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【公務員のキャリアをアップデートする会】〜イメージコンサルタントによる「カッコいい公務員」の作り方〜を開催しました

こんにちは。

先日9月26日(土曜)に公務員のキャリアをアップデートする会を開催いたしました。

場所は、浅草橋にある地域と世界を結ぶゲストハウス「リトルジャパン」

前回に続きリアルイベントということで、従来よりも人数を絞りつつ、換気・消毒・検温などを感染対策を行って実施しました。

今回のゲストは、元東京都職員・イメージコンサルタントの古橋香織さん。
古橋さんは、「イメージコンサルティングラボ Color Commons」代表として、政治家や公務員の方など、「Public」に関わるみなさまに向けて印象管理のお仕事をしています。

今回は、「イメージコンサルティングによるカッコいい公務員の作り方」と題して、古橋さんから東京都職員から独立に至るまでの経緯や思いを語っていただくとともに、イメージコンサルティングを通じた行政の活性化、ならびに公務員のさらなる活躍の可能性について語っていただきました。

最初に古橋さんからお話いただいたのは、まず都庁に入職してから、独立に至るまでのお話。

最初は、消費者行政を担う出先機関に配属。そちらでは、新規採用の若手職員が一人しかおらず、そして周りの年齢層も高めという環境で、新卒社会人としては孤独を感じそうなハードな環境の中で仕事をされた後に、消費者行政の本庁部署に異動。

そして、消費者行政の本庁部署で仕事をされた後に、局間異動にて、「東京都議会事務局」に異動されたとのことです。

そもそも「議会事務局」とは、地方自治法第138条に定められている独立の機関であり、職員の任命権者も「知事」ではなく、「議長」となります。地方自治法では以下に定められています。

地方自治法第百三十八条(抜粋)                      1.都道府県の議会に事務局を置く。                   3.事務局に事務局長、書記その他の職員を置く。
5.事務局長、書記長、書記その他の職員は、議長がこれを任免する。

そして、古橋さんが分かりやすく図に示してくださった資料を引用すると以下の図の形になります。知事(首長)が執行機関とすると、議会は議決機関として執行機関の決定をチェックし、合議にて決定する機関であり、住民はどちらも選挙で選ぶことになる。そして、「議会事務局」は、その選挙で選ばれた議員を下支えする機関ということです。

古橋さんは、そちらの議会事務局で仕事をするうちに議会事務局の抱える課題について問題意識を持たれたとのことです。

具体的には、議会事務局の任命権者は、議長であるため、本来であれば議長から直接指示を受けて執行機関たる職員が動くのですが、実際には、政治的主張の異なる各会派(簡単に言えば「政党」のこと)を補佐することになるため、各会派の意見を聞きつつ政治的な中立性を保ちながらバランスを保って業務を進めることに課題があるとのことです。

(確かに、いろいろな会派の方が、住民の方を代弁していろいろなご意見をおっしゃると思うので、その会派間のバランスを取って調整するということは、本当に難しく、気をすり減らす仕事かと、、、、)

さらに、議員の方とも日々接しながら、良き議員とは、良き議会とは、という問題意識も芽生え、「議会基本条例(※)」を学ぶことをテーマに、早稲田大学の公共経営大学院に通われて、自己研鑽をされたとのことです。

※地方議会の憲法とも言われており、地方議会の運営の基本原則を定めるもの。こちらのサイトによれば、2020年7月1日現在、東京23区では、まだ制定自治体が3区のみ(墨田区、荒川区、板橋区)で制定率が低い状況。

そのように問題意識も抱えつつ働き、自己研鑽も重ねる中で、なぜ古橋さんが起業をされるに至ったのかという退職までのお話も伺いました。

もともと、ファッションがお好きで、自分磨きのためにカラーコーディネータなどの勉強はされていたとのこと。そして、都議会事務局時代に、議員の方からも服装の相談を受けることもあり、公職の方がファッションに関心があるということへの気づき、さらには「出産・子育て」というライフスタイルの変化もあり、ゆくゆくは公務員以外の違う道を歩んでもいいかもと漠然とは考えていたそうです。

そのように漠然と考えていた中、出産直後の育休中に、イメージコンサルタントの勉強を開始。この時は、子育て中で大変な状況の中で、視点を変えて新しいことも始めてみたいという動機で学び始めたということで、起業をするとは全く考えていなかったそうです。

ただ、一緒にイメージコンサルタントを学んでいる仲間が独立も果たしていく中で、自分の今後のやりたいことなどを考えているうちに、自分の今までの仕事で感じた議会や公務員への問題意識、例えば

・議会へはスキャンダル的な報道があれば関心が高まるが、普段の関心はあまり持たれず政治への関心が低い

・公務員の仕事として、肉体労働・知能労働・感情労働がある中で、実際は、感情労働的な仕事(人の気持ちに寄り添い調整する仕事)が多いが、感情に引きずられるあまり働いている人の自己肯定感が低い

・公務員の労働環境に対する魅力が民間企業と比較して相対的に薄れ、公務員採用の倍率が低下している

などといった課題に対して、自分なりに何かできないかを考えられたそうです。

そして、これらの課題を解決するためには、議員や公務員などのパブリックな領域で働く人に対するブランディングが必要なのでは、という考えのもと、これまでの自分の公務員としての経歴を活かして「イメージコンサルタント」として独立しようと思い立ったとのことです。

なお、実際に起業してみて感じるのは、「好きなことでお金を稼ぐ大変さとありがたさ」ということです。

公務員時代は、お金は黙っていても給料日に振り込まれるものですが、起業してからというもの、自分を売り込まなければお客様に来てもらえないし、お金を得ることもできない、だからこそ、お客様へのサービスの対価として初めてお金を得たときはものすごく嬉しくて且つ重みを実感したということです。起業体験者として、本当に実感のこもったお話だと思います。

また、「元公務員」ということが転職市場や起業するに当たって武器にならないかというと決してそんなことはなく、その人自身が公務員としてどのように過ごしてきたのかということが問われることになるとのことです。

特に、公務員の仕事は、統計データや住民の生の声などの一次情報に触れる機会が大きいため、その人自身が、自分なりの問題意識を持って一次情報に触れることができれば、大きな力になるとのこと。そして、自分を売り込むことや稼ぐことへの意識が持てれば、起業へのハードルは低くないとのことです。

続いて、第二部の話として、今、古橋さんが行なっているイメージコンサルタントとしてのお仕事のお話。

まず、なぜ「公務員×おしゃれ」なのか、という点。

公務員業界では、先ほど書いたように、民間企業と比較して相対的に魅力が低下していることから、公務員人気が低下し、採用倍率も低下。

それにあたり、面接重視の試験も導入されて、地方自治体・各省庁は、民間企業との人材獲得競争にさらされているとのこと。

であるならば、役所の方も、自分たちのイメージや見せ方を工夫して、魅力が伝わるようにする必要があるとのこと。

そして、職員削減による業務量の増加などで仕事のやりがいも低下する中で、公務員転の職希望者も増加。先ほど書いた「感情労働」に引きずられて、自己肯定感をなくす人も増えているのではないかと感じているとのこと。

であるならば、公務員のパブリックイメージの向上と、公務員として働いている人の自己肯定感を高めるために、「公務員×おしゃれ」を切り口に、服装を通した公務員のイメージアップに取り組みたいと考えるようになったとのことです。

つまるところ、「組織の魅力というものは、人の魅力である」ということであり、「街の魅力は、その街で働いている公務員の魅力である」とのこと。

役所で働いている人の自己肯定感が高まれば、組織のパフォーマンスが上がり、それが街の魅力を高め、結果として住民の幸せ、地域の活性化に繋がる、ということです。

なお、公務員は、仕事の幅が広く、住民の方と接する仕事もあれば、基本的に役所の中だけで仕事が完結するものもあり、常に見た目の清潔感が問われるという仕事ではないため、服装に気を使う機会も少なくなりがちであるとのこと。

しかし、いわゆる「服装カメレオン」である公務員であるからこそ、相手に応じた服装・ファッションを取り入れてイメージアップを図れば、相手からの信頼も獲得でき、仕事も進めやすくなるのではないか、とのことです。

続いては、服装に気をつけておしゃれになっていくための技術的なお話。

スーツスタイルの3つのCというものであり、公務員は、Corporate型ということで、全体的にバランスが取れたコーディネートが求められることが多いとのこと。

一方、議員については、Communicator型ということで、自身のイメージを青や赤、緑などの色で表しつつ、人の目を引くコーディネートが求められるとのことです。

なお、好印象を与えるために「信頼」というキーワードが出ていますが、民間企業の営業マンが取引相手から信頼を得るのと同じように、公務員も、官民連携先のスタートアップ企業などの仕事相手からの信頼を獲得するためにも、3つのCを意識したコーディネートが必要とのことです。

そして、ファッションの具体的なお話として、パーソナルカラーを意識することが必要であり、その人の個性を引き出し、似合う色を使えば、自分に自信が出たり、パフォーマンスの向上につながる心の変化も出てくるとのこと。

なお、パーソナルカラーは、春夏秋冬に例えて様々なカラーあり、各人に応じて似合う色を探して、合わせていくということです。

ちなみに、議員の方への服装コンサルを実施した経験から、議員の方は、選挙期間中は、健康的に見えるように黄色ベースの色の服装を使うことも多く、議会中は清潔感や透明感を表すためにも青ベースの色の服装を使うことも多いとのことでした。

時と場合によって、自らのセルフイメージをコントロールするためにも、色づかいは重要だということがよく分かります。

そして、それぞれのシーズンにオススメの色を、ベーシックカラー、アクセントカラーと分けて一通りご説明をいただいたのちに、その人に似合うパーソナルカラーを見つけるという点から参加者の服装コンサルティングを実施。持ってきていただいたカラーを首元に当てて、色によって異なる印象についてご解説をいただきました。

最後のまとめとして、「地域ブランディングから人へのブランディングへ」とのことで、カッコいいことをする自治体(住民のためにしっかりと仕事をする自治体)には、自己肯定感が高く、カッコよく働く職員がいてほしいと考えており、

これは、「公務員×おしゃれ」という切り口で、

・職員本人のモチベーションを高めて仕事のアウトプットを高める

・組織のパフォーマンス向上に繋げる

・その結果として、公務員のイメージアップと魅力ある地域の実現に繋げていける

と信じている、とのことでした。


そして、もし、古橋さんのイメージコンサルにご興味を持たれたら、古橋さんのサロン「イメージコンサルティングラボ」の詳細は、こちらになります↓↓

永田町にて、毎週火(午前のみ)、水・金曜にオープンされているとので、個人のイメージコンサルティングなどを実施してくれるとのこと。また、10月から「年休消化割」ということで3割引きのキャンペーンが始まるとのことですが、「必ず年休を取った以上のものをお返しいたします!!」と力強いお言葉をいただきました。

また、「古橋香織公式LINE」も行なっているとのことで、以下のQRコードからぜひご登録をください。

以上が、古橋さんのお話となります。

公務員として、特に議会事務局の職員として働いている中で、議会、議員、そして公務員のあり方への問題意識を持ち、さらに、そのパブリックイメージをどう高めていけるか、という問題設定を行ったこと。

その問題設定を追求するために、「自分にできること」を模索した結果、自分の好きなことと公務員としての経験を活かす「公務員×おしゃれ」という切り口を考え、それで起業に至ったこと。

そして、公務員を初めとするパブリックな場で働く人の自己肯定感を高めることが、街の魅力に繋がっていくということ。

これらの一連の話は、仕事で問題意識を抱えながらも、自分の好きなことややりたいことも追求していきたいと思っている多くの公務員たちの生き方にヒントを与える素敵なお話だったと思います。

起業して間も無く、お忙しいところにお越しいただいた古橋さん、そしてわざわざお越しいただいた参加者の皆様、本当にありがとうございました。

次回の公務員のキャリアをアップデートする会は、10月16日(金)に、場所は、同じく浅草橋のリトルジャパンで開催します。

ゲストに、東京都職員から大学教員に転身された奥山雅之さんをお招きいたします。

申し込みは、こちら

公務員のキャリアをアップデートする会〜公務員から大学教授へ〜 https://peatix.com/event/1641041

こちらの会でも皆様とお会い出来るのを楽しみにしています。



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