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【PLANETSCLUB】(平成最後の)初心者のためのサブカルチャー論講義~逆襲のシャア鑑賞会&初心者でも分かるガンダム講座
こんにちは。
4月28日に、評論家 宇野常寛さんが主宰するオンラインサロン「PLANETSCLUB」でのオフ会企画で、アニメ「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」を鑑賞して、みんなで感想を語り合うという会をやりました。
「機動戦士ガンダム(富野由悠季監督作品)」は、宇野常寛さんの著作「母性のディストピア(富野由悠季、宮崎駿、押井守といった日本の代表的なアニメーション監督の作品から戦後日本社会を評論する著作)」でも解説されており、PLANETSチャンネルでもよく取り上げられる作品です。
しかし、PLANETSCLUBのメンバーでも、あんまり見たことがない人もいらっしゃたため、富野由悠季監督の代表的な作品で、時間としても2時間程度見られるちょうどよい「逆襲のシャア」の鑑賞会を実施しました。
場所は、カラオケ屋である「ジョイサウンド」。こちらでは、DVDを大画面で鑑賞できる設備も整っており便利です。
作品を観る前に、ガンダムのあらすじを、ベテランの鑑賞者の方が初見の方にレクチャー。ファーストガンダムからのアムロとシャアの対決の経緯、ララァをめぐる争い、さらにはΖガンダムでクワトロと名前を変えたシャアとアムロが仲間になること、その後、別離をした二人が、再び逆襲のシャアにて相まみえること、までをみんなでおさらいしました。
その後、「逆襲のシャア」本編を、ジョイサウンドの大画面にて鑑賞!!
『クエスの行動がありえない!!』、『シャアはアムロへの私怨で隕石落としするの?!』、『ギュネイの告白が中二病的な。。』、『ハサウェイ、そこで撃っちゃダメでしょ!!』などとみんなで映画に突っ込みを入れながら鑑賞(笑)
「逆襲のシャア」そのものについては、すでに2度ほど見ており理解した気になっていましたが、改めて見ると、登場人物の身勝手さ(特にシャア)が本当に甚だしい。。。。。。(それゆえ、人間臭くもあり、それがキャラの魅力でもありますが)
私個人としては、シャアがララァをアムロに殺された私怨とアムロへのライバル意識で、地球への隕石落としを画策し、実行するのを、アムロが全力で防ぐ話、と理解しました(こう書くと身もふたもないですが、率直に感じた感想です)。
他にも、クエス・パラヤのメチャクチャな言動など突っ込みどころが満載なところもありましたが、なんでそんな行動を登場人物たちに富野由悠季監督がとらせたのかといった作品の詳しい考察については、宇野さんの著作「母性のディストピア」に書かれているので、こちらもぜひ。
映画観賞会が、終わると、みんなで感想会。モビルスーツの顔が書かれたモビルスーツクッキーを持ってきていただいたので、みんなで食べながら和やかな雰囲気で語り合いました。
さらには、モビルスーツと登場人物が網羅された冊子、逆襲のシャアのセリフ集、宇宙世紀の年表をもとに、物語を振り返り。
感想会については、参加できなかった方からも質問をいただいていたので、それらをみんなで想像も交えつつ回答を作る形式で進めました。
以下の回答は、楽しさ重視で考えた内容なので、適当に読み流してください(笑)。
①なぜシャアは、逆襲のシャアからサングラスをとって素顔になったのか?⇒老眼でサングラスがきつくなった?、ララァへの涙も収まってきた?、昔はジオンの息子であることを隠していたが、既に身バレして隠す必要がなくなり、逆に息子であることを利用することとなったためではないか?
②なぜクアトロは格好良く思えるのに、逆襲のシャアのシャアは格好良さが半減したと思えるのか?
⇒ファーストガンダム時代のジオン軍時代、Ζガンダムのクアトロ時代までは、シャア・アズナブルというジオン軍士官(元士官)という役割が自らを律していたこともあったが、逆襲のシャアで偽ることのない素の自分になったときに人間の小ささが露呈したからではないか。
③富野由悠季監督のファーストガンダム・Ζガンダム・逆襲のシャアへ作品に至る心境の変化は?
⇒ファーストガンダムではロボットアニメで少年の成長を描こうとし、Ζガンダムにて「Ζ」という最後を意味するアルファベットのごとく物語を終わらせようしたが、「まだ終わらんよ」という状況により、ガンダムを続けることとなり、逆襲のシャアへ至ったのではないか。詳しくは、「母性のディストピア」を読むべし!!
④アムロはなぜベルトーチカからチェーンに移行したのか。
⇒ガンダムの原作小説では、ベルトーチカと結婚していたが、「逆襲のシャア」という映画のストーリーの都合上、アムロが独身であることが要請され、ベルトーチカではなく、チェーンとくっつかされたのではないか。
という感じで、御覧の通り、本当に参加者同士で好き勝手に楽しくガンダムを語らせていただきました(笑)。
企画をやった気付きとしては、ただガンダムを一人で観るのではなく、みんなで突っ込みながら観るという体験共有の楽しさ、そしてベテラン鑑賞者の人から教えてもらう学びの楽しさ、を感じられた会でした。これから企画するときも、体験共有と学びの要素は入れていきたいですね。
さらに、参加者の方から、現実の戦争とガンダムシリーズとを重ねて理解するための解説画像と、宇宙世紀と作品の年表画像をご提供いただきました。
こうして改めてみると理解が深まりますね。大河ドラマのように、長い歴史背景をもとにストーリーが展開されているのがよくわかります。
そして、今年2019年は、最初のアニメ「機動戦士ガンダム」の放映から40周年だそうですね!!
いくつもの年月を経ても、何度見直しても、いろいろな疑問や考察もできて楽しめるアニメ映画「機動戦士ガンダム」。
平成最後に、PLANETSCLUBのメンバーと語り合えてよかったです。
令和の時代になっても、またいろいろと好きに語りたいと思います!!
それでは、また。