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共感と自由

1年くらい前にある動画で、プロサッカー選手で実業家の本田圭佑さんが、働き方改革について話をしていました。

「量を経験しなければ質の重要性にたどり着けない」

確かにその通りで、量をこなしてない人が質を語っても、口が達者な怠惰な人間に思えてきてしまう。

日本では3年くらい前から週休3日制を推奨し始めましたが、国民の声からというよりアメリカやイギリスの動きに影響されてのことでしょう。東京都では女帝百合子さんが今年度から導入する方針を示していましたね。


月曜の朝が恐ろしい、金曜が待ち遠しい、それは誰もが経験しているでしょう。やっと週末だぁと感じるのとほぼ同時に、その週末が終わってしまう感覚。これに対処するなら、週休3日制を発展させてスケジュールに柔軟性を持たせていくのはいいかもしれません。

しかし、本田圭佑さんの言うように、量をこなしてから質を語れるようにならなければ、本質的な ”治療” にはならないと思います。

デザインの職域を考えるなら、柔軟性や独創性、社交性などを思考の前提条件とする”アイデア”ビジネスです。素晴らしいアイデアを生み出すには、全力で沼ったり、クソみたいなものにクソだなぁと気づいたり、へこたれずにやり直したりする時間が必要。

労働時間が後々減っていくことは賛成ですが、業界全体で考えると複雑な気持ちになります。 ”労働時間が減る=アイデアを実現性の高いアイデアに昇華する時間を減らす“ ということに慣れてしまい、生産スピードを競う工場になりかねない。

「Macで仕事をするな」は、今は亡き師匠の口癖でしたが、机の前に座っているだけで素敵なアイデアが浮かぶことはなく、論理性だけではどうにもならない世界です。

散歩やサウナ、一杯のハイボールによって思いつくこともある。アイデアへたどり着くための時間を減らしたいとは思いません。良いアイデアは潜在的に揺蕩っているので、意図しない時に ”捕まえる” ことができる。

だから、”週休3日“ というフレーズは「より短い時間でより生産的になれる」という意味では素晴らしいのですが…….。各々で最適な生活リズムを見つけることができれば解決しそうなんですがね。

カールスバーグの世界的に有名なキャッチコピー「Probably the best beer in the world(おそらく世界で一番うまいビール)」は、モロッコへの旅行中に思いついたそうです。

クリエイティビティを発揮するには、共感と自由は不可欠です。

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杉浦 晃生
日本人はチップを期待していないでしょうが、チップを受け取ったらどう反応しますかね。驚くかもしれないし、少し恥ずかしいかもしれません。