮煙性能不要
区画貫通ダクトはFD )
以上が共同住宅における建築基準法の区画になります。
これで終わらないのが区画設定の大変なところ。
次回は東京都建築安全条例の区画を設定していきます。