杏ちゃんになりたい

『杏』という名前に憧れている

響きがよいので、
きょうちゃんでも、あんずちゃんでもなくあんちゃんだ。

こんな感じで気軽に改名したくなったことが何度もある。

八千ちゃん、容ちゃん、小夜ちゃん、めむちゃん…そして杏ちゃん。

名前を変えるだけでは自分自身何の変化もないのは重々わかっている。

でも頭の中で自分に問いかける時にいつもとはちがう名前で呼ぶと、
生まれ変わったような気分になり、
少しだけ自分のことを客観的に見れる。気がする。

ただ名前にも流行りがある。
この前までは未希ちゃんにしたかったのに、今日は涼ちゃんにしたい。とか
いとも簡単に切り替えて、前の名前は自然と忘れている。

そしてその時の名前とともに思い出も忘れてしまうことが多い。



主将だった頃の○○ちゃんももうめったに思い出さなくなってしまい、
あの頃一緒にいたはずの部員の名前や顔、エピソードも思い出せなくなり始めている。

ボケ始めてるのかな？


思うに私は、多くの忘れられた○○ちゃんの屍の上に立っていると思う。
そしていつか杏ちゃんもその中に入るのだと思う。