大学その4
年が明けた頃、差し伸べてくれる手があった。
「守ってあげる」「永遠に好きでいる」
愛は返せず、手配してくれた旅行は行けない。一度も手を握り返せなかった。
守ってくれなくていい、何もしなくていい、永遠などない。そのうちに苦しくなり、ごめんと伝えると怒り泣いていた。
自暴自棄、無気力、今となにも変わらないけれど、大学生だった。
留年する前の夏休み、今では結婚するかどうかで悩む相手となったが、Yと付き合いはじめた。
まだ小さかったカタマリが箱の中から顔を出す。本当はこうされたくない、こうしておけばいいんでしょ、比較し積もっていく不満。
嫌なところは今も何も変わっていない。
「会いたい」「分かったあけておく」「やっぱりやめる」「仕方ないね」「なんで他の人と遊んだの」
試してもちあげて突き落とす、思考回路が分からない。何日間でも不機嫌。
最終的に進む道ならはじめから選べばいいのに、否定してまた戻ってくるからややこしくなるのに。