【漫画感想】こっち向いてよ向井くん〜守る・守られる関係性ってどうなのよ?
こんにちは😃
先日とあるオンラインイベントの「ジェンダー勉強会」に参加しました。
映画作品に出演した年少者への性的搾取の問題や、男性同士のケアの問題、森善朗さんの発言の問題など参加者同士で色々とお話をさせていただき、とても良き学びになりました。
そして、その勉強会で、ジェンダーの観点からも面白く読めると思った漫画作品があったので、私から紹介をさせていただきました。
こっち向いてよ向井くん
こちらの漫画は、『午前3時の無法地帯』などの作者であるねむようこ先生が書かれたもので、現在、ヤマシタトモコ先生の違国日記なども掲載されている『FEEL YOUNG』という雑誌で連載中です。
主なあらすじは、以下のとおり。
主人公の向井くんは、独身35歳の会社員で実家暮らし。10年前の彼女に、『守ってあげたい』と言ったら、『守るって何?』と彼女から問われて、何も言えず言葉に詰まってしまいます。
結局、彼女と別れて以降10年間恋人がおらず、『あの時、彼女を守る甲斐性がもう少しあれば、今頃は、、、、』と元カノへの未練を引きずりつつ、『(自分にとっては、)結婚とか遠すぎる』と漠然と感じています。
そんな折に、向井くんは、仕事帰りに寄った義理の弟(向井くん家族と同居中)が働いているカレー屋にて、たまたま常連客で開催されていた「人狼ゲーム」に参加します。
始めは気乗りしませんでしたが、向井くんは、ゲームに参加しているうちに熱くなってしまい、『俺は騎士(人狼ゲームの役割の一つ)だから、愛する者を守るっっ』と口走ったところ、同じくゲームに参加している女性から『男の人って、すぐそういうこと言いますよね。守るってナニー?(笑笑)』と笑われてしまいます。
向井くんが、その女性に言葉の真意を問いただしたところ、
『今の日本では、盗賊が襲ってくるワケでもないし、それなりに自分の身は自分で守れるじゃないですか。』
『それに守るって、守る側と守られる側の上下関係になってて、私は『守りたい』なんて言われたら、見下されてんなーって思っちゃいます。』
と言われてしまい、それを聞いた向井くんは、
『俺は、この10年何を、、、、、』
と言葉を失って呆然としてしまう、というところで、この漫画の1話が終わります。
以前、少女革命ウテナというアニメを紹介した際に、『男性が王子様になって、お姫様である女性を救う』という、世の中の「性別固定観念」に対する批判がアニメのテーマに入っていることを書かせていただきました。
そして、「こっちを向いてよ向井くん」の1話も、向井くんの勘違いをコミカルに描くことで、
『守る(男性)×『守られる(女性)』という性別固定観念を持つ人に、チクリと(いや、大きなパンチを)食らわせる痛快なお話になっています。
そして、この後も、恋愛関係で向井くんが空回りしていくお話が漫画では続くのですが、読んでいて、(私は)心当たりがあり過ぎて『ウッ』と身につまされる話が多かったです。
なので、読む際は、(特に、過去の恋愛で空回りしたことがあると感じている男性は)取り扱いに十分ご注意ください(笑笑)
1話は、こちらから無料で読めますので、面白かったら続きもぜひ😊